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一条流の戦い:第60章

 合格発表の翌週、武志と真理はとあるホテルの一室へ頼子に呼び出されていた。頼子と会うのはどこかのホテルばかりで、本当の職場がどこにあるのかも知らない。決まった職場など無いのかもしれない。
 頼子はいつもどおりのきっちりとした服装で、髪はアップにまとめられている。
「次の仕事の依頼です」
 頼子が淡々とした口調で話す。
 ついに来たと武志は思った。夏前にロシア人の相手をして以来、仕事らしい仕事をしていない。あえて言うとアメリカへ行ったくらいだ。班を作ったことだし、いつ仕事が来てもおかしくないと思っていた。ただ、望むならもう少し訓練を重ねてからの方が良かった。訓練といっても、片手で数えられるくらいしかしていない。習うより慣れろということだろうか。
「どんな仕事ですか」
 武志が尋ねると、頼子が資料を渡した。
「相手はナオミ、二十三歳、イギリス人。イギリスの貴族の末裔で、父親は企業経営をしています。グループ売上は一兆円を超える、イギリス国内ではかなり大きい企業グループです。彼女は大学卒業後、父親の仕事を手伝っています」
 頼子は資料を見ることなく話す。
「何が問題なんですか」
 武志には、なぜそんな一般人を対象にするのか分からない。今までの相手は政府関係者ばかりだった。だからこそ、武志としてはあまり罪悪を感じることなく相手をすることができていた。
「彼女は表には出さないけど、有色人種に対する差別意識が強いと思われます。父親は日本関係の仕事もしているだけ有って、日本への理解が深いのだけれど、彼女ははっきり言って日本を嫌っているようです。父親は日本関係に更なる投資をしようとしていますが、彼女が反対しています。日本への投資を成功させるとともに、将来彼女が事業を継承したときの布石として、今のうちに日本を好きになってもらう。それが今回の作戦の目的です」
「ということはイギリス出張ですか」
「いえ、彼女は今、父親に付き添って日本に来ています。ただ、ホテルにこもってばかりで、ほとんど出掛けていません。決行予定日は来週。再来週には出国してしまうかもしれません。至急作戦を立案してください。やり方は武志君に任せます。完成したら報告してください。承認後、実行許可が出ます。相手は友好国の人間だから、無茶はしないでね。怪我させるのは厳禁。私の方からは以上です。何か質問は」
「分からないことが多すぎて、何を聞いて良いのか分かりません。とりあえず作戦を考えて見ます」
「そうね、まずは動くというのも大切ね。では、連絡を待っています」
 頼子は用件が終わるとさっさと帰ってしまった。いつもながら最低限の話しかしない。
 武志と真理はとりあえず、いつもの洋館へ向かい、愛と優に合流した。作戦を考えなければいけない。

 資料にはナオミについての細かい情報が書かれていた。
 推定サイズ、166cm-46Kg、80-54-83cm、Cカップ。痩せ型。
 性的嗜好はバイセクシャル。女性同士の場合はタチと思われる。
 若干、Sの傾向がある。
 運転・雑用・護衛係としての男性が一名いる。
 使用言語は英語、フランス語。
 生家は祖父の代で一旦没落したが父の代で復興している。そのためか血統に関する意識がとても強い。
 生理周期からいくと作戦最適期間は来週一週間。

 これだけの情報を与えられれば、作戦はおのずと限定される。
 武志がいきなりナオミの相手をすることは無理なので、まずは、愛か優の二人がナオミと親しくなり、相手をする。そこに武志が合流する。残る護衛の男は真理が引き付けるということになる。
 後は細かい調査を行ってから決めればよい。
 作戦の概略が決まったところで、準備に取り掛かった。
 愛と優はイギリス英語の特訓だ。元々イギリス人の血が1/4入っているこの双子は今回の作戦に適任である。逆に、この双子が居るからこの作戦が武志班に割り振られたのかもしれない。
 二人とも部隊の必修技能として英語はある程度話せるが、アメリカ英語だ。イギリス英語を少しでもマスターする必要がある。相手は貴族の称号を持つ気位が高い人間なので、言葉遣いは非常に重要だ。
 それから、武志は頼子に対象者の夜間の監視を依頼した。班のメンバーでは顔を覚えられるとまずいので、監視が難しい。また、ルームキーの入手も依頼する。
 作戦決行日は来週の十一月の第一火曜日と決まった。その日は武志の大学の学園祭最終日に当たり、その翌日は大学が休みになる。武志の都合を優先したスケジュールである。その外、細かいことは真理が検討、準備した。
 そして、作戦は完成し、承認された。
 作戦が決まると武志は当日までやることが無い。今回は女性三人が鍵を握る。愛と優は武志との相手を含む全ての訓練を休み、イギリス英語の学習に専念する。その合間に真理を練習台にして、女性同士のテクニックの復習をする。
 真理は双子の相手をしつつ、監視班の報告を受け、作戦の細部の修正をする。

