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どこに出しても恥ずかしくない俺の妹 前編

「――いちゃん、起きて、朝だよ。早くしないと、朝ご飯食べる時間なくなっちゃうよ」
 誰かが体を揺さぶっている。
 分かってる。
 妹の碧《みどり》だ。
 目を開けると、碧の『もう、仕方が無いんだから』という顔がすぐ近くにあった。
 聞かなくても次のセリフは分かってる。
『もう、毎日、毎日。起さないと起きないんだから。自分で起きなきゃダメだよ』
 そう、俺はどこにでも居るちょいダメな男で、碧は完璧超人なのだ。

 碧は小さい頃から可愛い子だったけど、今はその名の通り宝石のように美しい美少女に育っている。
 顔は高級なお人形をそのまま人間にしたみたいに、整いすぎるくらい整ってる。
 髪は黒くて艶があり、サラサラで腰があり、肩まで伸ばしている。その髪は枝毛なんかとは完全に無縁だ。
 手入れをしてるわけでも無いのに整った眉毛、大きくてクリクリでくっきりした目、吸い込まれそうな深い色の瞳、筋が通った鼻。小さめでぽってりした唇はとても赤い。
 碧はいくら褒めすぎても褒めたりないほど美しく可愛い。
 これで大きくなったらどうなるのか怖いほどだ。
 そこいらのアイドルでは整形したくらいじゃ、とてもかなわない。

 スタイルは手脚がスラリと長く、それでいて、痩せすぎという感じはしない。太ももは適度な太さで美味しそうだし、膝小僧は可愛いし、ふくらはぎは丸みを帯びた曲線で頬擦りしたくなる。
 それに、足首もキュッと締まっている。
 妹相手にエッチな想像はよく無いけど、足首の締まりとアソコの締りに関係があるならば、かなり締りが良いはずだ。

 これだけルックスが良ければ、性格が悪くなりそうなものだが、碧に限ってはそんなことが全く無い。
 百人に聞いたら百人とも良い子と答えるだろう。
 性格が良すぎると、鼻についたりするものだが、碧はそんなレベルを突き抜けてしまっている。
 聞くところによると、碧のクラスでは皆が嫌がる係りを決めるときは、事前に碧抜きで話し合いが行われるらしい。
 そうしないと、全部碧が引き受けてしまうからだ。

 さらに頭もかなり良い。
 家の手伝いもやるし、親が居ない時は料理もする。勉強をする時間はそんなに無いはずなのに成績が良い。いつ勉強してるのか不思議で仕方が無い。
 碧の成績ならもっと良い高校へ行けたはずなのに、家から近いという理由で俺と同じ高校を選んでしまった。
 この時ばかりは、俺はとんでもなく後悔した。
 碧が俺と同じ高校へ通いたいばかりに志望校のランクを落としたのだとしたら、俺は後悔してもしきれない。
 大学受験で同じ間違いを起さないために、俺は死ぬ気で勉強している最中だ。

 顔もスタイルも頭も性格も文句のつけようが無い。
 さらに、さらに、それだけではない。
 スポーツも人並み以上にこなしてしまう。足もリレーのクラス代表に選ばれるくらい速い。運動神経が良いのだ。
 嫌味なまでの完璧超人だけど、これだけ凄いと周りの人間は嫉妬を感じないらしい。
 クラスの中では別格扱いというか、神様扱いを受けている。
 俺なんか、碧の兄じゃなければ一生話しかけることも出来ないだろう。

 そのくらい凄い碧だけど、重箱の隅をつつくように探して、あえて言うならば欠点が一つある。
 胸が控えめなことだ。
 でもこれは欠点ではないかもしれない。貧乳好きなら今がベストサイズなはずだ。
 それにまだ成長途中なだけで、これからもっと大きくなるだろう。今でも平均くらいはあると思うし、実際碧のブラは半年前より1サイズ大きくなっている。
 高一だから、まだまだ期待できる。これで胸まで大きくなったら、碧から欠点がなくなってしまう。
 そうなったら、もう天使か神様になるしかない。

 いや、もう一つ欠点があった。
 それは異常なまで俺になついていることだ。
 小さい頃からとても人見知りする子供だった。
 四六時中俺について回り、知らない人間とは口を利かずに俺の後ろに隠れていた。
 大きくなるにつれて、人見知りはだんだん治っていったが、いまだに家族以外の男性と話すのは苦手らしい。

 うちは父も母も俺もまごうことなき一般人。普通の中の普通な人間なのに碧だけがずば抜けている。
 俺は碧が養子なんじゃないかと本気で考え、碧の母子手帳を調べたことがある。幸か不幸か間違いなく母の子供、俺の妹だった。
 こんな女の子が妹だったら、誰でも心配せずには居られないはずだ。
 俺は碧が心配でできるだけ送り迎えするようにしている。


