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以心伝心:第7章

 守がエリと知り合って三ヶ月がたっていた。
 ある金曜日の晩、エリが外で飲もうというので、新宿で待ち合わせしてから二人はエリのゆきつけの店へ行った。
 相変わらず守はお酒に弱かったので、弱めの甘いカクテルを舐めるように飲んでいた。守は一杯だけで顔が真っ赤になってしまう。
「あんた、相変わらず弱いわねぇ
 エリがそれをからかっていると、守達は突然声を掛けられた。
「あら、リコじゃない。久しぶり」
 守が振り向くと、そこには見知らぬ若い女性が立っていた。
 エリの顔が急に険しくなった。振り向きもしない。
「やな奴に会ったわね」
 顔を背けたまま本当に嫌そうな声で答える。
「何よ、親友でしょ」
「あんたなんか友達じゃないわよ。単なる知り合いよ」
 二人が親しげに話すのを守はポカンとして聞いていた。
(誰なんだろう……)
 とても綺麗な人だった。
 エリは男前系のかっこいい美人だ。それに対して、この女の人は、色っぽいというかエロ系の美人だ。
 軽い色の長い髪はロールしている。それに濃い目の化粧をしている。
 女性経験が少ない守は気付かないが、普通の人が見れば一発で夜の仕事の人だと分かる。
 長くカールした睫毛、くっきり二重のまぶた、大きなアーモンド型の瞳。すっと伸びた鼻。大きくて、ツヤツヤに光っている唇。
 手脚はとても細い。折れそうなくらいだ。ウエストもかなり細い。
 それでいて、胸は膨らんでいる。服が体に張りつき、胸の膨らみや体のラインが丸見えになっている。
 全身からエッチな光線が溢れ出ている。
 守が今まで会ったことが無いタイプ。あえて言うと、夜間高校時代の派手な女子を綺麗にした感じだった。
 守はその女性に見とれてしまった。

(ちっ)
 エリは声を掛けられた瞬間、相手が誰かを悟り、心の中で舌打ちしていた。
 守と一緒で浮かれていて、この女がこの店に出入りしていることを忘れていた。
 女はエリの隣に座ると、親しげに話しかけてくる。
「こちらの方は?」
「守よ」
「どういう関係」
「ペットよ、ペット。私が飼ってるの」
 守はその言葉を聞いて少し落ち込んでしまう。
 いくら現状に満足しているといっても、人にペットだと紹介されるとやはり悲しい。
「守さん、始めまして、麻美です。リコとは昔一緒の店で働いてたの」
 守はエリの本名が恵理子だと知っていたので、『リコ』がエリのあだ名か昔の店での名前だとすぐに分かった。
「守です……」
 守は元々女性に免疫がない。いくらエリと毎週会っているからといって、すぐには治らない。エリと会うのに緊張はしなくなったが、初対面の美人に話しかけられても、まともに答えることができなかった。
 エリと目を合わせることもできず、うつむきながら小さな声で答えた。
 守は麻美のほうを見なくても、麻美の言いたいことが痛いほど分かった。今まで何度も感じていた事で怒りはしないがやはり気分が悪い。
「いつから、こんな冴えない男と付き合うようになったの」
 麻美は全く遠慮無しにきつい事を言ってくる。
 あからさまに見下した言い方に守は心の防御に入ってしまう。
 長年染み付いた習性は簡単には治らないものだ。
「守はねぇ、家事もできるし、気が利くし、それに……、他にも色々いいところがあるのよ」
「例えば、何?」
「うまいのよ」
 エリが恥ずかしそうに言う。
「何が」
「あれが、メチャクチャうまいの!」
 エリは麻美の耳を引っ張って近づけ、耳元で声をひそめてがなった。
「えぇー」
 麻美があきらかに信じない顔をする。
「信じてないわね」
「だって、どうやってもそんな風には見えないもの」
 麻美が明らかに不審な目で守をじろじろ見る。
 守はその視線に耐えられず、ますます縮こまってしまう。
「まだまだ鍛えてる途中だけど、それでもたいしたものよ。まあ、今の守でもあんたならヒィーヒィー言って、もう許してって泣いてお願いすることになるわね」
 エリは自分のことを自慢するかのように話した。
「はぁ? そんなこと、あるわけないじゃない」
「別に信じなくていいけど、絶対よ。断言する。賭けてもいいわ」
 守は横で聞いていて、こそばゆくなってきた。自分がエリにそこまで評価されているとは思ってもいなかった。
「そこまで言うなら賭けましょうか。私が買ったら、リコには一ヶ月間私のペットになってもらうから」
「ええ、いいわよ。その代わり私が買ったら、二度と私に連絡してこないでよ」
「それは良いけど、どうやって勝負の判定するのよ」
「判定とか細かいことが気にならないほど圧倒的な勝負になると思うけど、まあ、あんたが『参った』って言ったらあんたの負け、言わなかったら勝ちでいいわよ」
 麻美はそれを聞いて、エリは馬鹿だと思った。
(こんな男、すぐにヘロヘロにしてやる)
 この見た目が冴えないどこにでもいそうな男がそれほど凄いとは思えない。万が一凄いテクを持っていたとしても、参ったとさえ言わなければ自分の勝ちなのだ。これでエリがペットになるのは決まったようなものだ。
「やれば分かるわ。一回だけやらせてあげる。あんたがバカにした男にメチャクチャにされたらいいわ」
 エリが苦々しい顔をしながら言い放った。
 守は自分の耳を疑った。
 麻美とセックスをする。こんなに美しい人とセックスをする。
 信じられない展開だ。もし今、自分がエリと毎週セックスしていると周りの人間に言っても誰も信じないだろう。そんな自分が麻美とセックスする。エリ以上に誰も信じないだろう。
 守が呆然としているとエリの声がした。
「何、ぼーっとしてるの。さっそく帰って特訓するわよ」
 気が付くとエリは立ち上がっていた。麻美も既にいなかった。

