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以心伝心:第15章

 エリが転職することを決めても、すぐというわけにはいかなかった。
 せめて、月一で来るお客さんに挨拶してからと店長の泣き落としにあったからだ。
 多少の恩も感じていたので、エリが辞めるのはバレンタインが終わった二月末と決まった。

 転職も近い二月上旬の土曜日、エリは守と二人でお出かけしていた。
 麻美はクラブの従業員全員が集まって、バレンタインのプレゼントの買出しへ出かけている。
 エリは久しぶりの二人だけの外出で内心浮かれていた。
 今日は何をしようかと、頭の中で色々考える。
 麻美が居たらできないこと、前から守と行きたかった所、次々案が浮かんで嬉しい悲鳴だ。

 エリと守が信号待ちしていると、エリに軽く当たりながら女がすり抜けていった。
 制服姿の女子高生だ。
 失礼な子だなとエリが少しムッとしていると、信号は赤なのにその女の子はフラフラ渡り始めてしまう。
(えっ、なんで? 赤だよね)
 想定外の出来事にピントハズレなことを思ってしまう。
 そこへ一台の車が女目掛けて走ってきた。
 ファァーンとクラクションが鳴らされる。
(危ないっ!)
 それでエリはようやく危険を察知して心の中で叫ぶが、とっさに体が動かない。
 その時、誰かが動いた。守だ。
 スローモーションのように映像が流れる中、守が女の子の手を掴んで力一杯引き寄せた。
 女の子は引かれた勢いで守へぶつかり、跳ねて、歩道の上へ倒れこんだ。
 そのすぐ側を車がスキール音を響かせながら通りすぎていった。

 普段車を運転しないエリは交通事故に会ったことも見たことも無い。
 初めての経験に心拍数が一気に上がり、ドキドキがなかなか治まらない。
(すごかった……)
 エリが一人興奮していると、守が女に声を掛けた。
「大丈夫?」
 女子高生は放心状態というか、投げやりな感じで全てがどうでも良いという風に見える。
「私なんか死んだほうが良かった」
 歩道に座り込んだままの女子高生がつぶやくように言った。

 このまま立ち去るのは後味が悪いので、エリと守は近くに座れるところを見つけ、そこへ女の子を座らせた。
 それから守は走って飲み物を買ってきた。暖かい物のほうが良いだろうとホットココアだ。
「どうしたの? 大丈夫?」
 守が慣れない生き物に緊張しながら話しかけるが、女子高生は生返事をするばかりで、一向にまともに取り合わない。
 それでも守が根気良く話しかけると、ようやく女子高生は少しずつ話し始めた。
 エリと守の二人は成り行きで話を聞くことになってしまった。
 女子高生の名前は有紀《ゆき》。高校三年生。
 何のことは無い、第一志望の私大受験に失敗しただけのことだった。
 有紀は推薦を校内の抽選で落ちて、一般入試の試験に賭けていた。
 その発表を先ほど見て、落ちていたのでショックで気が抜けていたのだ。
 特に自殺する気は無かったらしい。
 しかし、有紀は生きてても仕方が無いというくらいに落ち込んでいる。
 高校中退と夜間高校卒の二人には受験に失敗したくらいで死にたくなる気持ちが分からない。
「あのさあ、なんで大学に落ちたくらいで死ななきゃならないの。世間で大学進学率って50%くらいでしょ。それなら世の中の半分は死ななきゃいけないじゃない」
 エリが少しあきれた様子で言う。
「あなた達に、子供の頃から勉強だけをやってきた私の気持ちは分かりません」
 有紀の声は暗くて重い。
「この守は夜間高校卒だけど真面目に働いてるし、あたしみたいなイイ女をカノジョにしてるよ」
「私には受験が全てなんです。落ちたら意味が無いんです。親に何て言ったら……」
「そんなの浪人させてとか、別の大学行くとかで良いんじゃないの。滑り止めとか受けてるんでしょ。それに、国立の二次募集とかがあるんじゃない」
 高校中退のエリでもそのくらいのことは知っていた。
「ランクの低い大学へ行っても仕方が無いし、私立で落ちたのにもっと難しい国立二次で通るのは無理……」
 エリが何を言っても、有紀は否定的なことしか言わない。いい加減、イライラしてきてしまう。
「あっ、そう。高校中退の私には分かんない」
「あなたみたいな遊んでる人には分からないんです」
 エリは少しカチンと来た。
 制服からはどんな学校か分からないけど、きちんとした身なりをしているから、いいとこのお嬢さんだろう。
 本当の苦労を知らないくせに、口答えするのがイラっとする。
「分かった、あんた処女ね。だから死にたいなんて考えるんだ。イイ男に抱かれてみなさいよ。死のうなんて気は絶対起きないから」
 有紀は真面目が服を着たみたいに固そうな格好をしている。
 そんな姿を見てエリは腹立ち紛れにからかってしまう。
 しかし、有紀にその冷やかしは通じなかった。
「私、そんなふしだらではありません」
「ふ、し、だ、ら、だってー……」
 聞きなれない古風な言葉だけど意味は分かる。エリの頭に一気に血が上った。
 最初は興奮と好奇心から有紀に関わってきたエリだったが、エリの言い草に本気で腹が立ってきた。
「あんたは知らないから言ってるだけよ。勉強では負けるけど、私は少なくともあなたより一つ人生の良いこと知ってるわ。死ぬくらいなら、その前に処女でも捨てたらどうなの。死ぬのに比べたら、全然簡単でしょ。それでも死にたいなら死ねばいいわ。私の言うことが嘘だと言うんなら実際にやってから言いなさいよ。処女はこの守にあげな。一回だけ貸してあげるから」
 エリは興奮のあまり一気にまくし立てた。途中思ってもいないことを口走ってしまったがもう遅かった。