 俺はその日も学校の図書室で勉強していた。
 部活をやってない俺は授業が終わったら、図書室で勉強しながら碧の部活終りを待つのが習慣になっている。
 最初、碧は部活に入る気は無かったが、新体操部部長の掛沢玲子《かけざわれいこ》のしつこいまでに熱心な勧誘に根負けして入部したのだ。
 この玲子というのが厄介な存在だ。
 俺と同じ学年だけど、今まで同じクラスになったことは無い。
 玲子と同じクラスのやつに話を聞くと、少々、というか、かなり性格に問題があるらしい。
 親が成金で子供の頃からチヤホヤされて育ったために、何でも自分が中心ではないと気がすまない。
 確かに、学校一の美人という話だし、成績もトップクラス。新体操では県大会に出るくらいの実力だ。
 だけど、何せその性格だ。一部取り巻きにおだてられているけど、それ以外の人間には距離を置かれている。
 俺も口を聞いたことは無い。
 まあ、向こうも俺みたいな一般人とは近づきたくないだろうからお互い様だ。
 その玲子から碧が目をつけられているのだ。
 俺は碧が玲子にイジメられていないか心配だけど、碧によると今のところ普通に部長として接してきてるそうだ。
 俺のツレ情報だと、学校は玲子派と碧派に分かれて大変な事になってるらしい。
 今まで玲子が絶対女王の地位を確立していたところへ碧が入学して碧派が急増。
 玲子が碧を押さえつけるために同じ部へ入部させたともっぱらの噂だそうだ。
 俺からすると碧の圧倒的勝利だけど、玲子派の残党も根強く残っていて勢力が拮抗しているのだ。
 そうなると俺が心配するのは無理も無いだろう。

 部活が終わった碧はいつもと様子が違っていた。
 顔色が悪い。表情も暗い。少しふらついている。歩き方も変だ。
 一生懸命普通を装ってるが俺は碧のことだったら、どんなささいなことも見逃さない。
「どうした、碧。どっか具合が悪いのか」
「ううん、大丈夫。今日は練習がきつかっただけ。すぐによくなるから」
 碧は平気そうに言うが、俺の碧センサーは、それが碧の嘘、空元気だと見抜いていた。
 俺にも言えないことなのか。かなりショックだ。
 今まで碧は俺に何一つ隠し事をしたことがなかった。
 初潮の時だって、『お兄ちゃん、私、大人になったよ』と真っ赤になりながら教えてくれたくらいだ。
 その碧が嘘をつくとは、かなりの問題に違いない。
「さっ、早く帰ろ」
 碧が明るい表情で、そう言ってくる。
 その明るさが痛々しく感じてしまう。
 絶対に、何が有っても、命に代えても、相手を刺して刑務所に入ろうとも俺が何とかしてやる。
 俺は心の中で固く誓った。

 俺の心配は間違いではなかった。
 碧はあの日以来、少し元気が無い。
 朝はいつも通りの元気さだけど、帰りは元気が無くて疲れている。
 イジメ? それとも誰かに弱みでも掴まれて脅されてる? まさかレイプ?
 一年生に碧を虐める勇気ある奴がいるとは思えない。となると、同級生以外か、部活だ。
 特に部活が怪しい。何しろ、あの玲子がいるのだ。それに、部活後の元気の無さがかなり怪しい。
 そこで、俺は日曜日に街へ出かけICレコーダーを買ってきた。
 一万円もしたけど、44時間も録音できる優れものだ。
 これで何か分かるかもしれない。
 早速俺は碧の目を盗んで、碧のスポーツバッグの中へレコーダーを忍ばせた。

 月曜日、いつものように図書館で待ってると、碧が疲れた様子でやってきた。
「碧、辛いんなら部活辞めたほうがいいんじゃないか」
 俺が心配のあまり聞くと、
「大丈夫だよ。大会目指して練習が厳しくなってるけど、そのうち体が慣れると思うから。すぐに何ともなくなるよ。それに一晩寝たら疲れも取れるし」
 碧がやや饒舌にしゃべる。
 俺の碧センサーが異常を告げている。碧が普段以上にしゃべる時は何かがある時だ。
 レコーダーに何か手がかりが有ればいいけど。
 俺はすがる思いで碧のバッグを見つめた。

 その夜、碧が風呂に入ってる間にレコーダーを回収した俺はPCへ接続してデータを取り出した。
 念のためヘッドホンをして、音声を再生してみる。
 再生音はドアを閉めるところから始まっていた。
 しかし、そこから先はあまり録音できていない。
 バッグの底へ入れたせいか、かなり大きな音しか拾っていない。
 しかも、時折聞こえる音もくぐもっていて、よく聞こえない。
 だけど、途中から音は小さいながらも会話が入ってきた。
 内容からすると、どうやら部活の時間らしい。
 碧がバッグのファスナーを開けたので音を拾えてるのだ。
 ボリュームを上げて耳を澄ますと、かろうじて会話が聞こえる。
 ほとんどは昨夜のテレビとかの他愛のない話で、他には先生の悪口がちょっとあったりする。
 だが、衝撃の会話はその先にあった。

 部活が終わり、部員が帰るときのざわめきが収まった。
 その後もレコーダーは会話を拾っている。
『碧、今日も特訓するわよ』
 口調からすると、碧の先輩らしい。
『はい』
 碧が元気なく答える。

