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以心伝心:第1章

 守《まもる》は焦っていた。
 あと二ヶ月ちょっとで成人になるというのにいまだに童貞だ。セックスはおろか、キスもまだだし、女の子と付き合ったことも無い。
 このままでは十月の誕生日で童貞のまま二十歳を迎えるのは確実だった。
 夜間高校卒で町工場で油まみれになっている状況だと女性と知り合う機会はほとんど無い。
 かといって女性に声を掛けたこともないし、そもそもどうやって声を掛ければいいか分からない。ナンパなんて怖くてやったことが無い。
 守は悩んだ結果、工場の先輩の雅也に相談してみた。雅也は二十四歳。典型的なできちゃった結婚で奥さんと娘が一人居る。仕事はイマイチだが、それ以外では守の良い相談相手になってくれる。
「守ももうすぐ二十歳か。なんかお祝いしてやらないとな」
「はい」
「俺がもう少し若かったら、お前の童貞を切ってくれる女の一人や二人すぐに用意してやるんだけどな。今はカミさんがうるさくて全然遊べないんだよ。昔の女とは最近会ってないし。まあ一番手っ取り早いのは風俗だな」
 仕事以外のことになると雅也は途端に口が滑らかになる。
「それはソープってことですか?」
「それそれ、だけど、全くの素人がいきなりソープだと緊張してうまくいかないかもな。童貞切りにソープへ行って緊張して立ちませんでしたじゃ、しゃれになんないだろ」
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「まずはヘルスで経験値を上げてから行けばいいんじゃないか。それにヘルスなら安いしな」
「なるほどー。さっそくヘルスのいい所を探してみます」
「おう、がんばれ。うまくいったら報告しろよ」
 雅也はニヤニヤしながらも応援してくれた。

 その日から守は毎晩ネットでヘルスの情報を探し始めた。
 少ないけど夏のボーナスは使わずに残してある。風俗に何回か行くくらいなら十分だ。
 条件としては
1. 年齢は十八歳から二十二歳くらい
2. 自分(170cm)より身長が低い
3. スタイルよりは顔重視。でもポッチャリは嫌。貧乳はOK
4. ヤンキー系、ギャル系はパス
 こんなところだろうか。
 六本木、横浜方面はほとんど行ったことが無いのでパスして、なじみのある品川、渋谷、新宿、池袋を中心に探してみることにする。
 だがこれは思ったより大変だった。
 まず店の数が多い。これほどたくさんの店があるとは思っていなかった。それで、まず店名に奥様とかが入っているあきらかな熟女系を外し、店名のセンスが無いものを外した。
 それからサイトの作りがある程度しっかりしたものを中心に見て回る。サイトがちゃんとしているということは、経営者がちゃんとした人だろうという想像だ。
 電話かメールで予約ができるかという点も重要だ。
 店舗型とかホテル型とかの分からない言葉は検索して調べたり雅也に聞いたりする。
 そうして選んだ店から条件に合う女の子をじっくり選んでいった。
 ここからもけっこう大変だった。
 1.の年齢と2.の身長はほとんどの女の人がクリアしていたが、3.が難しい。そもそも顔出ししている女の子は少数だし、ポッチャリがけっこう多い。
 ほとんどが茶髪とか金髪で守が苦手なタイプの女の人ばかりだった。
 中学卒業以来ほとんど女性と話したことがない守は女性が苦手だ。
 守が普段話す女の人といえば、社長の奥さんと事務のおばちゃんしかいない。コンビニとかの店員を除くと若い女性と最期に話したのはいつの頃か思い出せないくらい昔のことだ。
 ちなみにデリヘルも見てみた。理由は分からないが、普通のヘルスよりデリヘルの方がいい女の人が多い気がする。だが自宅に呼ぶのは怖いし、ラブホには入ったことがない。一人で先に入ってデリヘルを呼ぶのは難易度が高すぎる。
 あきらめて普通のヘルスを中心に探すことにした。