 エリが普段心の底で気になっていたこと、なるべく考えないようにしていたことが出てしまった。
 それは、守に処女を上げられなかったことだ。
 守の童貞は自分がもらったが、自分は処女ではなかった。
 守は何も言わない。
 自分は守以外の男を何人か知っているが、守は自分と麻美しか知らない。
 このままでは守は一生自分と麻美とだけやって処女の相手をしないことになる。
 申し訳ないというか、不公平というか、可愛そうな気がする。
 だけど、いまさらどうすることもできない。
 それにエリの処女喪失はどちらかというと良い思い出ではなかったことがエリの気持ちを複雑にしていた。

「処女じゃないのがそんなに偉いんですか」
「ああ、偉いわ。セックスの良さも知らずに死にたいなんて言うのは、バカのやることよ」
 横で二人の口論を聞いている守はオロオロしてしまう。
 修羅場っぽい状況はいつになっても慣れない。
 それに二人の会話は外でする話ではない。
「もしセックスしても気持ち良くなかったらどうしてくれるんですか」
「何でも言うこと聞いてあげるわよ」
「じゃあ、私の代わりに大学受験して勉強の辛さを経験してくださいって言ったらどうしますか」
「受験でも何でもやってあげるわよ。私は守を信じてるから。断言する。絶対にあんたの考えは変わる」
 エリの口調は確信に満ちている。
「分かりました。そこまで言うならやります。セックスなんてそんなに良いものじゃないって証明します」
 有紀も売り言葉に買い言葉の状態だ。
(やけを起こしたらダメだよー……)
 守は二人を止めたいがなんと言って良いか分からない。
 エリも有紀も話しているうちに興奮していて、お互い引けない状態になっている。
「その勇気は認めてあげるわ。すぐに私が正しかったって思い知るけどね」
「その言葉はそのままお返しします」
 マンガに出てきそうなベタな会話だ。どんどん話が変な方向へ行っている。
 エリと一緒にいると、こんなことになるのが多い気がする。守は頭を抱えた。
「エリさん、俺、処女の人とやったことないですよ。女性だってエリさんと麻美さんしか知らないし……」
 守がエリだけに聞こえるように小声で言う。
「守なら大丈夫。私が教えてあげる。守なら処女相手でも上手くやれるから。この子をヒィヒィ言わせてやりなさい」
「そ、そんなの、無理ですよ」
「無理じゃない。やるの」
 そうして守は流されるままに有紀の相手をすることになってしまった。

 三人は守達の家へ戻り、エリの部屋へ入った。麻美はまだ帰っていない。
「どうすれば良いんですか」
 守は不安で仕方が無い。処女というだけで、普通の女性とは別の生き物に思えてくる。
「まずは目一杯感じさせて、それで自分から腰をくねらせ始めたらズブッと挿入よ」
「そんな、いい加減な」
「いいから、やればいいのよ。処女も非処女も感じるところは同じだから。守ならできる。女の私が保証する」
 エリは先ほどまでの怒りと変わって、何か面白がっているようだ。

 電気を消してカーテンを閉めたので昼間でも部屋の中はかなり暗い。
 有紀が恥ずかしがらないようにとの守の配慮だ。
 エリの部屋は昼間でも寝られるように性能の良い遮光カーテンを使っているので普通の部屋より暗い。
 その中、守はあらためて有紀をじっくり見た。目が慣れるとそれなりに姿が見える。
 いかにも優等生な感じのメガネにほとんどノーメイクな顔。エリや麻美の顔を見慣れているので眉毛が太く感じる。
 髪型はちょっと長めのボブカットという感じのミディアムヘア。シャワーを使った後ドライヤーで乾かしたが、まだしっとり感が残っている。
 肌は、家にこもって勉強ばかりしているからかけっこう白い。
 体はムチッとしてて柔らかそうだ。
 極めつけは長めのスカート丈。今時これだけ長い制服はなかなか見ない。
 全体的に真面目さがにじみ出ている。まさに真面目の塊という感じ。
 こんな子と本当にエッチをして良いのか守は戸惑ってしまう。
 最後の確認とエリの方を向くと、早くやれと視線で催促してくる。
 有紀は自分の膝を見つめていて、抵抗する気配は無い。
(仕方ない……)
 守は半分諦めの境地に入りながら腹をくくった。
 こうなったらやるしかない。最後までやるかはともかく、気持ち良くなってもらうのは問題無いだろうと思った。