先輩(以下、女)『ほら、早くこっち来て――。いつもながら可愛いわね。そのオドオドした表情好きよ』
碧 『先輩、もう止めてください』

 なんだ? なにか雰囲気がおかしい。
 俺は耳に意識を集中させた。

女 『ダメよ。これは練習なの。新体操には表現力も大切なのよ。碧はこの部の期待の星だから、私が直接教えてあげてるの』
碧 『でも、こんな特訓おかしいです』
女 『そんなこと言っても、碧も感じてるでしょ。先週なんか、あんなに派手に感じてたじゃない。声が漏れないかと心配しちゃったわよ』
碧 『でも、女同士なんておかしいです』
女 『おかしいことなんかないわ。私は男なんて汚い物は嫌いなの。可愛い女の子が好きなの。碧は最高に可愛い。今日もいっぱい可愛がってあげるから』

 そこまで聞いた俺は頭に血が昇って何も考えられなくなった。
 レコーダーを引っこ抜くと、碧の部屋へ行った。

 ノックも無しにドアを開いて碧の部屋へ入る。
「みどりっ!」
「おにいちゃんっ!」
 机に向かって何か読んでいた碧が驚いた顔で振り返った。
「これは、どういうことだ」
 手に持ったレコーダーを碧へ突き出した。
 きっと俺の顔は興奮で真っ赤になっていたに違いない。
「それは……」
 頭の良い碧は全てを悟ったようだ。
 碧はうな垂れて下を向いてしまった。

 時間がたって落ち着いた俺は碧とベッドに並んで腰掛けた。
 話すしかないと観念したのか、碧は下を向いたまま小さい声で話し始めた。
 それは驚きの話だったが、ある意味予想通りだった。

 俺が異変を感じたあの日、やはり碧は玲子に襲われていた。
 一人だけ部室に残された碧は後ろ手に縛られ抵抗できないようにされた。
 そして、キスされ、全身を愛撫され、気が緩んだところで、大切な場所へ指を入れられて処女を奪われた。
 それ以降も、毎日のように一人残され、玲子から性的なイジメを受けていたのだ。
 碧は半分泣きながら、俺に話してくれた、

「お兄ちゃん、私、汚れちゃった。お兄ちゃんの体で綺麗にして」
 感極まった碧が俺に抱きついて言った。
 俺も優しく碧を抱き返す。
 碧を抱くのは何年ぶりだろう。小学校以来かもしれない。
 碧の髪からとても良い香りが漂ってくる。
 こんな時に不謹慎ながら、俺はチンコが大きくなるのを感じていた。
「碧、兄弟でそんなことできないよ。それに、碧は汚れてない。あいつなんかに碧は汚せない」
 こんな時になんて言えば良いのか分からない。
 俺は自分の頭の悪さ、経験の無さを呪った。
「やっぱり汚れちゃったからダメなの」
「違うよ。碧のことは大好きだよ。でも兄弟だから。碧がもっと大人になったら、きっと素敵な人が現れるから」
「お兄ちゃんがいい。お兄ちゃんじゃなきゃイヤ」
 碧の腕に力がこもる。
 俺を逃がさない、離さないと言いたいみたいだ。
 普段は大人しくて、大きな声を出すところなんか見たことない碧が声を荒げている。
 俺はそんな碧を突き飛ばせない。
 碧と離れて落ち着いて話をしないといけない事が分かっていても、体が動かなかった。

 俺が力ずくで逃げないと分かった碧は、俺をベッドへ押し倒した。
 そのまま上へ覆いかぶさる。
 碧の髪が垂れて二人の顔の間に密室を作る。
 顔が近い。
 碧が思い詰めた目で俺を見ている。
(ダメだ)
 このままだと取り返しの付かないことになる。俺の理性が警報を鳴らしている。
 一方、頭の片隅では期待している俺がいた。
 俺が性的興味を感じるようになってからずっと心の奥底に封印してきた気持ち、碧を俺のモノにしたいという気持ちが頭をもたげてくる。
 こんなに素敵な女の子がすぐ側に居るのだ。考えるなというのは無理な話だ。
 だから俺はその気持ちをずっと、誰にも悟られないように深い所へ隠してきた。
 その気持ちが今、目を覚まそうとしている。

 碧は俺の顔を両手で挟むと、目を閉じ唇を近づけてきた。
 俺は答を出せないまま動けなかった。
 そして、二人の唇が触れた。

 碧の唇は柔らかかった。
 顔にかかる碧の鼻息がかぐわしい。
 碧は俺の唇を貪るようにキスしてくる。普段の碧からは考えられない情熱だ。
 そして唇を貪りつくすと、舌を捻じ込んできた。
 舌が俺の口の中を這い回る。舌で歯磨きするように歯の一本一本までしつこく撫でていく。
 唇の裏も、歯茎も舌で撫でられる。
 さらに、碧の舌は俺の舌を探して這い回る。
 俺は我慢しきれず舌を差し出した。
 すぐに碧の舌が絡んでくる。
 柔らかくて、ヌルヌルで、言葉にできない気持ち良さ。
 キスがこんなに気持ち良いとは知らなかった。相手が碧だからってのもある。
 俺は堪えきれず碧の背中に手を回して、きつく抱きしめた。
 碧も俺の頭へ手を回して、激しくキスしてくる。
 二人は夢中になって相手の舌を貪った。
 俺も碧も止まれない所まで来てしまっていた。