 エリによると麻美は昔働いていたクラブでナンバーワンを争った間柄だそうだ。
 エリはお客に合わせて会話をするのがどうしても耐え切れずに辞めて、ヘルスの世界へ流れていった。
 麻美はそのクラブ時代からの腐れ縁で何かと絡んでくるらしい。
 そして、早速その日の夜からエリの特訓が始まった。
「守は攻めに回れば強いんだけど、受けに回るととたんにダメになるからね。ちょっと、おちんちんを鍛える必要があるわね」
 エリはそう言って守を裸にして座らせると、ペニスを咥えた。
「絶対口に出すんじゃないわよ。死んでも我慢しなさい。出したら殺すからね」
 そしてエリの本気フェラが始まった。
 守にしたら嬉しい副産物だ。エリの凄いテクをまた味わうことが出来る。二十歳になった途端、良いことが続くなあとうかれていた。
 だが、それは地獄の始まりだった。

 エリは自分の全てのテクを繰り出して守を責める。
「す、凄いです。あ、あ、ああ、そ、そんな、舌が、舌が、先っぽ、うあああぁ……」
 エリの舌が亀頭の先の割れ目をほじくり返す。その間も手が絶妙な力加減と速さで竿をこすりあげる。
「ダメです、もう、もう、出ますー。あぁ、待って、待って、待って」
「ダメよ、我慢しなさい。あんたを喜ばずためにやってるんじゃないのよ。男なら耐えなさい」
 エリはギリギリのところで口を外して、手でこすりながら厳しい声を出した。
 しかも単なる手コキじゃなくて、手の平で先っぽをこすったり、フォークボールを投げる時みたいに人差し指と中指の間に竿を挟んでこすったりしてくる。
 守はそんなやり方をされるのは初めてだった。
「それは、うううう……、きついです。あぁ、出そう……。出ちゃいますー」
「誰が出していいって言ったの。このままで後五分、いや、十分は我慢しなさい」
「そんなぁ」
 エリは守が射精するギリギリのところを見切って責めを緩めて、守に射精を許さない。
「これから土日は一日中特訓だからね。そうでもしないと、守のおちんちんは強くならないから」
「無理。絶対無理です」
 守は半泣き状態だ。射精させてもらえないのがこんなにつらいとは思ってもみなかった。
 もう、出したくて、出したくて気が狂いそうになる。
「無理でもやるの。男の子でしょ。何があっても麻美の勝つのよ」
 そうしてエリの特訓はエリの手が疲れて動かなくなるまで続いた。