(まずは緊張をほぐすところからだな)
 有紀は見るからに体が硬くなっている。
 意気消沈して自暴自棄になっていながら、緊張しているというややこしい状態だ。
「肩を揉んであげるね」
 守は声を掛けてから有紀の肩へ手を置いた。
 それだけで有紀はかすかに体をピクッとさせた。
 男に免疫が無いのを隠そうとしているのが分かる。
 守はいやらしくならないよう、ごく普通に肩を揉み始めた。
 普段から勉強ばかりしているせいか、若いのに意外と凝っている。
 守は時間を掛けてじっくりと揉み解していく。
 マッサージはエリ達と一緒に住むようになって覚えた守の新しい特技の一つだ。
 エリと麻美が疲れたーと帰ってきたときにセックスから逃げるため必然的に覚えて、すぐに上達した。
 図書館で本を借りたり、ネットで調べたり、持ち前の観察力を駆使したりするうちに、素人の域を超えた腕前になっていった。
 今はその技を十分に発揮して有紀の心と体をほぐしていく。
 五分、十分と続けるうちに有紀の体から力が抜けていく。呼吸もゆっくりになってきた。
 そこで守は肩から腕、手、指と場所を変える。
 右腕が済んだら左腕とあせらずじっくりとマッサージする。
 マッサージしながら守は少し浮かれていた。有紀は若いだけあって肌の張りが違う。
 女子高生の体を触るなんて守にとって初めての経験だ。
(これが女子高生の肌なんだ。肌触りが違う。それにとっても柔らかい……)
 スリムなエリや麻美と違って有紀はちょっと肉付きが良い。
 でも、二人と比べて太っているだけで、多分これが普通なんだろうと守は思う。
 腕なんかムニムニしてて揉んでるだけで楽しくなってくる。
(良いなあー。柔らかい女の子って良いなぁ)
 守は少し興奮してしまっていた。

 手の次は脚だ。スカートがめくれないように気を付けながら、太もも、ふくらはぎ、足の指へとマッサージを続けていく。
 手付きがいやらしくならないように細心の注意を払う。
 せっかく落ち着いている有紀の感情が乱れたら、ここまで時間を掛けたことが無駄になってしまう。
 太ももの感触が良過ぎて、いやらしさを押し込めるのにかなりの努力が必要だ。
 右足が済んだら左足。
 有紀は目を閉じ、守に全てをゆだねている。かなり効いている。性的な意味ではなく気持ち良くなっている。
(かなりほぐれてきた。もう一押しかな)
「ベッドへうつぶせになってくれるかな」
 良い気持ちになっている有紀はのっそりとした動きで従った。
 守は有紀の体をまたぎ、背中の上の方からじっくりとツボを押していく。
 ちょっと強めに押すと、『んふぅー……』と有紀が痛気持ち良さそうな声を出す。
 指以外が有紀の体に触れないようにしながら体のコリをほぐしていく。
 有紀は肩だけじゃなくて全身が凝っている。特に腰の筋肉が固まっている。
 受験勉強って大変なんだろうなと守は同情した。
 今まで守が受けたことのある試験といえば、学校の定期試験や車の免許、それに仕事で取らされた溶接や危険物取扱の資格くらいだ。定時制の高校にも一応入学試験はあったが中学時代真面目だった守は特に受験勉強はすることなく合格していた。
 大学受験をしたことの無い守は受験勉強の辛さが今一つ実感できないけど、有紀の体のコリから何となく想像した。

 肩から腰までほぐし終わった守はマッサージの振りを続けながら、少しずつ有紀の感じるポイントを探していく。
 狙うのは、あまりくすぐったくなくて単純に気持ち良い場所だ。
 くすぐったいのや刺激が強すぎるのはまだ早い。もっと警戒心を解いてからだ。
 有紀が嫌がりそうなことは後回しにする。
 そして、守は有紀に気づかれないようにしながら少しずつ快感を掘り返していく。
 マッサージの気持ち良さの中に性的な気持ち良さを少しずつ混ぜていく。
 そうして有紀の眠っている性感を目覚めさせるのだ。
 本人も気づかない内に体が感じているのがベストだけど、そんなに都合良く進まないだろう。
 肩を揉み始めてから三十分近くが立とうとしているが、守は我慢強さを発揮して淡々と作業を続けた。

 有紀がくったりするまでマッサージを続けてから、守は有紀のジャケットとベストを脱がせてブラウスだけにした。
「っ……」
 守は有紀の体を見て反射的に声が出そうになるのをギリギリ飲み込んだ。
(おっきい……)
 制服姿からは想像できないくらいに胸が大きかった。
 かなり着やせするタイプらしく、隠れ巨乳だ。
 初めて間近で見る巨乳に守はドキドキしてしまう。
 エリや麻美より明らかに大きい。エリも小さい方ではないが、有紀とはレベルが違う。
 本物の巨乳は迫力が凄い。ブラウスがボワンと盛り上がっていて圧倒されてしまう。
 見てはいけない物に思えて守は直視できない。
 守はなるたけ見ないようにしながら、マッサージの名を借りた愛撫を続けた。