 作戦前日の文化の日、武志は美咲と瞳に大学内を案内していた。
 卒論作成や学園祭の手伝いを理由に今週のデートを断っていたのだが、大学まで来られると、案内するのを断りきれない。女の子二人を連れているのを知り合いに見られたらどう説明しようかとヒヤヒヤする。
 二人とも彼女だとは言えないし、彼女とその友達というのは瞳に申し訳ない。
 何軒かの露店を冷やかし、軽くお腹を満たしてから、大学内を散歩する。特に美咲は自分が通っている大学以外へ入るのは初めてで、物珍しそうにしている。瞳も共通テスト以来で二度目だ。
 武志の大学は彼女達の大学より何倍も学生が多く、キャンパスは広く、建物も多い。それに大学ごとにより雰囲気は違うものらしい。そもそも彼女達は女子大だから、男子学生を見慣れていない。
 数時間歩き回り、疲れた彼女達を帰して武志はほっとした。運良く知り合いに会わなかったので、気まずい状況にならずに済んだ。
 それは気を利かした知り合いがわざと声を掛けなかっただけなのに武志は気付いていなかった。後日、関係を聞かれ、返答に窮することになる。

 作戦当日、武志達一同はナオミが宿泊する外資系一流ホテルの一室で待機していた。広くはないダブルの部屋で無線機を四人が取り囲んでいる。周りには着替えやいざという時の道具が並べられている。カーテンを閉め、一時間も四人が詰めているので、空気が淀んでいる。
 ナオミは平日夜にはホテル内のレストランで食事を取り、バーで軽く飲むことが多かった。週末は外国人が集まる店へ出掛けていた。
 平日である今日はホテル内のバーで接触する作戦だ。監視班からの連絡を聞きながら、武志達はじりじりと時間を過ごした。今回の作戦の難易度は低いと考えられるが、いつ想定外の事態が発生するか分からないし、この班での初作戦ということで、多少は緊張していた。
 特に、実戦経験がほとんど無く、この作戦の大部分を考えた真理は一番緊張していた。
 武志は真理の緊張をほぐそうと、肩のマッサージをしてやる。緊張からか、肩から首へかけて、かなり硬い。指先からかすかに気を流しながら、コリを揉み解していく。いたずらで胸を揉みたいのを我慢して、普通のマッサージに徹する。
 真理の悪かった顔色もいつもと同じようになり。体もリラックスしてくる。自分にはマッサージの才能もあるなと武志は思う。
 その間にも時間は流れ、時折連絡が入る。そして、監視班から待望の連絡が入る。
「対象の食事がそろそろ終わります」
 真理が立ち上がり、武志と見詰め合う。作戦スタートだ。
「行ってきます」
 武志がうなずくと真理は一人部屋を出て行った。
 真理、愛、優の三人が同時にバーに入るのもおかしいので、真理は先に入っている手はずだ。
 それからも連絡が入る。
「対象二名、レストランを出ました」
「対象二名、バーに入りました」
 ここからが作戦の本番だ。愛と優が立ち上がる。場慣れしている二人は真理ほど緊張していない。
「じゃあ、行ってくるね」
「また、後で」
 二人が出て行き、武志は一人残される。後は合図が来るまで、ここで待つしかない。
 しばらくして、スピーカーから音が出る。
「トン、トトン、トン、トトン」
「トントン、トトン、トントン、トトン」
 真理と愛からのターゲット確認の合図だ。喋られない場合、マイクを決まった回数叩くことになっている。
 武志は監視班へ引継ぎ完了のメールを送った。ここから先は自分達の番だ。