 俺達はあまりに激しくキスしすぎて息が続かなくなった。
 それでようやく唇を離した。
 どのくらい時間がたったか分からないくらい長い間キスしていた。
 二人が何年もの間、心の底に隠していた気持ち、本人も知らない間にひっそりと育っていた気持ちの分だけ、長く濃厚なキスだった。
 俺と碧は二人ともベッドの上で正座して向かい合っている。
「後悔しないな」
「うん」
 碧が俺の目を正面から見つめて答えた。
 俺より頭の良い碧が出した答えだ。俺が何を言っても変わらないだろう。
「脱がすぞ」
「うん」
 緊張で手が震えてしまう。
 パジャマのボタンを外すと、間からキャミソールが見えた。
 パジャマを脱がして、キャミソールに手を掛ける。
 碧は一切逆らわず、目を閉じてされるがままになっている。
 俺は大きく深呼吸をしてからキャミソールを脱がしていく。
 お風呂の後なので、碧はブラジャーをしてなかった。
 キャミソールを脱がすと、その下は素肌だった。

「綺麗だ……。どこも汚れてないよ」
 碧の裸は目が潰れそうなほど綺麗だった。
 白い肌に控えめな胸。その真ん中には薄い色の乳首。
 少し浮き出ているあばら。
 細いウエスト。
 お腹はほんの少しポコっとしているが、太っている感じではなくで、お腹の真ん中辺りがだけが縦に長く、かすかに膨らんでいる。
 子供体型の名残なんだろう。

「立って」
 正座のままでは下を脱がせられないので碧を立たせた。
 そして、ゆっくりパジャマのズボンを下ろしていく。
 白いパンツ!
 一瞬俺は手が止まり、息を飲み込んだ。
 ここで止まったら碧が恥ずかしい想いをする。俺はそのままパジャマを脱がせた。
 碧には白が似合う。
 さすがに子供パンツではなくて、ちょっと大人っぽいデザインのショーツだ。
 すっごくエロ可愛い。
 まさか、碧はこうなることを予想して勝負パンツを穿いているのか。
 いや、そんなはずは無い。
 となると、碧は普段からこんなエッチな下着を着けてるのか。
 頭がクラクラしてくる。
 普段は意識して洗濯物を目にしないようにしてきたし、碧も俺の目に触れないように気を付けていたのだろう。
 碧の下着がどんな物か全然知らなかった。

 碧はまだ子供だと思っていたが、腰周りはそれなりに肉が付き、細い脚とは対照的だ。
 そして、股間はムチっとしてて、さらに大人の雰囲気をみせている。
 こうなったら最後まで行こう。
「これも脱がすぞ」
 俺は最後の一枚に手を掛けた。
 碧は真っ赤になった顔を背け、恥ずかしさから体をかすかに震わせている。
 早く終わらせたほうが碧のためだ。
 俺は一気に脱がせた。
 碧の秘密の部分が俺の視界に広がった。
 碧はまだヘアがかすかにもやもやっとしか生えてない。
 そのため、性器が丸見えになっている。
 俺は普通のスケベな男子高校生だから、ネットとかで無修正を見たことくらいある。というか、いつも見ている。
 だけど、碧の性器はそんなのとは綺麗さが段違いだ。
 ふっくらした恥丘に、単なる切れ目に近い筋、そこからほんのかすかにヒダがはみ出ているけど、色はほとんど肌の色だ。
 クリは完全に皮の下に隠れている。
(綺麗だ……)
 俺は心の中でつぶやいた。
 そして、その光景を目に焼き付けた。
 あまり長時間見てたら翠が可愛そうだ。
 裸になった碧をベッドへ寝かせてやる。
 そして、俺も急いで裸になった。