 マッサージの最初は指で押すだけだったのが、指の腹で撫でる割合が増えていく。
 それにそれまで親指で押すとき他の指は握りこんでいたのに、開いて有紀の体へ添えるようにした。
 腋、横乳、お尻、太ももの内側など重要ポイントの近くまで指が接近する。
 エリと麻美の体で知り尽くしている感じるポイントも堂々と押す。
 途中深くなっていた有紀の呼吸はだんだん浅く速くなっていく。
 そして守は明らかな愛撫へ切り替えていく。
 胸や股間など急所はまだだけど、指も手の平も全部使って有紀の体を撫でる。
 太ももなどを撫でると有紀はピクンと体を震わせて性的な反応を見せる。
 逃げないし嫌がっているようには見えない。

「メガネを外そうか」
 守が声を掛けると、有紀が大人しくメガネを外させてくれた。
 有紀はメガネを外すとちょっと可愛くなった。キレイとかじゃなくて、普通の女子高生の普通の可愛さだ。
 守はドキッとしてしまう。
 急に恋人気分になってきたというか、恋人気分を味わいたくて有紀の横へ寝そべり愛撫を続けた。
 ここまでで肩揉みを始めてから一時間はたっている。
 守も愛撫にこれだけ時間を掛けたのは初めてだ。
 有紀は体からかなり力が抜けてフニャフニャになってきている。
 守が体を密着させても有紀は逃げない。
 守は体全体で有紀の柔らかさを感じながら、さらに有紀の性感を掘り起こしていった。

 首筋をツツツツツーっと指で撫でてみる。
 感じるのか有紀は首をすくめる。
 最初のうちはぴったり閉じていた脚も、心なし開いている。
 守が太もも内側の柔らかい部分を指で撫でると、「あっ……」とかすかに声が漏れた。
 もう準備は十分なはずだ。本格的な愛撫へ進むことにした。
 おそらく有紀はファーストキスはまだだろう。
 それだけはとっておいてやることにして、守は有紀の首筋にチュッとキスをした。
 有紀はピクンと体を震わせたけど逃げようとしない。
(いける!)
 守はブラウスの上から胸に手をかぶせた。手は動かさないで置いているだけだ。
 やはり有紀は嫌がらない。
(このままいけるぞ!)
 守は乳首の辺りを撫でた。服とブラ越しなのでとても微妙な感覚のはずだ。
 有紀は黙ってされるがままになっている。しかし、眉の筋肉がかすかに動いている。
 守には有紀が快感を受け入れているように思える。
(もっと。もっとだ)
 守は大胆に動き始めた。
 服の上からキュッキュッと乳首を軽く摘んでみた。
 有紀の口が少し開いて熱い息が漏れた。
 守は左手で乳首をつまみ、右手で太ももの柔らかいところを撫で、首筋にキスを繰り返した。
 しばらく続けていると、有紀の体がくねり始めた。
 慎重に反応を見ながらブラウスのボタンを外していく。
 おへその辺りまでボタンを外したところでブラウスの内側へ手を侵入させる。
 そしてブラの上からやわやわと胸を揉む。
 ブラの上からでも大きさと柔らかさが凄い。
 ハァハァハァハァハァ…………。
 有紀の呼吸が乱れて、熱い吐息が漏れる。
 守はブラの隙間から指を進入させて乳首に触った。
「あんっ」
 ついに有紀がはっきりと声を出した。可愛い中にも感じてるのが分かるエッチな声だ。
 そのまま指でクリクリと乳首を可愛がる。
 有紀はかすかに胸を突き出すようにしている。
(もっとして欲しがってる……)
 左手で乳首を責めながら右手でショーツの足ぐりの線に沿って指でなぞる。
「あ……」
 有紀の口からかすかな声が漏れる。
 体をくねらせるけど守の手を払いのけたりしない。
 守は調子に乗ってショーツの上からクリにそっと触れた。
「はんぅー……」
 有紀の脚が閉じられて守の右手が挟まれた。
 守はそれ以上無理に責めない。相手は処女なんだ。焦ってはいけないと自分に言い聞かせる。
 右手はそのままにして動かさないで、乳首いじりと首筋へのキスを続ける。
 しばらくすると、有紀の脚が緩んできた。そこでまたクリを撫でる。
「あんぅ……」
 さっきより少し大きな反応を見せて、守の手が挟まれる。
 そして守は右手はそのままに乳首と首筋に戻る。
 それを何度も繰り返す。
 有紀にフワフワした気持ち良さを味わってもらう考えだ。

