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以心伝心:第3章

 守は混乱しながら、とりあえずコマ劇場前の広場へ向けて歩いた。
 適当な場所を見つけると、座って考え始める。
 人の感情を読み取るのが得意な守でも、エリの真意は分からなかった。
 何かエリを怒らせるようなことをしてしまったのだろうか。
 もう本名も携帯の番号も知られてしまっている。
 今日のところは逃げても、自宅を突き止められたら逃げきれない。
 怖いお兄さんが来たらどうしよう。
 それに今はまだ七時だ。指定の時間まで六時間もある。
 色々な考えが頭の中を駆け巡る。
 守はとりあえず牛丼で腹ごしらえをした。特にお腹がすいていた訳ではなかったが、何かしないと不安で仕方が無い。
 それからネットカフェに入った。時間を潰すにはここが一番だ。
 しかし、マンガを読んでもちっとも楽しくない。
 マックの店内でいきなり刺される事は無いだろうが、事務所とかに連れて行かれて、借金を背負わされたら……。怖いことばかり考えてしまう。
 先輩の雅也へ相談しようかとも考えたが、何も関係ない人を巻き込むわけには行かないと思いとどまる。
 万が一の時の為に、守は先輩の雅也へ簡単ないきさつを説明したメールを送る。こういうときに頼れる人間が他にいない。何か有った時は雅也が警察へ連絡してくれるだろう。

 約束の三十分前に守は指定のマックへ入った。
 終電が過ぎているというのに、逆に終電が終わっているせいか店内はそこそこ人が入っていた。
 これだけ人が居たらいきなり刺されたり、殴られたりする事は無いだろう。
 一時が近くなり守の緊張がじりじりと増していた時、突然携帯が鳴った。
 守の携帯が鳴る事はめったに無い。最初は自分の携帯だと気付かなかった。
 振動で自分のだと気付いて、慌てて手に取ると画面には『エリ』と表示されている。
 守が出るとエリの声が聞こえた。
「今、どこ?」
「マックの中です」
「すぐ、行くわ」
 それだけで、電話は切れた。
 ついに来たーと守が緊張していると、エリが一人で現れた。
 店の時の服と違って、黒のタイト気味の膝上スカートに、黒のジャケットという服装で、まるでおしゃれなOLさんか秘書という感じだ。
「行くわよ。付いてきて」
 どこに連れて行かれるのか。すでに誰かに見張られているのかもと、守はドキドキしながら付いていく。
 エリは一人で先にズンズン歩き、一軒の建物に入っていく。守が一目で分かるラブホテルだ。
 エリは部屋を選ぶと、またも先に歩いていく。守は訳が分からないまま付いていく。
 そしてエリは部屋に入り、バッグをテーブルに置くと、いきなり守に抱きついて、キスをしてきた。舌を絡める濃厚なキスだ。
 守は突然のことに頭が混乱する。もうどうとでもなれという気持ちで守も舌を絡め返す。
 店でエリにやられた事を思い出し、口の中を舌でまさぐる。あごの裏は特に重点的に舌でくすぐる。
「んふぅー……」
 エリの鼻の奥から、こもった音が漏れる。
 守は調子に乗って、エリの背中に手を回す。
 柔らかい。女の人って柔らかい。胸が当たってポヨポヨする。体の横も後ろもふっくらしていて抱き心地が良い。
 守はエリが何も言わないのをいいいことに、少しずつ手を動かし体を撫でた。
 根が小心者の守はエリの微妙な変化に細心の注意を払う。
 調子に乗って、少しずつお尻にも手を伸ばす。
 大丈夫だ。嫌がっていない。
 さわさわーと撫でる。ショーツの線に沿って尻肉を指でたどる。
 そして服の中で痛いくらいに勃起しているペニスをエリの腰に押し付ける。
 守が夢中になっていた所でエリの口が離れた。
 エリは守から離れると服を脱ぎ始める。
「あんた、童貞の割には筋がいいから、もう少し試してみようかと思って」
 守は驚きながらもつい見とれてしまう。
「ほら、あんたも脱いで」
 エリは全裸になるとベッドに上がった。上に掛けてあるものをバサァーっとはぐと、横たわる。
 ここまで来たら、毒を食らわば何とかだ。守は覚悟を決め、服を全て脱ぎ去るとベッドに上がった。
「さっきみたいにやってみて」
(店でやったみたいにやればいいのかな?)