 ナオミはすぐれない気分で一人カクテルをあおった。気に入らないことばかりだった。
 まずこの日本という国が気に入らない。黄色人種のくせに世界第二位の経済大国だというのが気に入らない。きっと何か卑怯な手を使っているに違いない。こんな国と昔、同盟を結んでいたというのが信じられない。
 それに日本人も気に入らない。自分が近寄ると逃げていくか、物珍しそうに見るだけだ。まるで珍獣かのような扱いだ。たまに話しかけられるかと思えば、アメリカ人ですかと聞いてくる。白人を見たらアメリカ人だと思っているのだ。あんながさつな人間と間違われたというだけで腹が立ってくる。
 父親も気に入らない。好き好んでこんな国の人間と取引しているのが信じられない。さらに取引を大きくしようなんて正気の沙汰とは思えない。他にいくらでも国があるではないか。日本と取引するぐらいなら、成長しているインドと取引すれば良いのだ。
 また、護衛の男も気に入らない。四六時中自分に張り付いて見張っている。何も自由にすることができない。うんざりしてしまう。今もカウンターの端に座っている。ノン・アルコールの何かを飲んでいるのだろう。仕事とはいえ何が楽しいのか分からない。
 極めつけは自分の名前だ。父親が聖書の中から日本風の名前を付けた。名前を聞くとたいていの日本人はハーフですかと聞いてくる。聖書も読んでいない人間に、日本人の血が入っていると思われたかと考えると、怒りで爆発しそうになる。それにナオミはユダヤ系に多い名前だし、聖書の中ではそれほど幸せになっていないのだ。
 何もかも気に入らないことばかりだった。気を紛らわせるために、最近お酒の量が増えてきている。
 ナオミは二杯目のカクテルの残りをあおると、三杯目を注文した。
 その時、一脚離れた所に座っていたアジア系の女性から話しかけられた。
「あの、イギリスの方ですか」
 日本に来てから、イギリス人かと聞かれたのは初めてだった。しかも英語だ。
 いつもなら一人飲んでいる時に話しかけられても無視するか、断るのだが、興味が出て声のほうを向いた。
 あまり日本人らしくない二人連れだった。二人とも顔がそっくりなので双子かもしれない。
「そうですが」
 ナオミは、失礼にならない程度に、愛想無く答えた。
「やっぱりそうですか、会話をお聞きして、イギリスの人かなと思って。私達、祖父がイギリス人なので、イギリスの人を見るとお話したくなるんです。お話させてもらって良いですか」
 祖父がイギリス人ということはクォーターか。発音も訛りはあるが、イギリス風に近い。少し興味が湧いてくる。双子と話したことも無い。
「はい、少しなら」
 ナオミが答えると、双子はナオミの両側に移ってきた。そして次々に話しかけてくる。
「イギリスのどちらからですか」
「日本へはどういったご用件で」
「祖父はバーミンガムの出身で一度行ってみたいと思ってるんです」
 年齢も同じぐらいだし、女同士ということもあり、つい安心して話に入り込んでいく。
 この双子は言葉遣いは丁寧だし、頭も悪くないみたいだ。暇つぶしにはちょうど良い。
 ナオミは勧められるままに酒を飲み、しゃべった。

 カウンターに一人で座っていた真理は携帯を持ち、一旦バーの外に出た。しばらく話をする振りをした後に席に戻る。
 その時に、つまづいてナオミの護衛の男に寄りかかる。
 男はちょうどグラスを手に持っていたので、中身がこぼれ男の服に掛かってしまう。
「まあ、すみません」
 真理は慌ててバッグからハンカチを取り出し、男の服を拭いた。
 真理は胸もとの大きく開いたカクテルドレス風の服を着ていたので、巨乳の一部が嫌でも男の目の中に入る。さらに真理の体から香水と体臭の混ざった甘い香りが立ち昇り、男の鼻をくすぐる。
 最初から真理を見ていたものが居れば、わざとらしさに不自然さを感じたろうが、幸いなことにバーテンダー以外誰も見ていなかった。
 男が一向に酒を飲まないので、真理がアドリブできっかけを作ったのだ。男がバーで何を飲むかまで、確認していなかったミスだ。
 最初の予定では約束をすっぽかされた真理が酔った男を誘う予定だった。多少不自然なのは仕方が無い。
「お詫びに一杯いかがですか」
 その時、ナオミが言った。
「私達は部屋に行って飲みなおすから、あなたはここで飲んでて良いわよ。今日はもう外出しないわ」
 ナオミは真理の声がしてから、男とのやり取り見ていた。たまには男にも余禄をやらないといけない。
 愛と優の三人でもっと飲みたいという、おねだり作戦も効いていた。