 麻美との出会いから二週間後、三人はエリの部屋に集まっていた。
「じゃあ二時間後に戻ってくるから」
 エリがそう言って立ち上がる。
「ペットになる覚悟をしておいてね」
 麻美はもう勝ったつもりでいるのか、ニコニコしている。
「あんたのほえ面が今から目に浮かぶわ」
 エリは吐き捨てるように言うと、さっさと部屋を出て行ってしまった。
 部屋の中には守と麻美が残された。
「嫌なことはさっさと終わらせましょう。本当はあなたみたいな人とこんなことはしたくないけど、リコを手に入れるためだからね」
 麻美は立ち上がりながら言った。
「まず、最初にこれだけは言っておくわね。キスはダメよ。それとゴムはちゃんと着けること」
 麻美は服を脱ぎながら、しゃべり続ける。
「あなた病気は大丈夫なんでしょうね」
「調べたことないですけど、エリさん以外とはしたことがないから大丈夫だと思います。それより、麻美さんのほうこそどうなんですか」
 麻美は怒りをあらわにして下着姿でモデルのように立ち、言った。
「バカにしないでよ。私はそんな安い女じゃないわよ」
 ババーンとBGMが流れそうな迫力だ。
 守はそんな麻美の下着姿に見とれた。
 前回は人前だったのでじっくり見られなかったが、今回は二人きりだ。しかも下着姿。守は目を離すことができない。
 胸の大きさはややエリに負けるが、それでも見事なプロポーションだ。
 ただでさえ長い脚が、その細さとハイレグの下着で極端に長く見える。脚フェチにはたまらない脚だ。守も見るだけで、しがみついて頬擦りしたくなる。
 見事にくびれた腰にすっきり平たいお腹。守には分からないが、詳しい人が見ればお金をたっぷり掛けた体だと分かる。
 いつもエリの下着を洗濯している守には黒の下着がとても高級なのが分かる。麻美の白い肌と見事なコントラストを作っている。
 これが六本木クラブのナンバーワン・ホステスの裸。
 守のペニスは限界まで勃起していた。
 麻美はベッドに横たわると、優雅にブラを外し、長さを見せ付けるように脚を高く上げてショーツを脱いだ。
 守は麻美に釘付けになったまま、服を脱ぎ捨てフラフラとベッドへ近づいた。
 全裸の麻美を前にして守の頭の中には、興奮と不安が渦巻いている。
 エリ以外の女性の相手は初めてなのだ。エリに教わったテクニックが他の女性にどこまで通じるのか不安な気持ちと、自分のテクを試してみたい気持ちがある。
 今回の為にエリから作戦を聞いている。
 第一案は前戯で何度もイカせてから挿入する。
 第二案は絶頂寸前のギリギリのギリギリまで追い込んでから挿入する。
 麻美の状況に応じて守がどちらかを選ぶことになっている。
 守としてはどちらともエリと練習してきた。エリによるとできれば第二案が良いらしい。
『初めての相手、特に生意気な女が相手なら第二案の方が効くのよ』
 ということで、守は第二案でいく予定だ。

 守がベッドへ上がると、麻美はマグロを決め込むつもりかまっすぐ横たわり上を向いている。
 私からは何もしないわよという意思が守にも伝わってくる。
 守は遠慮することなく麻美の体を見つめた。
 麻美は高級クラブだけあって総合的なスタイルはエリより上だ。といっても、守がスリム好きだからで、肉感的なほうが好きな人ならば、エリが上だというだろう。
 乳首の色は年相応だが、汚いわけではない。冷め切っているためか、縮こまっている。
(キスはダメだから、首からだな)
 守は麻美へ体重を掛けないように気を付けながら、首筋への愛撫を始めた。
 エリに教わった事を思い出しながら、丁寧に唇と舌を使っていく。
 麻美は何も反応しないが気にしない。まだ、始まったばかりだ。エリが相手の時も最初はそうだ。
「麻美さん、とても綺麗です。肌もみずみずしいし、色がとても白いし、最高です」
 愛撫の合間に麻美を褒めることも忘れない。
『相手の長所を褒めるの。嫌味にならない程度に、褒めて、褒めて、褒めまくるの』
 エリの言葉を思い出す。
「すべすべしてて、肌触りも素晴らしいです。麻美さん、とても素敵です」
 耳元でささやくように言う。
 守は麻美の口元がわずかにほころぶのを見逃さなかった。
「首筋から肩に掛けてのラインもとても綺麗です。首が細くて長いからですね。まるで彫刻みたいです」
 昔の守なら絶対出ないような台詞もスラスラ出てくる。エリのおかげだ。
 守の唇は肩から鎖骨へと移動する。
「鎖骨もきれいに出てますね。ここが綺麗な人は、胸元が開いた服がとても似合うんです。麻美さんも似合いそうです」
 守の愛撫は乳房と股間を除いて全身をくまなく回る。
「麻美さんの脚は最高です。こんなに素晴らしい脚を見たことがありません。細くて、長くて、それでいて適度な弾力が有って、男なら全員この脚を見ただけでまいっちゃいます」
 愛撫しながら、褒めながらでも守は麻美の反応をうかがうのを忘れない。
 麻美の呼吸が大きく深くなっていく。これは、緊張が解けリラックスして心地良くなってきている状態だ。手や脚からも力が抜けてきている。
 全身がかすかに色付いてきた。これは、感じ初めに出るサインだ。
 エリに教わったことが結果になって現れ、守は少しずつ自信が湧いてきた。それに伴い不安が段々消えていく。
(これはいけるかもしれない)
 守は光が見えてきたことを喜びながら、たんたんと愛撫を続けた。