 俺は勃起してるのを見られたく無いので碧に体をくっつけた。
 肌と肌が触れて、俺の興奮はさらに大きくなってしまう。
「碧」
「お兄ちゃん」
 俺達はどちらからともなく抱き合った。無性に抱き合いたかったし、抱き合わなければいけない気がした。
 抱き合うだけで気持ち良い。相手の体温が伝わってくる。
 裸で抱き合うのがこんなに気持ち良いなんて俺は知らなかった。
 いや、違う。相手が碧だから気持ち良いのだ。
 俺達の気持ちは一気に燃え上がった。
「お兄ちゃん、私を綺麗にして。お兄ちゃんが綺麗にして」
「分かった。綺麗にしてやる。玲子にどんなことをされたんだ」
「先輩は最初に私の体の匂いを嗅ぐの」
「そうか、俺も碧の匂いを嗅いでやる」
 俺は抱き合ったまま碧の体の匂いを嗅いだ。
 髪の毛から始まって、耳、首へと匂いを嗅ぎながら降りていく。
「ここもか」
 俺は腋へ鼻を近づけ聞いた。
「そう」
 こんなとこまで……。
 俺は碧の片手を掴んで頭の方へ上げた。そして、腋の下へ鼻を突っ込んだ。
「……んっ、う、うぅ……」
 碧が体をよじりながら耐える。
「次は反対だ」
 反対側の腋の下も思い切り匂いを嗅いでやる。
 風呂からそんなに時間がたってないので、良い匂いしかしない。
 しかし、部活の後なら、かなり汗の匂いや体臭が籠もっていたはずだ。
 碧は死にたいほど恥ずかしかったはずだ。
 そう考えると、玲子のことがどうしようもなく憎くなってくる。
 俺の鼻は胸の間を通り、おへそを通り、股間に近づいた。
「ここもか」
「そう、そこも」
「くそう、俺がもっと匂いを嗅いでやる」
「恥ずかしいけど、嗅いで、もっと私の匂いを嗅いで」
 ここも匂われたのか。
 俺より先に玲子が碧の匂いを知ったと思うと、いくら憎んでも憎み足りない。
 脚を閉じた股間へ鼻を突っ込み匂いを嗅ぎまくった。
 そこは俺が今まで俺が嗅いだことのない匂いがした。

 これが女の匂いなのか。
 初めての匂いなので何に例えて良いか分からない。未知の匂いだ。
 『女の匂い』という新しいジャンルの匂いだとしか言いようがない。
 不思議な匂いに感心すると同時に、碧が女の匂いを出していることに驚く。
 かすかに子供の面影が残っていると言っても、体はほとんど大人になっている。
 碧はいつまでも子供だと思っていただけに、俺は本当に驚いていた。

「それからあいつはどんなことをしたんだ」
「先輩は匂いを嗅いだら、次に体中触って、キスするの」
「おお、体中キスしてやる」
 俺は首筋から全身くまなくキスしていく。
 匂いを嗅ぐのと違って、唇が触れるたびに碧は敏感に反応してくれる。
「はんっ、あんっ、あっ、あっ、あっ」
 碧の可愛い声が俺をさらに興奮させる。
 もう俺は碧が妹だということを忘れていた。愛する一人の女の子だとしか思っていない。
 肩までいったら鎖骨を通って胸へ進む。
 乳房にも満遍なくキスした。そして乳首にキスした。
「はぅんー、ああああぁー……」
 碧が体を仰け反らして感じている。
「い、い、いぃ、いい、いいよー、お兄ちゃん、気持ちいいよー……」
 俺は碧の体を抱きしめ、顔を乳房へ押し付ける。
 小さい胸だけど十分柔らかい。顔中で柔らかさを確かめる。
 そして、乳首を吸い、舌で転がし、甘噛みして、唇で挟み、指でつまみ……、考えられるあらゆる事をやった。
 その間、碧はずっと嬉し涙を流しながら感じ続けていた。
 俺が乳首から口を離しても、碧はしばらくの間はぁはぁと苦しそうに息をしていた。

 碧の息が落ち着いてからも俺はキスを続けた。
 お腹、脇腹、太もも、膝、膝の裏、ふくらはぎ……。
 碧の体に汚いところはどこにもなかった。
「お兄ちゃん、気持ちいい。もっと、もっとして」
 碧は嫌がることなく、俺は飽きることなく愛撫を続けた。そして、体の表面は一通りキスし終わった。
 そこで、碧が赤らんだ顔で恥ずかしそうに言った。
「お兄ちゃん、あそこもして……」
 一瞬で頭に血が昇る。
 玲子はクンニまでしてやがった。
 怒りで頭がグラグラする。それでも自分を落ち着かせる。
 今は碧の相手をするのが優先だ。
 玲子に汚された場所は俺が全部綺麗にしてやるんだ。

 俺は碧の両脚の間にうずくまり、顔を近づけた。
 碧の秘密の場所はすっかり濡れていた。そして、女の匂いがますます濃くなっていた。
 玲子に開発されたせいだと思うと、無性に腹が立つ。
 俺は舌を伸ばして、入口らしき場所へ触れた。
「はうんっ」
 碧から声が出て、腰が一瞬逃げたあと、すぐに戻ってきた。
 多分やり方は間違ってないはず。
 何しろ俺も実物を見るのは初めてだし、クンニのやり方なんて漠然としか知らない。
 痛くしないように舌から力を抜いて、慎重に優しく舐めていく。
「はんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あっ、あっ、あ、あ、あ……」
 俺の舌に合わせて、碧が声を出して感じている。
 なんて、嬉しくて楽しくて興奮するんだろう。
 これは簡単にはやめられない。俺は夢中になって舐め続けた。
 中から湧き出してくる雫は残らず吸い取って飲み込んだ。
 それはしょっぱくて、ヌルッとしてて初めての味わいだ。碧の味だと思うと、とても高貴な物に思えて、飲み込まずにはいられない。
 さらに、俺は調子に乗って、攻撃目標をクリに変えた。
 多分ココだろうという場所をまずは皮ごと舐め上げる。
「はんぅ……」
 碧の反応がさらに大きくなる。
 腰が浮き上がっている。手が俺の髪の毛を掴んでいる。
 俺は必死になって舐めた。
 舌を尖らせて限界のスピードで舌を動かす。碧を気持ち良くしたい一心だ。他には何も考えない。
「お兄ちゃん、あんっ、ダメッ、そこ。はぁん、来ちゃう、なんか来る、やだ、ダメ、あん」
 碧の体がプルプル震える。
 それでも俺は舐めた。時間を忘れて、舌先に意識を集中して舐め続けた。
 舌が疲れてどんなにがんばっても動かせなくなって、ようやく俺は動きを止めた。
 碧はぐったりしていた。