 守は何十件もの店のHPを見てもピンとくる人がおらず、どうしようかと悩んでしまう。もう少し条件を広げないとダメかなと思い始めていた。でも自分としては初キス、初フェラ、初風俗である。少ない貯金から出すのだからあまり妥協もしたくない。
 探し初めて四日目、この店もどうせダメだろうなと思いながらたまたま開いたページで気になる人を見つけた。
 それは新宿のとあるヘルスのエリだった。
 22歳で身長166cm、スリーサイズは84D-58-86。顔写真はぼかしが入っているが、髪は黒だし、化粧もケバくなさそう。全体的に明るい感じで、あまり怖くない。近所のお姉さんタイプだ。
 プロフには店長オススメマークが付いている。出勤は平日で、18時からの遅番だ。
 掲示板を見てみると、エリちゃん最高とか、また絶対行きますとか、なかなか高評価な事が書かれている。
 それにここは店舗型で全室シャワー完備なのが良い。
 守もHPの情報を鵜呑みにするほどバカではないが、この人には何か惹かれるものがある。身長がちょっと高いのが気になるが自分よりは低い。
 とりあえず、この人を第一候補にして、ブックマークする。それから他も探してみた。
 毎日数時間ずつ、三日間探してみたが、結局エリより良さそうな女の人は居なかった。
 そうすると、ますますエリに会ってみたくなる。エリじゃないとダメな気がしてくる。
 守はエリを相手に決めた。そして、さっそく翌日から電話予約を始めた。
 だが、これが一番大変だった。
 この店のシステムではメンバー(2回目以降の人)は前日朝十時から、一般は当日朝十時から予約が始まる。
 それで、まず電話が十時ちょうどにつながらない。しばらくしてつながってもエリみたいな人気の子は当然のごとく予約は埋まっている。
 それでも守は毎日電話を掛け続けた。十時ちょうどに掛けないといけないが、その時間帯は仕事中だ。
 だから十時前になると社長の目を盗み、トイレに籠もっては電話を掛ける。雅也は事情を知っているので協力してくれるが、社長や他の従業員には秘密なので、ドキドキしてしまう。
 小心者の守は仕事をサボるのが心苦しくて、毎日少し余計にサービス残業して補填していた。
 そうして一週間がたとうかという金曜日、十時ちょうどに電話がつながった。
「エリさんの予約をお願いします」
 いきなり電話がつながってしまい。守は一気にテンパッた。
「メンバーの方でしょうか?」
「いいえ、初めてです」
「そうですか。一般の方は当日予約のみとなっております。エリは本日午後六時からだけが空いていますが、どうされますか?」
「えっ、空いてるんですか」
 守のドキドキはレッドゾーンに入る。心臓がバクバクと鼓動する。
 今日もダメだろうと思っていたので心の準備ができていない。まさか空いているとは思わなかった。
「予約をキャンセルされたメンバー様がいて、18時からだけが空いています」
 守は一瞬だけ考える。チャンスは二度と来ないかもしれない。他の事を考えないで決断した。
「します。予約します」
 そこから先は半分夢の中状態だった。
 携帯の番号とかを聞かれたがすぐに答える。番号を教えるのはまずいかなと、教えたすぐ後に思ったが、どうせ掛けてくるのは叔父か工場の人間しかいない。何かあったら番号を変えれば良いだけだと割り切る。
 一旦切って、折り返しかかってきた電話に出たり、注意事項を聞いたりするが、頭が変になっていて自分でも何をしゃべっているのか良く分かって無い。
 電話が終わってからも現実ではないみたいな気がしていた。念のため着信履歴を見ると、確かに店から掛かって来ている。
 守はそこで問題に気が付いた。この工場は朝九時から夕方六時までの勤務で昼に45分、三時に15分の休憩がある。定時まで働いていたら予約の時間に間に合わない。着替え、移動の時間を考えると四時には工場を出たい。
 何とかして早退するしかない。
 守は祈るような気持ちで社長に話しかけた。
「社長。すみません、今日は四時で早退させてください」