 ナオミと双子の三人がバーを出て行く。途中、愛は武志に連れ出し成功の合図を送る。
 カウンターには男と真理が残った。ここからは、真理がどれだけ男を引きとめられるかが問題だ。ナオミと男は隣同士の部屋だ。安全のためには、長時間足止めをしておきたい。現在の時間は十時少し前、せめてここが締まる十二時までは押さえておきたい。
 男は身長が180cmくらいあり、武志よりも大きく、力が強そうだ。護衛なのだから、格闘技も使えるだろう。となると武志達ではかなわない。スタンガンや睡眠薬は用意しているが、できる限り使いたくない。それで真理が酒に酔わせるという作戦だ。
「約束してたのに、すっぽかされちゃいました。一人同士、一緒に飲みませんか」
 男は真理の申し出を喜んで受け入れた。ナオミと日本に来て以来、酒と女から遠ざかっている。給料が良いから我慢しているが、我慢も限界に近づいている。雇い主の許可が出たのだ。遠慮する理由が無い。
 日本の女は白人の男を見ると、すぐについてくるらしいぜ。男は友人達の話を思い出した。溜まっているだけに、股間が熱くなってくる。この女は小柄なのに、胸がでかい。酔わせてやってやる。男は俄然やる気になった。
 真理は武志に足止め開始の合図を送った。

 ナオミの部屋は武志達が待機していた部屋の数倍の広さがある。ダブルベッドやテーブルの他に、ソファーセットもある。高い階なので見晴らしも良い。東京の夜景が眼前に広がっている。
 部屋の中はノートパソコンが一台と、本や雑誌が多数置かれていた。
 双子はナオミをソファーに座らせた。ここまで褒めまくり、おだてあげたので、かなりの機嫌だ。それから、愛は電話でお酒やおつまみを頼み、優はナオミに水を差し出したりかいがいしく世話をする。
 ナオミは久しぶりに本国に居るときの優雅な生活を思い出す。酔いも手伝い、たまには東洋人と戯れるのも良いかなと思う。双子の相手をするのは初めてだし、少しでもイギリスの血が入っているなら、そこいらの日本人よりマシである。イギリス人としての誇りを教えてやろう。
 さらに飲み、酒が回った所で、愛と優はナオミの横にくっついて座り、体を撫で始めた。
 酔っているナオミには、とても心地良く感じる。
 ナオミは夢の中のような気持ち良さを感じる。二人が耳元でささやくままに体を動かし、気が付かないうちに全裸にされてしまっていた。
 愛と優の二人も全裸になり、裸をぴったりと寄り添わせている。
 肌と肌の触れ合いが気持ち良い。ナオミはさらに意識が混沌としてきた。
「さあ、ベッドに行きましょう」
 ナオミは抱えられてベッドに移動した。ベッドは三人が乗っても十分大きさだった。ナオミは真ん中に寝かされ、両脇に愛と優が従う。ベッドの冷たさと双子の体の温かさがナオミに不思議な感覚を与える。
 二人は手の甲から始まり、全身へ口を這わせていく。女性同士ならではの巧妙な愛撫だ。双子ならではの息が合った技でもある。強すぎず、弱すぎず、ナオミの夢の中にいるような心地良さをキープしながら、だんだんと性感を盛り上げていく。
(気持ち良い……)
 こんなに気持ち良いのは久しぶりだった。最高級のエステを受けているようなとろける感覚だ。いつまでもこの時間が続いて欲しい。そんな感じだった。
 ナオミの体から力が抜けていった。
 愛と優は慎重に乳房にも手を這わせる。
 最初は軽く撫でるだけから始まり、心地良さを快感へと変えていく。焦らず、時間をかけて、少しずつ少しずつ性感を高めていく。強すぎる刺激にナオミが正気に戻って、抵抗されたら台無しになる。気が付けばナオミが快感にどっぷりと浸かっている状態へもっていくのだ。
 ナオミの反応を見ながら、少し上げては、少し落とす。そうしてナオミを夢の中を漂わせながら、体の中の火を大きくしていく。
 太ももから内股の感じるポイントをやさしく刺激する。双子の長年の経験に基づいた巧みな技だ。
 乳首を口に含み、舌で転がしながら乳房をゆったりとしたペースでほぐす。
「ああぁ……」
 ナオミから声が出始めた。
 それでも二人は焦らず、秘肉が自然とほころび、愛液が流れ出るまで、愛撫を続ける。ナオミが今まで受けたことが無い様な、しつこいまで丁寧な愛撫だ。
 ナオミの脚が開き、腰がうねり始める。
 焦らしすぎてもいけない。微妙なさじ加減が必要だ。二人は秘肉にも指を伸ばした。急がず、ゆっくりとほぐしていく。秘肉からは愛液が溢れ、二人の指を濡らす。
 二人はゆっくりと交互にナオミの中へ指を沈めていった。
「あはぁー……」
 ナオミから満足げな声が漏れる。