 意味が良く分からない。
「私をイカせられたら、童貞をもらってあげてもいいわよ」
(えっ、童貞……、セックス……、なんで?)
 守はますます意味が分からない。だけどほんとのことなら大変だ。。
 初風俗、初キス、初フェラに続いて初体験まで一気に済ませることになる。これは凄いことだ。
 守は俄然やる気が出てきた。
 とにかく、がんばってイカせるんだ。今までネットやAVで勉強した愛撫のことを思い出す。
 だけど、いきなりどうぞと言われても、何から始めればよいのかとまどってしまう。
 所詮、付け焼刃の机上の知識はいざという時にあまり役に立たない。
 『さっきみたい』という事はお店で俺がやったのが気持ち良かったということか。
 お店で何をしたっけ。
 守は店での事を思い出そうとする。
 そうだ、俺がエリさんにやってもらって気持ち良かったこと、俺がやってエリさんの反応が良かった事をすればいいんだ。確か、エリさんはキスの後、全身リップをしてきた。
 守はエリの首にキスをした。最初は優しく、丁寧に、単調にならないように気を付ける。
 エリにやられた事を思い出しながら、唇、舌、手を使っていく。
 愛撫をしながらもエリの反応を探るのに全力を傾ける。エリの表情、呼吸、体の動きの変化を少しも見逃さない。
 首、肩、鎖骨へと少しずつ下がっていく。
 そして胸へ到達する。
 指先で触れるか触れないかぐらいで乳房に触れる。乳房のふもとから登っていっては乳輪の所で止まる。乳首に触れないようにしながら、爪の先で軽く引っ掻いては元の位置に戻る。それを両手で何度も繰り返す。
 以前AVで見て、いつかやってみようと思っていたやり方だ。
 エリはすぐには反応しないが嫌がってもいない。守は黙々と繰り返す。
 それを数分続けるうちにエリに微妙な変化が現れてきた。
 呼吸に合わせて胸を突き出し気味になっている。まぶたを閉じる力が強くなり、眉がかすかに動いている。少しは効いているみたいだ。
 守はまだ寝ている乳首の先に人差し指の腹でそっと触れる。そのまま軽くコスコスと撫でる。
 エリが大きく息を呑む。腹筋に力が入り、眉がピクリと動いた。
 続けているうちに少しずつ少しずつ乳首が立ち上がってくる。
 すっかり乳首が立ったところで守は口に咥えた。優しく舌で触れる。もう片方は乳首の先を撫で続ける。
「あ……」
 とうとうエリの口からかすかに声が漏れた。
 守はそれを聞き逃さない。
(感じてる……)
 嬉しいような、誇らしいような気持ちが湧き上がってくる。自分でも女の人を喜ばせられると思うと自信も湧いてくる。
 今まで以上に熱を込めて、乳首の相手をする。
 熱心に、丹念に乳首を舐め、こすっていると、エリが脚をモジモジとすり合わせている。
 守は太ももにも手を伸ばし、さわさわーと撫でてみる。
 エリはかすかに体を震わせて反応する。
 エリの反応を見るのがとても楽しい。
 母親が死んで以来、人に褒められたことはほとんど無い。叔父には厳しくしつけられ、工場では昔かたぎの社長にいつも怒鳴られている。
 そんな自分が女の人を感じさせている。愛撫がこんなに楽しくてワクワクするものだとは知らなかった。
 守は反対側の乳首へ移動して、そこも舌で優しく撫でた。
「あっ……」
 またもエリから声が出て、しかも脚が段々開いてくる。
 守が太ももの内側へ手を進めると、そこはじっとりと蒸れていた。柔らかさを楽しみながら、膝近くから付け根ギリギリまでを何度も往復して撫でる。

 ここまでで、守はだんだんエリの感情表現がだいぶ分かってきた。
 顔や体の動きを見ていると、感じているのか、くすぐったいのか、嫌がっているのかが何となく分かる。