 腰を直角近くまで曲げて、お願いした。ダメなら土下座でも何でもするつもりだった。
 守が早退を申し出るのは工場に入って四年半で初めてのことだ。
 社長が守の目を見てしばらく考える。
 この昔かたぎでいつも自分の事を怒鳴っている社長が許してくれるだろうか。
 守にとっては拷問のように長く思える時間が流れる。
「ああ、まあ良いだろう。いつも真面目に働いてくれてるし、仕事も暇だしな。その代わり、早退分給料から引いとくぞ」
「ありがとうございます」
 社長は守の真剣な顔を見て理由も聞かずにOKしてくれた。
 守は社長に抱きつきたいほど嬉しかった。

 守は四時になると大急ぎで家に帰った。まずは手を良く洗う。特に爪の間に入った油を念入りに落とす。
 守の部屋は今時珍しいフロが無いアパートなので、仕方なくお湯で濡らしたタオルで体を拭く。それだけでもやらないよりかはましだ。
 そして、歯磨きをして、髪をセットしなおして、部屋にある一番いい服を着る。といっても普通のジャケットにパンツだ。中学を卒業して就職する時、叔父に買ってもらった物だ。他にはヨレヨレのポロシャツやジーンズくらいしか無いので仕方が無い。
 鏡をみると着慣れていないのが一目瞭然で少し恥ずかしい。
 守ははやる気持ちを抑えて、財布と携帯を確認すると部屋を出た。
 駅に向かう途中でお金を多めにおろす。そして5時ちょうどに店に電話をかけ予約の確認をする。
 JRに乗って新宿に向かう間、ドキドキが治まらない。
(ついに、初風俗だ)
 初めて生で女性の裸を見る。ネットやエロ本では飽きるほど見てきたが、実物は初めてだ。
 エリのまだ見ない顔も想像する。綺麗だといいなあ、優しい人だといいなあと妄想も止まらない。
 新宿駅には三十分以上前に着いた。
 トイレに行き用を足し、それから地図を見てもう一度店の場所を確認する。
 あんまり早く行くのも恥ずかしいので、ちょっとだけ本屋をぶらつき時間を潰してから店へ向う。
 駅から歌舞伎町までの短い距離をフワフワした気持ちで歩く。何か現実では無いような気分だ。
 途中客引きの声を全部無視して、というか耳に入っていなかった。
 そして五分前に店の入り口に着いた。
 ドキドキしながらドアを開けると黒服のお兄さんが受付に居た。
「いらっしゃいませ。ご予約の方ですか」
「はいっ。六時に予約した福山です」
 つい元気良く返事をしてしまう。
 守は電話予約の時に名前を聞かれ、とっさに本名を答えていた。今になって考えれば偽名でも良かったのに、あの時はテンパっていて思わず本名を答えたのだ。
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」
 店員の外見に似合わない丁寧なしゃべり方に違和感を感じながらも守は待合室へ通された。
 そこには既に三人ほどの男が居た。
 普通のサラリーマン、大学生風の男、職業の見当が付かない自由人風の男。
 守が入ると三人がチラッと目を向ける。そして、すぐに手元の雑誌に顔を向ける。
 初めての雰囲気に守が戸惑っていると、さっきの店員が冷たい麦茶を出してくれる。
 守はそれを一気に飲み干す。緊張で喉が渇いていたので、とても美味しい。
 そして六時を数分過ぎた時、守は呼ばれた。
「福山様」
 守は跳ねる様に立ち上がると、声の方へ向かった。
 そこにはさっきの店員と一緒に女の人が居た。エリだ。
 かなり綺麗な人だった。凄い美人というわけではないが、守が今まで会ったことがある人のうちで一番綺麗だ。
 良い例えが上手く見つからないが、あえて言うと、欠点の無い顔だろうか。
 少し細めの眉。はっきりした目。鼻もそこそこすぅーっと高く、赤い唇の形もなかなか良い。それらのパーツがバランス良く顔の中に納まっている。
 風俗関係というよりOLさんという感じだ。
 そして、肩にかかるくらいの黒いストレートの髪、スタイルが良く分かる体にフィットした赤いミニのワンピース。下着の線がかすかに浮かんでいる。