 有紀の脚が開いている時間がだんだん長くなり、守はどんどんクリを責める。
 指で円を描きながら軽く、とても軽く撫でる。刺激に慣れていない処女ならこれで十分のはずだ。
 有紀がクリの感覚に集中してきたところでブラウスのボタンを全部外して胸元を大きく開く。
 これだけ胸が大きいのだからコンプレックスに思ってるのは間違いない。
 有紀には胸が感じることを知って欲しい。
 守は乳房にそっとキスをした。
 クリを一定のリズムで撫でながら胸を本格的に責め始める。
 ブラはソフトカップなので簡単にずらせる。乳首を外に出してしまう。
 薄暗いのではっきりしないけど、薄茶色の乳輪と乳首だ。
 乳輪はぷっくり盛り上がっていて、とてもいやらしい。乳首も真ん丸で立ち上がっている。
 守は乳首を咥えた。
「はんぅー……」
 有紀の体が持ち上がり、背中が反った。
 乳首を唇で挟み、先端を舌でチロチロ舐める。
 これだけ感じてきたら刺激を強くしても大丈夫そうだ。
 右の乳首のほんの少し甘噛みしてみる。
 左の乳首を指でクリクリこねたり、ブラの上から乳房丸ごと胸を揉む。
 そしてクリを爪の先でこする。
 そのまま守は有紀が感じ疲れるまで愛撫を続けた。

 守は処女の感じやすさに驚きながら、有紀がぐったりするまで責めてから声を掛けた。
「脱がすよ」
 有紀がかすかにお尻をあげて協力してくれた。
 守は有紀が恥ずかしくないよう、スカートがめくれないように気をつけながら有紀のショーツを脱がせた。
 手の中にまだ暖かさの残る布が残った。
 守は有紀らしい真面目な白いショーツを一瞬だけ目で確認すると、丸めて布団の下に隠した。
 有紀はブラウスのボタンを全部外されて前がはだけられ、ブラはずらされて胸は丸出し、ノーパンにスカートとソックスという、かなりエロい格好になっている。
 さらに顔も赤くなり、最初会ったときの投げやりな感じは無くなり、抱きしめたくなるようなエロ可愛さが出てきている。
 守の興奮はピークに達しようとしていた。

 守はスカートの中に顔を突っ込み、焦らすように太ももの内側から脚の付け根に向けてキスをして舌を這わせる。
 あまり股間に近づきすぎて有紀に恐怖心を抱かせないように、様子を観察しながら慎重に口を使う。
 処女でも十分感じさせて、焦らして焦らして焦らしまくれば、いつか体を開いてくれるはずだ。
 守はここまでの有紀の反応を見てそう思うようになっていた。
 そのためにも途中で有紀が素に戻ることがあってはいけない。
 ここが一つ目の正念場だと守は粛々と、かつ、愛情を持って愛撫を続けた。

 少しずつ少しずつ舐める範囲を広げていく。
 一往復ごとに一センチぐらいのペースで股間へ近づいていく。
 右足を数往復舐めたら左足へ。また数往復で右足へ戻る。
 その間も手で太ももをさわさわと撫でる。
 舐める場所も内側だけではなくて表側の真ん中も忘れない。そこにはピリピリ来る重要な性感帯があるのを守は知っていた。
 太ももだけで十分以上時間を掛けた頃、有紀の脚からは完全に力が抜け大きく開かれるまでになっていた。
 そして守はついに脚の付け根に到達した。
 それでもまだ守は急がない。
 脚の付け根の柔らかい部分にキスを繰り返す。
 はっ、はっ、はっ、はっ、はっ…………。
 有紀は目をつむり呼吸を乱している。スカートが完全にめくれあがっているのに気付いていない。
 腰がうねるように動いているのは、感じているのと同時に性器が疼いている証拠だと守は思った。