 小さい頃から周りにイジメられていた守にとって人の感情を読むのは生き残るための手段だった。
 顔の表情一つとっても、眉の動き、目のつむり方、開き方、鼻の穴の膨らみ、口の動き、頬の動きと複雑でそこから色々なことを読み取れる。
 それにセックスだと手、指、脚の動きも参考にできる。どうして欲しいかを読み取るくらいは守にとって比較的簡単な話だった。
 エリはもっと強い刺激を求めているように思う。
 お店ではクンニして、指を入れたのだから、そこまではやっても大丈夫だろう。
 守はそっとオマンコに手を伸ばした。合わせ目の下の方にはヌルヌルした液体が滲み出ている。
 それを指先につけると、上の方へと塗り広げていく。
 エリの腰が一瞬逃げるような動きをするが、ゆっくりと元の位置に戻ってくる。顔を見ると感覚を噛み締めている様子だ。
(よし、大丈夫だ)
 守は膣口からクリトリスまで指先で丹念にぬめりを広げていった。
 その間も片方の乳首を黙々と舐め、もう片方を人差し指の腹で撫で続ける。
 守はその作業が楽しいということもあったが、実の所エリを怒らせるのが怖い気持ちのほうが強かった。
 痛くして『もういい、終わり』と言われるのが怖くて、慎重にならざるを得なかった。
 実はそのやり方が守も知らない内にエリを着実に追い込んでいた。
 エリは商売上いちいち客の愛撫で感じるようなことは無い。プレイの一部として感じる振りはするが、それは客の方も分かった上でのことだ。
 だが、守のやり方は今まで付き合った男や店に来る客の誰とも違っていた。
 信じられないくらいの我慢強さでじっくりと性感を掘り返してくる。しかも、自分の考えを読まれているのではないかと思うくらい的確に感じる所をちょうど良い感じで責めてくる。
 もっと強くと思うと強く、もう少し優しくと思えば優しく、絶妙な加減でやってくれる。
 これにはエリもたまらなかった。自然と守の愛撫に体が反応してしまう。
 とんでもない男を拾ってしまったのかもしれない。エリは凄い事が起きそうな予感がしていた。

 エリの反応が分かりやすくなってきた。
 胸や腰が持ち上がり、手はシーツを掴むように動いている。
(だんだん強くするんだ)
 守は乳首を舌で弾き、指先でクリクリと捏ねた。そしてクリトリスをかるく撫でる。
「んんっ」
(感じてる……)
 守は興奮してきた。自分の愛撫でエリが感じてる。声まで出して快感を表している。
 これで童貞の男が興奮しないわけが無い。
 守は舌のスピードを限界まで上げ、乳首を捏ねる指先に力を入れる。
 弾かれた乳首はボクシングのパンチングボールのように揺れ動き、捏ねられる乳首はグニグニと形を変える。
「い、いい……、なかなか、いいわ」
 今までの口調と違う、とても切なそうなエリの声だ。
 守は何か吹っ切れた。
 頭の片隅では今の事態に違和感というか、落ち着かない感じがあった。最後に怖い人が出てくるんじゃないかとか想像していたが、ここまでのエリを反応を見ていると人をだましているとは思えない。
 意味は分からないけど、悪意ではなく善意で俺を選んでくれたんだ。
 そう思うと、守のやる気と興奮が一気に盛り上がる。
 守は乳首から口を離し、オマンコにかぶりついた。
 穴の中に思い切り舌を突き入れる。そして中で舌をメチャクチャに動かした。
「ううううぅー……」
 エリからうめき声が漏れる。
 守は乳首を両手でこねる。
「あんんんぅー……」
 エリは胸を突き出し、乳首いじりをおねだりしてくる。
(いいのか、もっと強くしていいのか、分かんない。分からないけど、やっちゃおう)