 ナオミの心地良さが快感へと置き代わり、完全に体へ火が付いたところで、二人は次の段階へ進んだ。
「ナオミさん、実は紹介したい人が居るんです」
 愛が指を止めることなくナオミに話しかける。
「なーにー、もう、もう……」
 とろけきっているナオミの思考力はあまり残っていない。もう体が疼き始め、このまま最後までいってしまいたい状態だ。
「私達のパートナーなんですけど、ナオミさんとせっかく仲良くなれたから紹介したいなと思って」
「ダメ、ダメよ。そんなのダメー……。他の人はダメー……」
「すっごくセックスが上手いんですよ。きっとナオミさんも気に入ります」
「ダメー、呼んじゃダメよー……」
 ナオミは話の途中で優に口を塞がれ、秘肉をかき回され、抵抗をふさがれる。
「んんぅ、んふぅー……」
 ナオミは抵抗のそぶりを見せるが、弱く、優の動きを止められない。
 その間に、愛は武志に内線電話を掛ける。内線で電話を掛けるのが合流の合図だ。
「XXXX号室よ。来て」
 もちろん武志は部屋番号を知っているが、念のため、知らない振りをする。
 武志を待つ間にも二人掛りでの責めは続く。二本の指が秘肉の中を自由に動き回る。同じ所を競い合うようにこすりあったり、お腹側、背中側と分担してこすったりする。さらに両乳首を咥えられ、乳房をこってりと揉みこまれる。
「あぁー、すごい、おかしくなりそう。こんなの初めて。もっと、もっとこすってー……」
 ナオミはかなり混乱してきている。
 その時、チャイムが鳴った。愛がドアを開けに行く。
 入ってきた男の姿を見て、ナオミは急に我に返り、叫んだ。
「男じゃない。出てけー、出てけー」
 ナオミが下品な言葉を武志に投げつける。この二人のパートナーだから、てっきり女性だと思い込んでいた。この二人はレズビアンだと思っていたのに、自分と同じバイ・セクシュアルだったのだ。
 その口を優が塞いで、静かにさせる。騒がれて廊下に声でも漏れたら大変なことになる。
「静かにしてくださいね。紹介します。武志です」
「よろしく」
 ナオミが再び暴れるが、優に秘肉を抉られ、乳首を強めに摘まれると、すぐに大人しくなる。
 武志はすぐさま全裸になりナオミへ裸を見せ付ける。ナオミは驚きと恐怖で目を見開いている。
(犯される。今から、この男に犯されるのね)
 部屋に知らない人間を招きいれた自分が迂闊だった。日本は治安が良いと聞いていて、女性同士だからと信用してしまった。今更後悔しても遅かった。
「大丈夫ですよ。お願いされるまでは、無理には入れませんから」
 武志は安心させるために言った。そんな言葉くらいではナオミの恐怖は収まらない。
「さあ、武志のテクニックを楽しんで」
 愛も声を掛ける。
 武志はナオミの両脚の間で腹ばいになった。そして、濡れそぼっている秘肉へ口を付ける。
 最初が肝心と全開で気を送り込む。
「んんーっ」
 股間に武志の唇を感じてナオミが唸る。
 双子により火をつけられた体は敏感に反応してしまう。
 黄色人種に舐められているのに、じんわりと快感が広がってくる。ありえないことだ。ナオミは困惑してしまう。
 武志は一心不乱にナオミの股間を舐めしゃぶった。愛と優の指戯で汚れている股間を舌できれいにしていく。
 今回の目的はナオミを感じさせるだけでは終わらない。彼女に日本のファンになってもらわないといけない。そのためにはセックスを通して日本の良さを伝えなければならない。丁寧さ、繊細さ、技術の高さ、それを知ってもらわないといけない。
 武志は初心に返るつもりで、根気良く舌で気を塗り込んでいく。襞の一枚々々をなぞり、汚れをこそぎ取り飲み込んでいく。
 ナオミの秘肉は濃い獣の匂いを撒き散らしているが、武志は嫌がることなく、舌での奉仕を続ける。
 外側の掃除が終わると、秘肉の中に舌を捻じ込んで汁を掻き出しては飲み込む。白く濁った本気汁は時間が経つにつれ、より濃くなり量を増していく。
 武志は気が染み込んでいくのを確信した。