 碧の息が整うのを待つ間、俺はふと気が付いた。
 マンコの下でお尻の穴がヒクヒク動いていることに。
 触ってもいないのに締まったり緩んだりを繰り返してる。
 ひょっとして……、まさか……、お尻の穴も玲子に虐められたなんてことは……。
 碧のお尻の穴なら汚いとは思わない。俺は確認のため舌で触れてみることにした。
 俺の心配が杞憂で、さすがの玲子も触れてなかったとしたら、碧は大暴れで逃げようとするだろう。
 逆にそこもすでに玲子の攻撃対象になっていたら……。
 悩んでも仕方が無い。確認したほうが早い。
 俺は舌を伸ばして、そっと蕾の中心に触れた。

「ひゃん」
 碧は一瞬変な声を出したが、逃げようとはしなかった。
 俺は続けて、くすぐるように穴の中心を舌先で攻めた。
「んっ、ん、ん、ん、ん……」
 碧は歯を食いしばった声を出すが、やはり逃げようとはしない。
 玲子はお尻の穴までいじっていたのだ。
 そんな、こんなとこまで……、酷い……。
 俺は悔しくて涙が出そうになる。妹がそんな酷い仕打ちを受けていたとは。なぜもっと早く何とかしてやらなかったのか。
 碧は辛かっただろう。誰にも言えず一人悩んで苦しんでいたんだ。
 その時の碧の気持ちを想像すると、胸が張り裂けそうになった。
 俺は我を忘れてお尻の穴を舐め続けた。俺が綺麗にしてやると思いながら。

「――いちゃん、お兄ちゃん、待って。待って!!!」
 碧の大声でふっと我に返った。
 自分の世界に入りすぎて、碧のことを忘れてお尻を延々舐め続けていた。
 俺は碧の事になると冷静さを失ってしまう。

「お兄ちゃん、今度は私がする」
 碧はそう言うやいなや、くるっと体を反転させて俺の股間に頭を持ってきた。
 そして、とめる間もなくチンコの先にキスをした。
「おぅっ」
 俺は思わずうなってしまった。
 フェラは気持ち良いとは想像してたが、これは想像以上の気持ち良さだ。
 キスされただけでこんなに気持ち良いなら、舐められたり咥えられたりしたら我慢できる自信が無い。
「ダメだ、碧。汚いから」
「お兄ちゃんのなら汚くないよ。お兄ちゃんも私の舐めてくれたもの」
 そう言うと、碧は亀頭を舐め始めた。
「おっおおおおぉー、あぁ……」
 今まで体験したことの無い快感が俺の体を走り抜ける。
 あまりの気持ち良さに体に力が入らない。
「ダメッ、ダメだ。碧、やめて、あううううぅー、ダメだよ、あっあっあっあっ……」
「気持ちいい?」
 さっきまで死にそうなほどあえいでいた碧が、水を得た魚みたいに元気になって俺のチンコを責めてくる。
 柔らかくて暖かくてヌメヌメした物がチンコを這い回る。
 もう、気持ち良過ぎてどうして良いか分からない。
 碧はさらに手で棒の部分をしごき始めた。
 どこでそんなこと覚えたんだと言いたいけど、言葉が出ない。
 快感を我慢するので精一杯だ。
「それ以上は、もう、もう、ダメだ、おぅっ、出ちゃう」
 碧の顔に掛けるなんて絶対にやってはいけない。
 口の中に出すなんて、あってはならない。何が何でも避けないといけない。
 碧を穢してはいけないのだ。
 頭では分かっていても体が言うことを聞かない。俺は唸ることしかできない。
「出そう? いつでも出していいよ」
 碧がおどけた感じで言った。主導権を握れて嬉しいのだ。
「それだけは、それだけは……」
 俺の我慢をよそに、碧はついにチンコを咥えてしまった。
 亀頭が温かい粘膜に包まれる。
 さらに碧は頭を上下に動かして、唇でしごき始めた。
「おおおおおおぉーー……」
 今まで生きてきた中で一番の快感だ。
 オナニーなんか比べ物にならない気持ち良さ。
 もう、いつ噴き出してもおかしくない。
「どいて、碧、どいて、早く。出ちゃう、汚れちゃう」
「出して。お兄ちゃんのいっぱい出して」
 碧の動きがさらに早くなる。
 手が、唇が、舌が俺を追い詰める。
「ほんとに、もう、出るからっ」
 快感が強すぎて自分をコントロールできない。
「出して。お口に出して。私、お兄ちゃんのなら飲めるよ。ううん、飲みたい。出して。碧に飲ませて」
 碧はそう言って、亀頭の先端をペロペロ舐めてはチュウチュウ吸うのを繰り返す。手は精液を搾り出そうと棒をしごき続けている。
 童貞で初フェラの俺に耐えられる攻撃ではなかった。
 ただでさえここまでの愛撫で興奮しすぎている。
 俺の我慢はそこまでだった。
「おっおっおっおっ、出るっ、出ちゃう、あああああ、出るっ、出る出る出る、うわあああああぁー……」
 チンコが一瞬膨らんだ気がした。
 そして、熱い固まりが凄い勢いで噴き出していった。
「あぁ、あ、あ、あ…………」
 びゅるびゅるびゅるびゅる、びゅくびゅくびゅくびゅく、びゅるるる、びゅるるるっ……。
 自分でも信じられないくらいの精液が碧の口の中へ出てしまう。
 快感で体が痺れる。
 頭がバカになる。
 最後の一滴まで出し尽くして俺は力尽きた。