 守はギュギュギューっと乳房を握り締めた。
「いい……、痛いけど、いいぃ……」
 エリが眉をしかめながらあえぐ。
 守は興奮のあまり訳が分からなくなった。膣口から舌を抜くと、クリに思い切り吸い付く。
 片手で乳房を揉み込み、片手をオマンコの中に指を突っ込んだ。店でやったときの事を思い出し、エリの感じるポイントを確実にこすり上げた。
「ああああぁー……、す、すごい、いいー……」
 守は体の限界に挑戦しながらエリを責め続ける。左手は握力の限界まで乳房を揉み続け、右手は指がつりそうなくらい小刻みに動かしポイントを刺激する。舌は疲れて痛くなるまで動かし続けた。
「あぁ、ダ、ダメ、もう……、もう、我慢、できない……」
 童貞の守はそんなことを言われてもピンと来ない。必死で手と舌を動かし続ける。
「もういいから、来て、早くー……、早く来てー……」
 守はそれでも何のことか分からない。誰か来るのかと、とんちんかんな事を考えてしまう。
 守に悪気は無いが、エリはじれったくて、我慢の限界が近づいている。
「早く早く早く、入れて、早く、入れてー……」
 エリがもう切なくて限界という顔をしながら、守のペニスを掴む。そして自分の方へ引っ張ろうとする。
 それでようやく武志も意味が分かった。
(いいのか、本当にいいのか)
 童貞が突然入れてと言われても、戸惑ってしまう。
 まずはコンドームだ。コンドームをしないと。守はコンドームを探し始める。
(枕の近くにあるはず)
 だが、枕の近くにそれらしいものが無い。守はコンドームが剥きだしか、コンビニで見るような長方形の箱に入っていると思っているので、小さいケースが置いてあるのに気付かない。
 守が見つからなくてあたふたしていると、エリの我慢が限界を超えようとしていた。
「いいから、大丈夫だから。早く、入れなさい!」
 エリが怒るように言った。
 人に怒られるのに弱い守は探すのを止めて、すぐにエリの両足の間で膝立ちになった。ペニスを掴んでエリの股間に向ける。そして闇雲に腰を進めた。
 当然のごとく、ペニスは狙いをはずれ尿道口からクリの方へそれていった。
「違う、もっと下」
(そうだ、思ったよりも下を狙うんだった)
 確かネットの情報にそう出ていた。守がもう一度狙いを付けようと思ったら、待ちきれないエリがペニスを掴んで入り口にあてがった。
「そう、そこ、押し込んでっ!」
 エリが叫ぶ。
 守も命じられるまま、腰を進めた。
「んんんぅー……」
「おおおおぉー……」
 二人の口から同時に声が漏れる。
 さんざん焦らされていたエリは、入れられただけで、頭まで快感が突き抜けた。
 守は初めての挿入に感動する間も無く、耐えるので精一杯だった。
(凄い、何だこれ……)
 温かくて、柔らかくて、ヌメヌメした物が絡み付いてきて、しかもそれがキュッキュッと締め付けてくる。
 フェラどころの話ではなかった。まるで何本も舌がある女性にフェラされているみたいだった。オナニーとは次元が違う気持ち良さだ。
 守は気持ち良過ぎて動くことができない。
「突いて、もっと奥まで突いてっ!!」
 エリが怒った声で催促するが、守は動くことができない。
「あぁー……、気持ち良過ぎて、動けないです……」
 守が情け無い声で言い訳する。
「いいから、突いて、もっとー」
 エリは自分から腰を突き上げ、両足を守の腰に回し、無理矢理自分の方へ引き付ける。
 その動きでペニスはこすられ、守を今まで経験した事の無い快感が襲った。
「ダメー、それ以上したら、出ちゃいますー」
「ダメ、我慢して、もっと、突いて。おっぱいも揉んで」