 体はHPの写真やスリーサイズから想像したとおりのスリムさだ。服が張りつき、胸が大きいことが良く分かる。
 守は思わず見とれてしまう。こんなに綺麗でスタイルの良い人で良かった。守は感動してしまった。
「福山様、こちらです」
 エリの女性にしてはちょっと低めの声につられて歩き出す。
 守の視線はエリの後ろ姿に釘付けになる。
 けっこう背が高い。ヒールのせいかもしれないが、自分とほとんど変わらない。
 細くて長い脚、柔らかそうなお尻。これを今から好きなだけ触れると思うと鼻血が出そうになる。
 興奮を抑えきれないままエリの後を付いていった。

 守は個室に通されたが、初めてなのでどうして良いか分からない。入ったところで突っ立ってしまう。
「どうしたの、入って」
 エリが不思議に思い声を掛ける。
 まだ顔を見ただけなのに、この人ならバカにしないと守は直感で思い、正直に話した。
「すみません、こういう所は初めてなんです」
「そっか。分かった。緊張しなくて良いから。ここは楽しむ所なんだから、私に任せて」
 エリが微笑んで優しく守に話しかける。
「じゃあ、最初にシャワー浴びようか。脱がすね」
 エリがそう言いながら守の服に手を掛けようとすると、守は跳ねのいた。
「いや、いいです。いいです。自分で脱ぎます」
 年上の女性に脱がせて貰うなんて、恐れ多くてできない。守は反対側を向いて一人で服を脱いだ。
 後ろでエリも脱いでいるのが気配で分かる。何かいけない気がして、エリの方をまっすぐ見られない。でも見たい。守は横目でチラチラとエリの方を見る。
 上下お揃いの黒の下着、下はTバックで綺麗な形のお尻が丸出しになっている。
 エリが視線に気が付いて言った。
「遠慮しないで見て良いのよ」
 裸になった守は股間を手で隠しながら遠慮がちに全裸になったエリを見る。
 胸は綺麗なお椀型で揉みごたえのありそうな大きさだ。乳輪と乳首はピンクとはいかないが普通の色で黒ずんでいない。大きさと形も普通で全然問題ない。
 ネット上ではグロ画像かと言いたくなる様な酷い乳輪の女の人が居るが、そうでなくて守はホッとした。
 そして、ウエストは締まっている。お尻は日本人風の垂れて四角い形じゃなくて、丸くて持ち上がっている。
 陰毛はそこそこあるが、逆三角形に手入れされている。
 まるで人気AV女優みたいな凄い体だ。店長オススメの人気嬢だけある。
(本物の迫力は凄い)
 初めて見る生身の女性の体に守はいやらしいというより、何か荘厳な感じを受けた。
 しかし、並んで立つと目の位置があまり変わらない。プロフの身長はちょっとごまかしているなと守は思った。
「そんなに真剣に見つめられると恥ずかしいな」
 最初は遠慮していたのに、いつの間にか思い切り見てしまっていた。
「すみません。あんまり綺麗なので……」
 気の小さい守は怒られたような気になって、すぐに萎縮してしまう。
「ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったのよ。冗談なんだから、好きなだけ見て良いのよ」
 守に謝られてエリは困ってしまう。
「よし、シャワーを浴びましょう」
 エリが気を取り直して言った。
 二人でシャワールームに入ると、エリがお湯を掛けてくれる。
 それからエリは両手にたっぷりとボディソープを取ると泡立てた。
 その間、守はうがい薬を渡され、うがいさせられる。
 そして、エリはスポンジを使わないで素手で守の体を洗い始めた。
「どう、気持ちいいかな」
「は、はい」
 気持ちいいなんてものではなかった。くすぐったいような、ゾクゾクする感じで、はやくもペニスは勃起している。自分で体を洗うのとは全然違う。どうして人に洗ってもらうだけで、こんなに気持ち良いのだろう。
 目の前ではエリの裸が動いている。視覚だけでも射精してしまいそうだ。
 守は鼻で大きく息をしながら、エリの手を満喫した。
「60分コースだからちょっとだけサービスね」