 はぁはぁはぁはぁ……。
 俺が激しく息をしていると、碧は精液をこぼさないよう器用に口を外した。
 ちゅるんと音が聞こえそうな感じだ。
 そして、碧はベッドの上で女の子座りをすると、口の中の物を少しずつ飲み込んでいった。
 俺はそれをぼうっとしながら眺めていた。
(飲んでる……。碧が俺のを飲んでる……)
 その光景は俺の脳の許容範囲を超えていた。

 口の中の物を全部飲むと碧は俺ににっこり笑いかけた。
「全部飲めたよ。想像してたより、全然大丈夫だった」
 そう言うと碧はまた俺の股間に顔を近づけた。
「元気なくなっちゃったね。私が元気にしてあげる」
 碧は俺が止める間もなく、再びチンコを咥えた。
 人生最高の射精に、碧が精液を飲む光景が加わり、俺は体に力が入らず、頭はまだ切りが掛かったような状態ではっきりしない。
 そこへ、フェラの刺激が襲ってきた。
 射精してすぐのチンコにフェラはかなりの攻撃力だ。
 萎えかけたチンコに再び血液が流れ込んでいく。
 出したばかりだというのに、俺のチンコははしたないことにすぐに大きくなってしまった。

「お兄ちゃん、来て」
 碧が真剣な目で俺を見る。
 ここまで来たらもうやるしかない。ここでやらなかったら逆に碧が傷付く。
「いくよ。痛くても我慢するんだぞ」
「うん」
 碧がうなずく。
 俺は多分ここだろうという位置にチンコの先を合わせた。
 そして、ぐっと腰を前へ出した。
 ニュルっとした感触とともに、チンコの先が熱いものに包まれる。
 ヌルヌルに濡れているので、ほとんど抵抗もなく、チンコが奥へ吸い込まれていく。
(うわああああぁー……)
 俺は心の中で叫ぶ。
 チンコは奥へと進み、どんどん碧に包まれていく。
 熱くて、ヌルヌルで、チンコを締め付け、微妙にヒクヒクしてて、信じられないくらい気持ち良い。
 こんなに気持ち良いのは生まれて初めてだった。
 さっきのフェラよりさらに気持ち良い。
 そして、チンコは行き止まりにぶつかった。

(やばい、動いたら確実に出る)
 根元まで挿入した俺は気持ち良過ぎて動けないでいた。
 さっき碧の口に出したからギリギリ我慢できてる。もし出してなかったら、奥まで入れる前に射精してしまってた。
 俺は出そうなのをごまかすために、碧を抱きしめた。
「初めてを上げられなくてごめんなさい」
 碧が悲しそうな声で言った。
「いや、初めてと同じだよ」
「少しだけ痛いけど、大丈夫だから、動いていいよ」
「もう少しこのままで。碧をもっと感じたい。碧の中は動かなくても十分気持ち良いから」
 その場しのぎに口から言葉が出た。
 すると、碧が唇を突き出しキスをねだったので、俺はキスをした。
 舌を絡ませあう濃厚なキスだ。上から唾を注ぎ込むと、碧が嬉しそうに飲み込んでいく。
 碧が下から唾でヌルヌルの舌を入れてくると、俺は嬉しそうに吸った。
 そうして恋人同士以上に熱いキスを続けていると、俺のチンコはなんとか落ち着いてきた。
 少しなら動いても耐えられそうな感じだ。
「碧、そろそろ動くぞ」
「うん、好きに動いて」
 数分くらいは持つかなと思いながら、俺は動き始めた。
 だが、すぐに間違いだと気が付いた。
 甘かった。
 俺はほとんど未使用の美少女高校生のマンコを甘く見ていた。
 フェラと同じくらいの気持ち良さだろうと油断していた。
 だが、碧はマンコの中まで優等生だった。