 エリが胸を突き出しながら叫ぶ。
 守はすぐにエリの両乳房を握り締めた。
「あっ、いいー……」
 エリが痛いくらい激しく腰をぶつけてくる。
 守は自分が動かなくても、エリの動きだけで射精しそうになる。今日は既に二回出しているが、全く影響が無いほど射精感が込み上げてくる。気持ち良過ぎる。
「あぁ、もうほんとにダメです……。で、出ますー……」
 自分は我慢強い方だと思っていたが、射精を我慢するのは別物だった。玉袋はキュッと持ち上がり、ペニスの奥がズキズキ疼いている。いくらお尻に力を込めても押さえられない。
「まだダメー、もうちょっと、もうちょっとだけがんばって、男でしょ、我慢してー……」
「ごめんなさい、あぁー、出る、出る出る出る、ダメだぁー……」
 エリが急いで自分も絶頂を合わせようとするが、間に合わない。
「あ、はぁーー……、んっ、んんぅー……」
 ぶびゅるるるるーーーー……、ぶりゅるるるーー……、びゅるるるっ…………。
 守は腰を突き出しペニスを根元まで埋め切ると、会心の射精をおこなった。
 今日の射精の中で一番気持ち良い。頭の中は真っ白になった。ペニスには剥き出しになった神経を直接触られているように強い快感が走る。腰の辺りがピリピリ痺れ、気持ち良過ぎてどうにかなりそうだ。
 一週間オナ禁した時より凄い。これほど気持ち良い事は生まれて初めてだった。
(これがセックス……)
 守は動きを止め、最後の一滴まで出し切って、余韻を噛み締めた。
「まだダメって言ったのに」
 エリの少し非難めいた言葉に、武志は余韻を吹き飛ばされる。
 エリは枕元に手を伸ばし、ティッシュを数枚引き抜くと言った。
「もう抜いて良いよ」
 守は言われた通りにすぐにペニスを引き抜いた。
 ポカッと穴が開いて、そこから精液が垂れそうになるのを、エリがすかさずティッシュで抑える。
 守はその動きをじぃーっと見つめた。
「この状況を見られるとさすがに恥ずかしいんだけど」
 守は慌てて目を反らす。
 エリはティッシュを捨てると起き上がった。
「シャワー浴びるよ」
 エリがベッドから降りて歩き出すが、守はどうして良いか分からない。
 ついて来いという意味か、それとも待ってろという意味か。
 守が悩んでいると、エリが振り返り、目で守を呼んだ。
 そう言えば、エリとは店で一緒にシャワーを浴びたのだ。一回も二回も同じということか。守は一人で納得し、エリに続いて浴室に入った。
 エリは髪をゴムで留めている。
 守が手持ち無沙汰で突っ立っていると、エリに睨まれる。
「あんたねぇ、童貞切ってもらった相手にお礼を言おうとか思わないの」
 守はビクンと体を伸ばして、おじぎした。
「どうも、ありがとうございました」
 エリは立ったままで何も言わない。
 守ははっと気が付いて、慌ててシャワーヘッドに手を伸ばす。温度を調節してぬるめのお湯を出した。
 もう、ここはお店じゃないんだ。
 待っててもエリが洗ってくれるわけではない。
「お湯掛けますね。湯加減どうですか?」
「まあ、いいわ」
 守は一通りお湯を掛けると、ボディソープを取り、手の平で泡立てる。
 お店でエリにやってもらったように、今度は逆にエリを洗う。
 痛くならないように、力加減に気をつけて、優しく優しく洗っていく。
 気後れして股間を後回しにして、だいたい泡を付け終わったところでエリが言った。
「そこは自分でやるから」
 エリはシャワーヘッドを掴むと股間にお湯を当てて洗い始める。
 守は特に考えもなく漠然とエリの動きを見ていた。
 エリは膣口の中に指を入れ、精液を掻き出している。そこで武志の視線に気が付き、キッと睨んだ。