 守は60分コースを頼んでいた。基本料に指名料がかかり、割引分を引いて合計二万円だ。二十時まではちょっと安くなっていた。
 他の店の料金と比べると中級か中の上レベルの店なのだろう。

 エリは自分の体にもソープを付け、そのまま自分の胸で守の背中をこすった。
「ほああぁ……」
 思わず守は変な声を出してしまう。
 背中にとんでもなく柔らかいものが当たっている。その中央にはコリっとしたものがあり、背中を微妙に刺激する。
 さらにエリの手が守の乳首をサワサワと撫でている。
 この世のものとは思えない気持ち良さだ。
 エリはしばらく背中をこすった後、後ろから両手を守のペニスに伸ばした。
「おぉー……」
 突然のタッチに守は腰を引いて逃げようとする。
 エリは軽く、かるーくペニスをこする。皮も剥いてカリの溝も丁寧に洗ってくれる。
 その絶妙な手さばきで守は射精寸前まで追い詰められる。
「ちょっと我慢してね。あとで一杯だそうね」
 エリに言われて、守はお腹とお尻に力を入れて、必死に我慢する。
 エリはペニスの先端だけではなく、竿も袋も丁寧に洗う。
 そして、お尻の穴に指先が触れたときには、ひゃっと声を上げてしまった。
 もう我慢するのが辛くて、ダメだと思い始めたところでエリの手が止まった。
 シャワーでお湯を掛けて綺麗に洗い流してもらう。敏感になっている亀頭は水滴が当たっただけで腰が痺れるような快感が走る。
 体を洗い終わった時には、守は肩で息をしていた。我慢するだけでかなり体力を使ってしまっていた。
「よく我慢したね。シャワー中に出しちゃう人もいるんだよ」
 そう言いながらエリが体を拭こうとするのを守は止めた。タオルを受け取り自分で体を拭く。
 エリに拭かれるのは恥ずかしいし、これ以上刺激されたら、本当に射精してしまいそうだった。

 体を拭き終わったところで、守はエリに手を引かれてベッドの端に腰掛けた。二人は体をくっ付けて座る。
 エリは体にバスタオルを巻きつけている。守は股間を隠すようにタオルを乗せているが、ペニスはまだ勃起したままなので、タオルは盛り上がっていて、とても恥ずかしい。
「若いから2回はいけるね。3回いけるかな。時間内なら何回出してもいいから」
 守はなんと答えていいか分からず、だまってうなずいた。
「じゃあ、キスしようか。初めて?」
 守は正直にうなずく。
「分かった。最初から教えてあげる。まずは、目をつぶって、唇から力を抜いて」
 守が言われた通りにすると、頬を両手で挟まれた。男と女が逆じゃないのと思ったが、心臓がバクバクしていてそれどころではなかった。今から初めてのキスなのだ。舞い上がってしまって、どうしたらよいのか分からない。両手を自分の太ももの上に置いて待ち構える。
 エリによって顔の向きを変えられ、頭を少し傾けられる。
(来る、来る、来る、来るー……)
 と思っているとエリの鼻息がかすかに顔にかかる。
 そして、唇に何かが触れた。
(柔らかい……)
 エリの唇は想像以上に柔らかかった。
 守が初キスに感動していると、エリの舌がやってきて、守の唇をくすぐっていく。
 ぞくぞくーっと、寒気が背中からうなじ、肩、二の腕の辺りまで広がっていく。
 エリの舌が守の歯をこじ開け口の中へ入ってきた。そのまま口の中を這い回る。
 特に上あごの裏を舌でくすぐられた時は、くすぐったさと気持ち良さが混ざった初めての感覚で体がモジモジしてしまう。
 最初は遠慮して奥に引っ込んでいた守の舌もエリに誘われて少しずつ前に出てくる。
 エリはすぐに舌を絡めてきた。
(これがディープキス……)
 エリの柔らかくて、ぬめった舌が絡み付いてくる。それは体験したことの無い感触だった。
 初キスの味はミントとレモンが混ざった甘い味だ。
 頭がぼーっとしてくる。
 いつまでやってても飽きない。このままずっと続けたいと思っていたのにエリの舌が逃げていく。
(あぁー……)
 守は舌を追いかけるが逃げられてしまう。守が緩んだ顔で残念に思っていると、エリが言った。
「舌を出して」
 何が起こるんだ。守は言われた通りに舌を差し出した。