 麻美は守の愛撫の仕方を意外に思っていた。
 こんなに丁寧に我慢強く愛撫されたことは過去に経験が無い。今までの男といえばおざなりの愛撫でこちらが濡れれば即挿入するような奴ばかりだった。中には愛撫が上手い男が居なかったわけではないが、ここまで念入りに愛撫されたことは無い。
 自分の体は普通の男なら一刻でも早く入れたがるはず。それなのに、この男はずっと我慢して愛撫を続けている。なぜ我慢できるのか分からない。ちゃんと勃起しているからインポでもゲイでもない。全く理解できない。
 なぜこんなに我慢できるのか。
 最初はこんな冴えない男に触れられるのは嫌だったが、守の絶妙な愛撫でだんだん眠いような心地良さが広がってきた。
 体がポカポカと暖かくなってきている。
 体の奥でトクン、トクンと何かがかすかに脈打っている。
 これならもう少し続けさせても良いかなと麻美は思ってきていた。

 守は次の段階へ進むことにした。
 今は焚き火で言うと、薪を組み終わって、一番下に火を着けた状態だ。
 これから空気を送り込んで、下の燃えやすい小枝から順に燃やしていくのだ。
 守は麻美の性感帯を中心に愛撫をしていく。性感帯といっても体中にあるし、場所により感じる度合いが大きく違う。
 まずは比較的感度の低い場所から責めていく。焦らず、じっくり性感を掘り起こしていくのだ。時間を掛けて盛り上げた性感ほど、大きく燃え上がり、なかなか消えないのだ。
 肩の先や、腋と脇腹の間、肘の内側、太ももの表側などを時間をかけて愛撫していく。
 口を使っている間に、両手も遊ばず麻美の体を撫でている。
 麻美は呼吸が少しずつ早くなり、かすかに身じろぎを始めてきた。予定通り麻美の性感が上がってきている。
 守は嬉しくなりながら黙々と愛撫を続けた。

(どうして、こんなに我慢強いの)
 エリは不思議で仕方がない。自分ほどの女を前にして、これほど挿入を我慢できる男は初めてだ。
 ペニスは完全に勃起している。となると、信じられないほど我慢強いのだ。
 リコが自慢するだけあると思った。でも、この程度なら自分は耐えられる。まだ、ほとんど感じていない。この男はただ我慢強いだけの男なのだろう。
 麻美はまだ勝利を確信していた。

 守はさらに次の段階へ進んだ。
 麻美の反応が体の動きとして現れてきた。ここから先は、反応を見ながらの作業なので、調整がやりやすい。
 焚き火だと、下に置いた小枝に完全に火が付き、炎が上へ伸びている状態だ。これから炎を大きくして、上に置いた太い薪に火を着けていくのだ。
 守は麻美の感じるポイントをさらに責める。先ほどより感度が高い場所を責めていく。
 首筋や乳房の裾野、腋の周囲、脚の付け根のビキニラインなどが目標だ。
 守の舌が通る度に麻美はかすかに身をよじったり、眉をひそめたりする。エリで慣れた守にとっては性感帯や感じる度合いが手に取るように分かった。
 エリの性感帯と同じ所を中心に探索していくと、麻美の感じる場所はすぐに分かった。今は、エリとは違う性感帯が無いか調べている段階だ。
(通じる。俺のテクが初めての人に通じてる)
 守は顔には出さないが、嬉しくて仕方がなかった。その一方で小心者の自分が、油断するな、集中するんだと注意してくる。守は集中を切らさず、麻美の反応に目を光らせた。

(どうして、気持ちいいの)
 エリは不思議だった。
 守は自分の体を知り尽くしているかのように、的確に性感帯を責めてくる。そこを一番いい力加減でやさしく愛撫してくる。いけないと思いつつ体が反応してしまう。
 だんだん体が熱くなってきた。体の芯がドクン、ドクンと脈打っている。
 感じちゃダメ、我慢するのと自分に言い聞かせる。ここで感じる素振りを見せたら付けこまれてしまう。
 体の奥でトクンと恥ずかしい雫が湧き出すのを感じる。このままでは、まずい状況になりそうな気がする。
(どこまで我慢強いのよ。さっそと襲ってきなさいよ)
 エリは少し不安になってきた。