 一分もしないうちに俺は追い込まれた。
 熱くてヌルヌルの粘膜が俺のチンコを包み、しごきたてる。
 表面にはデコボコがあり、カリや幹を刺激する。
 それに、一番奥まで入れると、先端がコリッとした物にぶつかり、先っぽから頭まで電流が流れて体が痺れる。
 フェラどころではない気持ち良さだ。
 気持ち良過ぎて体が震えてしまう。
 腰の周りがビリビリ痺れて力が抜けていく。
 これがセックスなんだと俺は思い知った。

 全く余裕が無い状態だ。しゃべることもできない。歯を食いしばり、お腹に力を込めて何とか耐えている。
 鼻でしか息ができない。フー、フーと鼻で激しく息をする。
 俺の危険な状態を碧は感づいた。
「今日は大丈夫な日だから。お兄ちゃん、中に出して。初めては中に欲しい」
 そんなことはできない。
 頭で分かっていても、体が言うことを聞かない。精液はすぐそこまで上がってきている。
「あぁ……、ダメだ……。もうっ、ああああぁ……」
「来て。いっぱい出して、私で気持ち良くなって」
「あ、あ、あ、あ、ダメだぁ……。出る……。うあああああぁーー……」
 俺は耐え切れなかった。血の繋がった妹の中に出すなんて、絶対許されないことなのに。
 俺は情け無い声とともに、禁断の場所へ精液を吐き出してしまう。
 びゅるびゅるびゅるびゅる、びゅくん、びゅくびゅくびゅく、びゅるるっ、びゅるるっ……。
 今日二発目とは思えない量と濃さの精液が噴き出していく。
 碧が危ない日なら確実に妊娠しそうな特濃特大精液だ。
 碧は俺の背中へ手を回し、腰へ脚を回して体を密着させ、俺を受け止めてくれる。
「出てる。これがお兄ちゃんの……。お兄ちゃん、あったかいよ。お兄ちゃんのが中で広がってる……。嬉しい……」
 俺は快感で意識がかすむ中、碧の本当に嬉しそうな声を聞いた。

 射精が終わり気まずくなった俺が抜こうとすると碧が言った。
「ちょっと待って」
 何事かと思うと、碧が手を伸ばしてティッシュを数枚引き抜いた。いつの間にかヘッドボードにティッシュの箱が置いてあった。
「いいよ」
 俺はゆっくり抜いた。
 こすれるのが気持ち良くて声が出そうになる。
 チンコが抜けて俺が離れると、碧が急いでティッシュで股間を押さえた。
「こぼれそうだったから」
 碧が恥ずかしそうに言った。

 嵐のような情熱が去り、落ち着いた俺と碧は裸のまま並んで寝そべった。
「大丈夫だったか」
「うん……。少し気持ち良かった」
 碧が甘えておれに擦り寄ってくる。俺の胸に頭を乗せて、片手で俺の体を撫でている。
「私の初めてはあげられなかったから、お兄ちゃんの初めては全部私がもらってあげる」
「でも、どうして俺なんだ。俺よりイイ男なんていっぱい居るだろ」
「分かんない。理屈じゃないの。私はお兄ちゃんがいいの。お兄ちゃんしかいらないの。お兄ちゃんじゃないとダメなの」
 話しているうちに碧がまた興奮してきた。
 落ち着かせないといけない。
 俺は黙って碧の頭を優しく撫でた。

「お兄ちゃんに黙ってたことがもう一つあるの」
 碧が申し訳無さそうというか、神妙な口ぶりで言った。
「なに? 話してごらん」
 もう、こうなったら大抵のことでは驚かない。
 俺の中で覚悟みたいなものが固まりつつあった。
「ほんとは、バッグの中にレコーダーがあるの最初から気付いてたの。中身の位置が微妙に変わってるからおかしいなと思って……。ごめんなさい。どうしてもお兄ちゃんには言えなかったから……」
 俺は碧の話をさえぎった。
 完璧超人の碧だ、気付いても不思議ではない。
 自分ではどうすることもできず、玲子との会話を俺に聞かせることで助けを求めたのだ。
「もういいんだ。全部終わったことだ。終わったことは変えられない。大切なのは、これからどうするかだ」
 それより本当にこれからどうするかだ。妹とこんなことになってしまって。親には話せない。
 完全に兄失格だ。
 将来、碧にふさわしい男が現れたら、喜んで祝福しようと思ってたのに……。
 これからは俺が一生碧を守っていくしかない。
「先輩は許せないけど、少しだけ感謝してるの。お兄ちゃんとこうなれたから。それに初めてでも、そんなに痛くなかった」
 くぅー……、俺の可愛い妹にこんなこと言わせるなんて。
 掛沢玲子、絶対に許さん。
 碧の代わりに必ず復讐してやる。
 俺は心に固く誓った。



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