 するとエリがそれを唇で優しく挟み、舌を絡め、吸ってきた。
(あぁ、吸われてる……)
 守はその気持ち良さに体中の力が抜けていく。
(あぁ、これもいい……)
 少しだけこそばゆくて、体中がゾクゾクしてくる。なんでエリとのキスはこんなに気持ちいいんだろう。守は不思議な気持ちなった。
 そこでまたエリの口が離れた。
「時間がもったいないから次にいくね」
 そしてエリは守の体の色々なところにキスをし始めた。
「お、お、お、おぉー……」
 首筋から始まり、耳、肩、胸へと口が移動していく。
 それも単なるキスではなく、吸ったり、舐めたりとバラエティに富んでいる。
(これが、全身リップ)
 この店では全身リップが標準で料金に入っている。
 体のゾクゾク感はキスより何倍も上だ。体が震えるほど気持ち良い。守は全身リップが大好きになった。
 その時、エリの手が守の股間に掛けたタオルの下に入る。そしてゆるゆるとしごき始める。
「あ、あぁー……」
 完全に勃起しきっていたペニスに突然の刺激で守はうめき声を上げる。
 エリは畳み掛けるように、乳首に吸いついてきた。
「あぁー、それは……」
 二ヵ所同時攻撃に守は一気に追い上げられる。
 乳首からはジンジンとした快感が、ペニスからは痺れるような快感が登ってくる。
 守は歯を食いしばり、お尻を引き締めて耐えるが、いくらも持ちそうに無い。
「あっ、あっ、待って、待って、もう、出ます、出ます」
「じゃあ、一回出しちゃおうか」
 エリは手を止めると、守をベッドの上に寝かせた。そして股間に顔を寄せるとパクッとペニスの先を咥えた。
「おっ、おおぉー……」
 一瞬だけ刺激が止み、気の緩んでいた守は鋭い刺激に驚いた。
 慌てて下を見るとエリの顔が股間にかぶさっている。
(これがフェラ……。凄い。凄すぎる……)
 ペニスの先が暖かくてヌルヌルしたものに包まれ、溶けるように気持ち良い。
 自分でやるオナニーとは比べ物にならない快感だ。
 来て良かった。守は心の底から思った。
 そんな守の感慨もエリの動きで吹き飛んだ。
「ぅああああーー……」
 エリが顔をスライドさせ始めたのだ。唇でペニスを締め付け、舌が裏筋から先端を這い回る。片手はわっかを作り竿をしごくし、片手は守の腰から太ももにかけてをサワサワと撫でる。おまけに髪の毛の先が守の股間や太ももに当たり快感をさらに大きくする。
 これには童貞の守は耐えられなかった。
「あぁー、ダメ、ダメです。出ます」
 一瞬口内発射が料金に入っていたかを思い出そうとするが、すぐにそんなことを考えられなくなる。
「出るっ、出ます。出ます。出ます。出ます」
 守がいくら言ってもエリは口を離そうとしない。さらに激しく手と口を動かしてくる。
 守の抵抗もそこまでだった。自然と全身に力が入り、息を止める。
「あぁー、出ますー、あっ、ああああぁーー……」
 ぶびゅるるるるーーー……、ぶりゅるるるるーー……、びゅるるるー……。
 頭の中が真っ白になる凄い快感と共に守は精液を大量に吐き出した。まるで一週間もオナ禁したくらいの大変な量だ。
 腰の周りがピリピリと痺れて、ペニスは溶けてなくなったみたいな感じだった。
 守はペニスに力を込め、最後の一滴までエリの口の中に吐き出した。
 そして体中から力を抜く。
 はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……。
 守は凄い脱力感に襲われる。体中から力を吸い取られたみたいだった。
 エリが精液をこぼさないようにしながら口を外した。
 そのとき唇が敏感になっている亀頭の先に当たり、守はうっとうめいた。
 フェラがこんなに気持ち良いとは想像もしていなかった。新宿にこれだけたくさんのヘルスがある意味が理解できた。フェラはとてつもなく気持ち良い。
 守は少し大人になった気がした。

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