 守はようやく有紀の秘密の部分へ口を寄せた。
 唇が触れた瞬間、有紀が叫んだ。
「そこっ、ダメ、汚い」
 有紀が慌てて叫んだ。
 守は上へずり上がろうとするのを太ももを抱えて押さえる。
 ここは一気に責めるべき時だ。守の勘が告げていた。
「ダメっ、ダメっ、汚いから、止めてください」
 守は有紀の言葉を無視してクンニを続けた。
 有紀が太ももで顔を挟んできた。結構な力で耳が痛い。
 それでも黙々と舌を使う。
「ひゃあっ、あっあっあっあっ、はんぅ、ああああ、あんっあんっあんっあああぁ……」
 有紀が変な声を出して暴れても守は止めない。
 勝負所だと覚悟を決めて有紀に快感を覚えこまそうとしていた。
 エリと麻美との濃厚なセックスで守の女性へ対するセンサーみたいなものの精度は一段上がっていた。
 セックスのときだけは女性の気持ちが初めの頃よりずっと分かる。
 有紀は快感に慣れていないだけで、けっして嫌がっていない。
 そう守は確信していた。
 それに有紀にクンニするのは楽しい。
 反応が初々しいのも良いし、何より感じてくれるのが嬉しい。
 シャワーで綺麗に洗ったのか恥垢の匂いが全く無いのも良い。
 しかし、そこは処女なのでよく見ると大陰唇の溝などにかすかに白いカスが残っている。
 守はそれも舌で綺麗に掃除してやる。
「はぁっ、やっ、や、嫌、やめて、あっ、あっ、あっ、あん、はぁはぁはぁ、はっ、んんぅー……」
 クンニを続けるうちに有紀の反応が表面的なものから、深く感じるようになってきている。
 本格的に感じているみたいだった。
 そこで守は最後のポイント、クリへ移ることにした。
 それは包皮に包まれていて全然見えない。
 まずは、包皮ごと口に含んで唾液をたっぷり染み込ませる。
「はんぅーー」
 有紀がまたちょっと違う反応を見せる。
 嫌がる中にも、快感を求めてる感じが混ざっている。これはクリオナニーをやってるから? 有紀はクリの気持ち良さを知っているみたいだ。
 皮の上から丁寧に優しくしつこく舐める。
 そうすると有紀の反応がどんどん深くなっていく。
(やっぱり処女でもクリは感じるんだな)
 守は納得しながら舐める。
 皮の上からでもこれだけ感じるんだから直接は刺激が強すぎる。それに一度に全部やるのも良くないと考えた。
 今日の目的は有紀にセックスの気持ち良さを知ってもらうこと、勉強以外にも目を向けてもらうことだ。
 キスとクリの皮むきは有紀に彼氏ができたときのために取っておこうと守は思った。
 そして有紀があえぎ疲れてぐったりするまでクンニを続けた。

 十分すぎるほど有紀を感じさせてから守は大急ぎで服を脱いでいく。
 有紀は疲れて動こうとしない。大きな胸を上下させながら激しく息をしている。
(それにしても大きいおっぱいだな)
 守はパンツを脱ぎながら、あらためて思った。
 寝てても大きさが良く分かる。激しく突いたらボヨンボヨン揺れて凄いことになりそうだ。
 守が想像しているとエリが小声で話しかけてきた。
「守、これ」
 横からエリがコンドームを差し出した。
 守がコンドームをつけるのは二回目だ。
 エリは最初から、麻美は二回目から着けずにやっている。その後も二人は着けろと言わない(むしろ生でやりたがる)ので、ほとんど生でしかやったことがない。
 二回目だし、男のマナーだし、それほど戸惑うことなく装着できた。
(今日は慣れないことが多いな)
 思わず苦笑してしまう。
 そこへエリが近づいてきて守へ耳打ちした。
「さあ、もういいからガツンといきなさい。処女膜には神経が通ってないから破ること自体は痛くないの。十分濡らせばそれほど痛くないから」
 本当か嘘か分からない話だ。
 多分嘘だろうと守は思った。

 制服を着せたまま挿入というのは妙に興奮する。女子高生とやってる実感が凄い。
 ペニスを膣口に合わせると有紀が
「あっ」
 と小さい声を出した。
 疲れて動けないのか、覚悟を決めたのか逃げない。
 守はほんの少しだけ先を入れてみた。
 エリはガツンと言ったが、さすがに守は慎重に進んだ。
 有紀は体が柔らかいが、穴まで柔らかい気がする。
 エリとも麻美とも感触が違う。
 人によって違うもんだなと思っていると、すぐに先が何かにぶつかった。
「んっ」
 有紀が辛そうな声を出した。
 守にもすぐ分かった。処女膜だ。
 そこから守はさらに慎重になった。
 硬くないけど強い弾力があるものに先を阻まれている。
 1ミリ進んでは止まり、有紀の様子を確かめ、また1ミリ進む。
 数ミリ単位の攻防が続く。
 『三歩進んで、二歩下がる』のフレーズが守の頭の中で鳴った。
 一秒間に一ミリ動くとして、三秒で三ミリ進んで二秒で二ミリ戻るとする。単純計算で五秒で一ミリ、十分で十二センチ進むことになる。
 バカな考えを頭から振り払い、有紀の様子に注意する。
 かなり辛そうだ。
 膜は少しずつ少しずつ破れかけている感触というか予感がする。
(もう少しだから。あとちょっとだけ我慢して)
 守は口に出さずに有紀を励ました。
 早く終わらせてあげたい。守はほんの少しだけ力を強めてみた。
 その瞬間、ふっと抵抗が消え、ペニスが奥へ進んだ。
「あっ」
「あっ……」
 守と有紀の二人から声が出た。有紀にも破れた瞬間が分かったのだろう。
 勢いでズブッと突き刺さりそうになるのを守は慌てて止めた。
 破れた――。
 生まれて初めて処女膜を破ったことに守は感動してしまった。
 凄い達成感がある。
 ほんの少しの間、守は感動の余韻に浸った。

 処女膜を破っても守は一気に進まない。少しでも痛みが和らぐよう有紀を愛撫をしながら、それまでのペースを崩さない。
 有紀は破る前ほどではないけど、辛そうな顔をしている。
 そして長い時間かかってようやく一番奥まで到達した。挿入を始めてから十分どころではなく二十分近く時間がたっていた。
(全部入った……)
 守は再び感動していた。
 これが処女を奪う感動。
 処女にこだわる人が居るのもうなずける。有紀を自分のモノにしたような気がしてくる。『やったー』と大声を出したい気分だ。時間をかけただけの価値がある。