 麻美の体がほのかにピンク色になっている。耳はかなり赤くなっている。これは体に火が付いて、感じている証拠だ。
 守はさらに次の段階へ進んだ。ここからは麻美が最も感じる部分をどんどん責めていく。
 太い薪の間を炎が上がり、火が付き始めた段階だ。一気に燃え上がらせるのだ。
 麻美は自分で気付かない内に軽く脚を開いてしまっている。
 守は太ももの内側を軽く撫でながら、横乳に口を付けた。
「あっ……」
 麻美の口から初めてかすかな声が漏れる。麻美はまずいと思ったのか、すぐに口を閉じたが、守が聞き逃すはずがなかった。
 守は執拗に横乳から下乳に掛けてキスして、舌を這わせる。左が終われば右、右が終わればまた左と繰り返す。
 まだ乳首と股間には手を付けない。唇が乳首に触れないように気を付けながら、ギリギリまで舌を這い回らせる。
 舌が乳首に近づくと、自然と麻美の胸が持ち上がり乳首に触れさせようとするが、守の舌はあと少しのところで逃げていく。そして、また一番ふもとから這い登っていく。
 手も秘裂ぎりぎりまで近づいては、また遠ざかる。
「あぁ……」
 麻美は声が抑えきれなくなってきた。
 守には麻美が必死で感じるのを我慢しているのが良く分かった。
 あと少し、あと少しと心の中で唱えながら、愛撫を続けた。

(ダメ、我慢しなきゃダメ)
 麻美は自分の体をコントロールできなくなってきていた。
 いつの間にか体が燃えていた。変化があまりにもゆっくりだったので気が付かなかったのだ。
 だが、気が付いた時には手遅れだった。もう、引き返せない所まで来てしまっている。
 心地良い軽い愛撫から始まったので、つい受け入れてしまったのが原因だ。最初から警戒して心と体を閉ざしていればこんなことにはならなかったはずだ。
 今さら後悔しても遅い。問題はこれからどうするかだ。
 頭ではダメだと思っているのに体がもっと強い刺激を求めている。半分無意識に体が男の舌を求めて動いてしまう。
 体中がじれったい。
 さっさと最後までやれば良いのに、この男は焦らすようにはぐらかす。
 まさか、私から求めさせようとしているのか。
 そんなことは絶対にしない。意地でも自分から欲しがったりしない。どんなに感じようが我慢してみせる。
 麻美はそう自分に強く言い聞かせた。

 麻美はより強い快感を求めて体をくねらせている。
 もう、完全に体へ火が付いている。ごうごうと燃え盛っている。最後の場所へ進む段階だ。
 守は麻美の乳首に軽く触れた。
「んんぅー……」
 それだけで、麻美の口からはっきりとあえぎ声が漏れる。もう、快感を押さえきれ無い状態だ。
 守は乳首を咥え、もう片方を指で摘み、残りの手を秘裂へ伸ばした。
「ああああぁー……」
 麻美は首をすくめ、胸を突き出し、大きく反応する。
 すでに麻美の秘裂は潤いを蓄えていた。
 守はそのぬめりを指先で丹念に塗り広げていく。小陰唇、大陰唇、その間の溝、尿道口、クリが愛液をまぶされていく。愛液は涸れることなく次々と湧いて出てくる。たちまち麻美の股間は濡れそぼる。
「あんぅー……」
 守の指がクリに当たる度に麻美の口から情感のこもったうめき声が出る。
 守は包皮の上から優しくクリをこすりあげた。
 麻美の体が震え、腰が持ち上がってくる。どんどん性感が上がっている。
 守は口と手を休ませることなく、麻美を責め続ける。
「あぁ……、もっと……」
 ついに、麻美から刺激を求める言葉が漏れた。それは麻美がなかば無意識に発した言葉だった。
 守は乳首から口を離し、麻美の両足の間へ移動した。
 麻美も脚を開き協力する。麻美は目をつむり、男が侵入してくるのに備えた。
 だが、性器に触れたのは守の舌だった。
 守は麻美の乳房を掴み、丁寧に秘裂を舐めてくる。
 てっきりペニスが挿入されると思っていた麻美は肩透かしを食うが、すぐに、舌からの快感に仰け反った。
「あぁ、いぃ、いい、もっと、もっと強く……」
 麻美は先ほどの決意をどこかへ追いやり、さらに強い刺激を求めた。
 体の奥がズキン、ズキンと疼いている。それは舌ぐらいでは治まらない。自然と腰が浮き、守の顔へ押し付けているが、全然刺激が足らない。体中が狂おしい。どうにかなりそうだった。
 守は麻美の状況が分かっていながらも、たんたんと舌での愛撫を続けた。乳房もやわやわと揉み続ける。
 まだまだ焦らして、もっと追い込むつもりだった。