「何、見てんのよ。気を利かせて反対向きなさいよ。私でも恥ずかしいんだから」
 怒りと恥ずかしさと照れくささが混ざった声でエリが言う。
 慌てて守は反対側を向いた。
「ほんとに、あんたはさっきから人の恥ずかしいところばかり見て。これだから童貞は」
 守はいたたまれなくなる。しばらくの間、一人で反省モードに入っていた。
「もういいわよ。じゃあ私は先に出てるから」
 そういうとエリは守を残して先に出てしまった。
 守はエリを待たせてはいけないと慌てて体を洗い、すぐに浴室を出た。
 そこにはエリが用意してくれたのか、バスタオルと寝巻きが置いてある。
 体を拭き、寝巻きを着る。それは上だけで、裾が腿くらいまでの長さがあった。自分でも似合わないと思いながらもそれを着て部屋に戻る。
 エリはビールを飲みながらテレビの深夜番組を見ていた。
 守は、またもどうして良いか分からなくなった。今の状態は明らかに異常だ。
 初風俗の後、相手の女の人に呼び出され、ラブホテルへ直行して童貞を奪われる。その相手はビールを飲んでいる。
 こんな状態は想像したことも無いし、見たこと聞いたことも無い。ネットの知識も役に立たない。
 守は途方にくれて辺りを見渡した。エリと自分の服が脱ぎ散らかされているのに気が付いた。二人の服を拾ってハンガーに掛け、下着を畳んでソファーに置いた。
 もうそれでやることが無くなってしまった。
 守は恐る恐るエリの横に座った。体がギリギリ当たらない微妙な距離だ。
 エリを横目で見ると、ビールのせいか顔が少し赤い。そして寝巻きを大きな胸が持ち上げている。
 何かいけないものを見た気がして、守は視線をテレビに移す。
 守にとって拷問のような数分間が過ぎた。
 エリがビールを飲み終わり、缶をゴミ箱へ投げ捨てると、立ち上がった。そのまま、バッグを掴むと洗面所へと向かう。
 守が視線で追うと、エリが一にらみしてから洗面所に消えた。
 これは守にも入ってくるなという意味だと分かった。
 十分近くたってからエリが出てきた。
 守がエリを見ると、何かさっきまでと雰囲気が違う。優しい感じになっている。女性と付き合ったことが無い武志はしばらく考えて、やっと理由が分かった。
 口紅をつけていない。そうだ、お化粧を落としたんだ。
 エリは元々化粧をあまりしていないのか、落としてもそれほど大きな違いはないが、少しやさしくなって、少しパワーが減った感じがした。
「あんた、明日予定は?」
 エリが守の横に座ると聞いてきた。
「何も無いです」
 守はまた緊張してきた。今からお金を請求されるのか。明日怖い人の所へ連れて行かれるのか。
「じゃあ、このまま、ここに泊まりで良いわね」
「はいっ」
 それで会話が終わってしまう。
 守はいたたまれず、意を決してエリに聞いた。
「あのー、どういうことか分からないんですが」
「まあいいわ合格よ。あんた私のセフレにしてあげる。というかペットね」
「えっ」
 セフレ? ペット? 守はどういうことか余計に分からなくなってくる。
「もう、寝るわよ。ここは十時チェックアウトだから、九時には起きなきゃ。じゃあ、おやすみー」
「はい、おやすみなさい」
 エリはテレビを消し、照明を暗くすると、一人で寝る体勢に入ってしまう。
 守は混乱したまま仕方無く、エリの隣で横になった。
 今日一日色々なことがありすぎて、なかなか興奮が冷めない。それに頭の中は疑問符だらけだ。それでも暗い中、目をつむっていると守はいつの間にかに眠ってしまった。

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