「全部入ったよ。大丈夫? 痛くない?」
「少しだけ痛いですけど、大丈夫。我慢できます」
 やせ我慢も見栄も何もなく有紀は正直に答えていた。
 痛いけど我慢できないほどじゃない。重い生理痛のほうがよっぽど辛い。
 それでも処女ではなくなったことに少なからず動揺していた。
「私の中、変じゃないですか」
 思わず変なことを聞いてしまう。
「変じゃないよ。柔らかくて、とっても気持ち良いよ」
 それを聞いて有紀は妙に安心した。
 今日は自分の体が自分の体ではないみたいだった。
 守に愛撫されて今まで経験したことないくらい感じてしまった。
 自分で慰めたことがないわけではないけど、これほど自分の体が感じるとは考えてもみなかった。
 体の中には男のモノが入っている。内臓を広げられて下腹部を占領された感じだ。
 守は入れたまま動かない。それで体をやさしく撫でてくれる。二人の体が触れている部分が暖かい。
 人はこんなに暖かいのだとあらためて思う。
 それに守の体は硬いけど、それほど嫌じゃない。男はもっと気持ち悪いかと思っていただけに意外だった。
 守が体を撫でてくれてるせいか少しずつ痛みが治まってきた。まだジンジンしているが、痛気持ち良い。
 二時間前まで試験に落ちてどうしようもないほど落ち込んでいたのに、今は処女を失い体の中には男のモノが入ったまま。この激変に現実感が薄い。でも、体の奥にある鈍い痛みは現実だ。
 急に恥ずかしくなってきた。
 初めてのときの顔を守に見られた。自分の一番プライベートな部分を知られてしまった。
 顔がほてってきた。頬が熱い。
 守の目を見るのが恥ずかしいので口を見ていると無性にキスしたくなってきた。
 セックスだけしてキスしないのはどうかと思う。
 もう、ついでだ。
「キスしてください」
 自然と口から言葉が出た。やけになってるわけではないのに言ってしまった。
 手が自然に守の背中へ回る。
 守が軽く唇を触れ合わせてきた。そのまま擦り合わせる。舌で唇を舐められる。
 くすぐったいけど気持ち良い。口角もチロチロされる。
(この人、キスも優しい……)
 唇を唇で挟まれる。上唇、下唇。キスは初めてだけどもの凄く丁寧に扱われているのが分かる。
 自分でも知らないうちに唇が開いていて、守の舌が入ってきた。
 口の中を舌で舐められてしまう。
 上あごの裏のくすぐったいところを舌で愛撫されると、ゾクゾクしてどうして良いか分からなくなる。
 鼻息がどんどん荒くなっていく。
(ダメ、息がかかっちゃう。興奮してるってバレちゃう)
 そう思っても息を抑えられない。
 ついに舌と舌が触れ合った。
 ヌルヌルしてて気持ち良い。
 キスがこんなに気持ち良いとは知らなかった。
 今まで舌を絡ませるなんて汚いと思っていた。他人の唾が口の中にはいるなんて信じられない。ディープキスを何のためにやるのか不思議だった。
 今は恋人同士がキスする理由が分かる。気持ち良いからだ。
 エリという人が言っていた私が知らないってことを実感した。
 もっとキスしたい。今ならこの人の唾液だって飲める。
 そう思いながら舌を絡ませていたら、暖かいものが流れてきた。
(唾液だ……)
 良く分からない。分からないけど飲みたい。
 飲んでみた。
 全然嫌じゃない。もっと欲しい。
 せがむように守の舌を吸う。
 また流れてきた。
 なんか嬉しい。
 守をきゅっと抱きしめる。
(こんな幸せもあったんだ)
 有紀はキスに没頭していった。