(なぜ、なぜ入れないの)
 この期に及んでまだ挿入しないこの男に麻美は怒りすら覚えた。
 もう、自分がすっかり用意ができていることは分かっているはずだ。それなのに、入れないとは。我慢強いにもほどがある。おかしいのではないかと思う。
 この男の実力を認めるしかない。こうなったら、どこまで焦らされ、なぶられるか覚悟しないといけない。
 そして、我慢強さだけでも驚異的なのに、的確に自分が一番感じるポイントを責めてくる。
 自分が一番やって欲しいことを、ちょうど良い具合でやってくれる。心を読まれているかのようだ。
 どういうからくりがあるのか分からないが、恐ろしいほどのテクニックだ。リコが自慢するだけある。
 麻美は見た目と最初の愛撫から自分が完全に油断していたことを後悔した。
 もう、こうなったら、この男との我慢比べだ。絶対に入れてとは言わない。それが最後の意地だ。
 麻美は守の愛撫に狂おしいほど感じながら決意していた。

 守は最終段階へ来たと思った。
 あとは徹底的に責めて、イク寸前まで追い上げるだけだ。そして、絶頂ギリギリの状態をキープし続けるのだ。
 クリの本格的な攻撃に入る。
 舌で包皮を押し上げ、直接舌先でクリを舐める。もう遠慮はいらない。最初からトップスピードで舌を動かし、麻美を責める。
 さらに両手で乳首を責める。指で挟んでグリグリこねたり、人差し指でピンピンと弾く。そして指が疲れてきたら、五本の指で乳房の形が変わるほど握り締める。
「んっんんんんぅー……」
 麻美の体はその痛みすら強い快感に感じてしまう。
 クリと胸から気が遠くなりそうな快感が発生する。
 このままだと、イッてしまう。ダメ、イッたらだめ。麻美のかすかに残った理性が叫ぶ。
 でも、『参った』とさえ言わなければ自分の勝ち。一回くらいイッたほうが、落ち着いて続きができるかもしれない。
 別の理性が麻美にささやく。
 でも、くやしい。こんな男にイカされるなんて嫌。我慢するの、絶対イッたらダメ。
 麻美のプライドが最後の一線で踏みとどまる。
 その間も、守の責めは続く。唇がぴったり張り付き、クリを吸いながら舌先で高速に弾く。
 胸も揉みくちゃにされている。
 麻美のプライドは早くも崩壊寸前だった。麻美の決意は数分ももたなかった。
(ああ、なぜ。この男はどこまで続ける気なの。おかしい。こんなことありえない)
 もう、麻美は頭の中がグチャグチャでまともに考える事ができない。
 気を抜いた瞬間に大きくイッてしまうだろう。歯を食いしばって耐えるしかなかった。
(早く、早く終わって。そうじゃないと、この男に……)
 その瞬間、今日一番の大きな快感が体を走りぬけ脳へ突き刺さった。
 守がクリを甘噛みしていた。
「あ、あ、あ、あぅ……」
 本当に目の前に星が飛んだ。一瞬頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなった。半分イッていた。
 耐えきれたのは、単なる幸運だった。
 麻美は自分が限界に来たことが分かった。

(かなりきてる。でも、まだまだ続けられる。この絶頂寸前の状態をずっとキープするんだ)
 守は細心の注意を払いながら、麻美を責め続ける。
 そして、右手を麻美の胸から股間へ移動させた。
 ゆっくり、時間を掛けながら中へ沈めていく。
 本番の挿入前に事前調査を兼ねて指で中の様子を探るためだ。それに指を入れて中から刺激した方が麻美の快感をコントロールしやすい。
「あっあっあっあっあっああああぁ……」
 麻美から歓喜の声が出る。
 一瞬、待望の物が来たかと思ったが、すぐにそれは指だと分かる。
(この男はどうなってるの、どこまで我慢するつもり)
 麻美は指では物足りない。しかも、指は一本しか入ってこない。それだと、体の疼きは少しだけ治まるが、すぐに今まで以上のじれったさとなって襲ってくる。
(指でもいいから、もっと激しくかき回して。めちゃめちゃにして)
 麻美の願いは守へ伝わらない。いや、伝わっているが、守は無視していた。
 これ以上はないというほどゆっくり、麻美の内部を探るように、丁寧に、指が動いていく。
(あぁ、もう、なんとかして。こいつは何を考えてるの)
 じれったくて、じれったくて、叫び出したい。それにイライラが加わり、感情が爆発寸前だ。
 しかも、守の指が堪らないほど気持ち良い。守の指から変な力が出ているかのようだ。股間から頭へ電気が流れっぱなしになっている。
 指だけでこれほど感じるのは初めてだった。
(もう、ダメ、耐えられない。このままじゃ、おかしくなっちゃう……)
 麻美の意地とプライドも守の責めの前には役に立たなかった。
(『参った』さえ言わなきゃいい。それさえ言わなきゃ、私の勝ちだから。早く入れさせて、出させてしまおう。こんな冴えない男はきっと早いに違いない。一回出させたら絶対私のペースになる。そう、それがいい。こいつから嫌というほど絞り取ってやる)
 麻美は最後の一線を越えようとしていた。