 守に抱きついていると胸がせつない。
 何とかして欲しい。
 なんでこの人は私の胸をほっておくの。男っておっぱいが好きなんでしょ。
 男はいつもいやらしい目で私の胸を見る。
 それが嫌で嫌でブラはできるだけ小さいのにして胸の大きさが目立たないよう気を付けていた。
 触ってもいいのに……。触って欲しい。
「おっぱい吸ってください」
 言うのはちょっとだけ恥ずかしくて勇気が必要だった。だけど、言ってみればたいしたことじゃなかった。
 この人なら何でも言える。なんでもしてくれる気がする。
 守が右の乳首に吸い付いてきた。
 ツーンとした快感が胸から頭に響く。
 もっと、もっとして欲しい。
「反対も」
 今度は左の乳首を吸われる。
 こっちもツーンとしてとても気持ち良い。
 守はチュウチュウ乳首を吸ってる。
(赤ちゃんみたい)
 胸の奥がキュンとした。
 生まれて初めて胸が大きくて良かったと思えた。
 これだけじゃ物足りない。
「ギュッて。おっぱいギュッてしてください」
 言い終わらないうちに吸われてない方の乳房が力強く握られた。
「あん……」
 少しだけ痛くて、その何倍も気持ち良い。
「あ……、気持ちいい……」
 口から考えが漏れてしまう。
「両方。両方やって」
 守が両方の乳房を潰すように握った。
「はんぅーー……、あぁーー……」
 全身に電気が走る。
 バカになりそうなほど気持ち良い。
 もっと、もっと刺激が欲しい。
 もっと気持ち良くなりたい。
「動いて。もっと欲しい」
 守がゆっくりと動き始めた。
 痛いっ。
 痛いけど気持ち良い。痛いのが気持ち良い。
 もっとして欲しい。もっと、もっと。全然足りない。
 有紀は本能のまま下から腰を突き上げる。
 イイ……。気持ちイイ……。これがセックスなんだ。こんなに気持ち良いんだ。
 守が乳首から口を放して本格的なピストンに入った。
 有紀の目の前に守の体がある。
 キスしたい。キスしたくて仕方ない。
 有紀は頭を持ち上げ守の首の付け根にキスした。
 守がんんっと首をすくめた。
 気持ち良いの?
 何度も唇を押し付ける。
 キスだけじゃ足りない。舐めちゃえ。
 有紀は守の体をベロベロ舐める。
 舌の届く範囲全部を舐めまくる。
 もっと、もっと何かしたい。おっぱい押し付けちゃえ。
 有紀は守の体に胸を押し付ける。
 胸がこすれて痛気持ち良い。
(セックス、イイ。セックス気持ち良いよー)
 有紀は感情が溢れて何かをしたいけど。何をどうして良いか分からない。
 有紀はがむしゃらに守の体にキスをして、舐めて、胸をこすり、下から腰を突き上げた。

 有紀がセックスに没頭していると、守のうめき声が聞こえた。
 顔を見ると目を閉じて何かに耐えている。
(我慢してるの? あっ、ひょっとして射精しそうなの? 精液出すの? 妊娠しちゃうよ。あっ、そういえばコンドーム着けてた)
 一瞬ドキッとしたが、すぐに落ち着いた。
 すると、このがんばっている年上の男がかわいらしく思えてきた。
 ギュッと抱きしめる。何か心地良い。
「出して良いですよ」
「んっ、ああ、分かった。出すよ。ちゃんとコンドーム着けてるから。大丈夫だから」
 守がきつく抱きしめ、ズンズン突き上げてくる。
 耳元では守の激しい息遣いが聞こえる。
 そして一分も経たないうちに、
「んっ、んんっ。ん、んぅー……」
 守の動きが止まり、低いうめき声が聞こえた。
(あっ、中でピクピクしてる。射精してるの?)
「ふんぅー…………、ふぅーー…………」
 守が深く長く息を吐いた。
(やっぱり射精したんだ)
 守が抱きしめてきて、さらに唇を奪われる。
 ねっとりと舌を絡ませる。
 ちょっと重くて、ちょっと息苦しい。だけど凄く求められてる気がする。
(セックスしちゃった……。大人の女になったんだ。初めてがこの人で良かった)
 有紀はセックスをして本当に良かったと心の底から思った。


 終わった後も守と有紀は抱き合ったままキスを続けていた。手脚を絡ませ熱愛カップルのような濃厚なキスだ。
 その時、ドアの外で物音がした。
「ただいまー、誰も居ないのー」
 麻美の声が聞こえる。
 守は反射的に唇を放した。
「ちっ」
 ベッドの側でエリが舌打ちした。
 守はそれまでエリの存在すら忘れていた。
 そしてドアが大きく開かれた。
 守は固まって動けない。
 有紀は事情が分からない。誰か知らない女の人が帰ってきたことだけ分かる。数時間前まで処女だった女子高生はどうすれば良いか分からない。
 守同様固まって動けないでいた。

「えっ……、ええええぇーー」
 麻美が部屋の中を見て大声で叫んだ。
「えっ、何? どうなってるの? なんで? この子誰?」
「うるさいわね。後で説明してあげるわよ」
 エリが面倒なことになったと邪魔臭そうな声で答えた。
「今、説明して。なんで守君が知らない女の子と裸で抱き合ってるの。リコは何でそれ黙って見てるの」
「色々あるのよ。色々」
「色々ってなによ。説明しなさいよ」
「だから色々よ」
 エリと麻美が言い争いをしているうちに守と有紀の二人は急いで服を着た。


「大学に受かったら、また来ます」
「うん、がんばってね」
 有紀は玄関で別れの挨拶をした。
「最後に握手してもらえますか」
「いいよ」
 守の手は暖かくて、少し硬かった。男の人の手だと思った。
 有紀は後ろを振り返らず守達の家を出た。
 体はまだ熱を持っている。そして、不思議と猛烈に勉強がしたかった。
 有紀は国立二次募集を受けてみようと思った。まだ一ヶ月ある。がんばれそうな気がする。
 そして、合格するような予感がしていた。

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