 守は麻美の内部を大体調べ終わると、麻美の弱点Gスポットをゆっくりとこすりはじめた。
「あ、あ、あ、あ、ダメ、それ、ダメ、あはぁ、それ、ダメなの」
 麻美は気が狂いそうになる。
 もっとゆっくりだったら、まだ我慢できる。逆にもっと強かったら一気に絶頂まで駆け上がることができる。
 だけど、この男はその中間の自分が悶え狂う的確なスピードで責めてくる。
 我慢することもできず、イクこともできない。地獄の苦しみが麻美を襲う。
 もう、何がなんだか分からない。快感、じれったさ、怒りと様々な感情が頭の中でぐちゃぐちゃに混ざり合っている。
 このままでは確実におかしくなる。
 もう、本当の限界だった。
 これ以上は一分たりとも我慢できない。
「あぁん、ダメ、もう我慢できない。イヤ、指じゃイヤー。欲しい。あなたが欲しいの。入れて、早く。お願い、入れて」
 麻美は体面を捨てて本気でお願いした。
「まだダメですよ。もっと我慢してください。まだ俺のテクの半分も出してませんから。もっと、もっと気持ち良くしてあげます。俺は女性を感じさせるのが大好きなんです」
 麻美は耳を疑った。
 まだこの男は自分をなぶるつもりなのだ。
 挿入してもらえない現実に麻美は目の前が真っ暗になった。

 守は最高にハッピーだった。
 美人を自分の指で思う存分感じさせて自分から欲しいと言わせたのだ。
 男としてこれほど、嬉しくて興奮することがあるだろうか。
(ついでにやりたい事を全部やってしまおう)
 守は麻美の耳にしゃぶりついた。
「やあああん、ああああ、耳は、耳はダメ。んふぅ、弱いの。ダメなのぉ」
 ダメと言われると、もっとやりたくなるのが人間だ。
 守は麻美の耳を唾液まみれにしながらも、胸を揉み、中をこする。
 耳のくすぐったさで、一時的に快感から気が逸れて、いい感じだ。
 麻美は猛烈に体をよじらせて刺激に耐えているが、燃え上がりすぎた快感を少しだけ抑えるのにちょうど良い。
 飽きるまで耳をしゃぶってから守はようやく口を離した。
「はぁーはぁーはぁー……」
 麻美は抵抗に疲れて大きく息をしている。
 守は麻美がぐったりしているのをいいことに、麻美の両手を片手で掴み、頭の上でベッドへ押さえつけた。
 麻美がなぜと言う顔で守を見る。
 工場勤務の守は大人しそうな外見と違って、意外と力が強い。
 あえぎ疲れた麻美の力では手を振り払うことができなかった。
 そして、守は綺麗に手入れされ、ツルツルの腋の下へ口を付けた。
「いやぁーー、やだやだやだー、ダメェー……」
 麻美の絶叫が部屋に響く。
 守は前から女性の腋の下を好きなだけ責めてみたかった。
 エリは守にあまり腋を責めさせてくれない。守が口をつけようとすると怒るのだ。
 恥ずかしいし感じすぎるからだと守は思っていた。
 エリでさえそうなのだから、プライドの高い麻美なら今まで男に触らせなかったのではないか。隠れた弱点なのではないかと守は予想した。
 どうやら、その予想は当たっていたみたいだ。
「んんんんん……」
 麻美は思い切り歯を食いしばり、体中に力を入れて刺激に耐えている。
 誰が見てもかなり感じているのが分かる。
 守はここぞとばかりに麻美を責めた。
 もう、思う存分腋の下を舐めまくり、吸いまくった。
 そこはかすかに汗の味がするだけで嫌な匂いは全く無い。舌に無駄毛がひっかることも無くて完全にツルツルだ。
 舐めても舐めても飽きなかった。
 麻美の必死に耐える姿が守を興奮させる。
 麻美は力を入れて我慢しすぎて顔が真っ赤になっている。このままでは脳出血を起すんじゃないかと思うくらいだ。
「んんんんぅー……、む、無理……、も、もう……」
 守から見ても本当に限界っぽい。
 最後に一舐めしてから、守は口を離した。

 麻美は精根尽き果てたという感じでぐったりしている。
 肩で大きく息をしているが、体からは力が抜けきっている。
 耳と腋への連続攻撃で体力を使い果たしているように見える。
 守はまた優しい愛撫に戻った。
 乳首を優しく口に含みゆっくりと舌で転がす。胸をやんわりと優しく揉む。そしてGスポットを絶妙の加減でこする。
「あ、あぁ……」
 麻美の口からとても色っぽいエッチな声が出た。
 麻美はもう、何も考えていない。ただ体の反応に身を任せている。
 あえぎ疲れた体に男の優しい愛撫が染みてくる。一度燃え上がった体は少しだけ落ち着いているが、体の奥の疼きは消えていない。
 すぐに快感が湧き上がり、男が欲しくなってくる。
 抵抗する意思も気力も失った今は、目の前の男が全てだ。この男に気持ち良くしてもらうことしか頭に無い。
「あん……、いい……、気持ちいい……、もっと、もっとして」
 麻美から素直な言葉がスラスラ出てくる。
 守も麻美のために全力で愛撫をした。全神経を集中して麻美の反応を探る。顔、手、脚、指、体、息遣い、あらゆる事に注意を払い、麻美の感じている度合いを測る。
「あぁ、すごい……。すごくいい……」
 守の愛撫に麻美はすぐに絶頂寸前まで高められた。
「あっ、そこ。そこ、いいっ。もっと」
 麻美がイキかけると、守はすぐに刺激を弱めてしまう。
 そして、イク寸前の一番感じている状態を延々キープするのだ。
「あっ、ダメっ、もっと、もっとこすって、続けて」
 麻美がお願いしても、守はけっして麻美をイカせない。
 守の指を求めて、麻美の腰がクイクイとはしたなく動く。
 そして、麻美はキスして欲しいらしく、顔を近づけてくるが、守はわざと気付かない振りをして、何度もはぐらかす。
 麻美はキスでもしないと、気を紛らわすことができない。それにこの男とキスがしたくてたまらなかった。
「お願い、キス……。キスして、キス……」
 美女が泣きそうな顔でキスをねだる姿に守は少し優越感を覚えてしまう。また、麻美が急に可愛く見えてくる。
 守はそっと唇を触れ合わせた。
 麻美は激しく吸いつこうとするが、守はすぐに逃げる。そして、軽いキスを繰り返す。
 エリに教わった、『押さば引け』だ。
 麻美はもう少し焦らせる。
 キスで焦らしている間にも、守の両手は休むことなく動き続けている。
 片手は麻美の弱点を求めて中をうろつきまわっているし。もう片方は麻美の方へ回して彼女の体を支えながら、やわやわと乳房を揉み、乳首をいじる。
 そして、麻美の性感を頂上寸前でキープし続ける。

「もう、つらいの、お願い、イカせて、指でもいいからイカせて、お願い……。このままじゃ、私……」
 麻美に最初の頃の刺々しさは全くなく、純情な少女のようだ。
「まだ、我慢してください。もっと、気持ち良くなりますから」
「あぁ、切ないの、もう、どうしようもないくらい、切ないの。お願い、何とかして」
「体から力を抜いて、受け入れてください、もっと、気持ち良くなります」
「怖い、これ以上感じたら、おかしく、なりそう」
「大丈夫です。最高に感じますから。俺に任せてください」
 麻美は弱々しく守にしがみ付いた。
(この辺りが限界か)
 守はチラッと時計を見た。始めてから一時間近くたっている。
 その間、ずっと愛撫され、あえぎ、悶えていた麻美の体力も限界だろう。
 麻美の体はブルブル震えている。寒さに震えるようだ。それでいて体中から力が抜けて、グニャグニャになっている。
 最高の状態だ。
 これ以上やると、本当におかしくなってしまうか、体力を使い果たしてこの後の挿入で感じる量が減ってしまう気がする。
「お願いします。入れてください。このままだと、おかしくなります」
 麻美はほとんど泣きながら守に懇願した。
 これまでかなと守は思った。
「じゃあ、『参った』って言いますか」
「言います。参りました。ごめんなさい。バカにしたこと謝ります。許してください」
 麻美の口調は真剣だ。心の底から言っていると守は分かった。
 守は挿入の為に、麻美の中から指を抜き、一旦離れた。
 麻美が不安そうな、おびえた目で守を見る。
 守は優しく微笑んで、麻美を安心させる。いつでも笑い顔を作れるのは守の特技だ。イジメられっ子が持つ能力の一つだ。今は嫌々ではなく本心から微笑んでいるので、麻美も安心するだろう。
 守は麻美の両足の間に入り、麻美の太ももを抱えた。
 麻美は脚にも力が入っていない。もう、自分で持ち上げることもできないのだ。
「いきますよ。我慢できなかったら、俺にしがみ付いてください」
 麻美がコクッとうなずく。
 本当は可愛い人なんだと守は思った。いっぱい感じさせてあげたい。
 そして、ぬかるんで軽く開いた麻美の秘裂へ亀頭の先を合わせた。

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