 ナオミはとまどっていた。
 おかしい。黄色に舐められて感じてしまうなんて、自分が信じられない。体の奥から愛液が溢れ出し、流れ出していくのが感じ取れる。体中が熱くなり、子宮がズキズキと疼き始め、どんどんと大きくなっていく。
 感じてはいけないと思っているのに、快感に気を奪われると、いつの間にか腰を持ち上げ、男の顔に股間を押し付けている。はっと気が付き、腰を降ろす。そんな事を何度も繰り返している。
 これは、双子に責められているせいだ。日本人の男のせい何かではない。
 ナオミは自分で自分に言い訳した。

 武志は秘肉を離れ太ももへと移った。手、唇、舌をフルに使い、感じるポイントを探していく。
 太ももの内側、表側、外側と丹念に気を染み込ませる。左の太ももが終わると右の太ももへと移る。真理が時間を稼いでくれることを信じ、時間をかけてじっくりとナオミの性感を高めていく。男が部屋へ戻るときには携帯が鳴る手はずになっている。その時まで焦らずじっくりと責める。
 愛と優も武志をサポートしてナオミの上半身を責めている。耳、首筋、肩、脇の下、二の腕、乳房、乳首と快感を掘り返す。口はナオミの声を聞くために塞がない。
 武志は太ももから、膝、脛へと降りていく。無駄毛が一本も無い、すべすべした脚だ。痩せ気味で筋張っているが、それなりに美しい。
 最後に、足の指に到着する。指を一本ずつ咥え、舌でやさしく転がす。足の爪まできれいに手入れをされ、ペディキュアが塗られているのは、さすがに上流階級の女性と感心する。
 全ての指をしゃぶり終わると、今度は上へ向けて登っていく。下がるときに見つけたポイントを重点的に責めながら、落ち着いて焦らず昇っていく。
 ナオミの体は少しずつ赤みを増し、体温が上がってきている。
 股間近くの皮膚の柔らかい所に舌が触れると、ナオミは体をくねらせ逃げようとする。
 武志は押さえつけたりせずに、舌でゆっくりと追いかける。
 再び舌が秘肉に触れたとき、ナオミからかすかな声が漏れた。
「あっ……」
 とても小さな声だったが、ナオミの反応に全神経を集中している武志には大きく響いた。
 武志は最後まで取っておいたクリトリスへ向かった。包皮の上から優しく、優しく舌で撫でる。
「あん……」
 再び声が漏れる。さっきよりはっきりと聞こえる。
 武志は舌先から全力で気を流し込みながら、どんどんクリをほじくり返す。
「ああぁ……」
 一度崩れた堤防は元に戻ることなく、ナオミは快楽へとはまりこんでいく。
 ナオミの反応が大きくなるのに合わせて、武志はクリへの刺激を強くしていく。包皮を剥き、クリを出すと舌先で弾いていく。
「あんぅー……」
 ナオミは腰を持ち上げ、武志の顔に押し付ける。もう腰は持ち上がりっぱなしで、下がろうとはしない。
 もう下半身には十分に気が染み込み、火がついている。武志はそう判断して、上半身へと移動していく。
 愛と優は武志に場所を譲り、脇の下から二の腕へ舌を移動させ、片手でナオミの手を握り、片手で脇腹を撫でる。ナオミの足には双子の足が絡みついている。ナオミは両手両脚を押さえられ、身動きできない。
 武志はおへそを通り、乳房のふもとへ到着した。
 ナオミはかなり痩せている。ウエストは細く、あばら骨が浮いている。それでも胸は並みの日本人より大きい。元々胸は大きいほうなのだろう。もっと肉を付けたほうが魅力的なのにと武志は思う。おそらく上流階級の女性は痩せていないといけないのだろう。
 武志は乳房もじっくりと責めた。乳首には触れないように気を付けながら、何度もふもとから乳輪までを舐め昇る。そして片手を秘肉へ伸ばした。
 そこはドロドロに溶け、お尻のほうまで汁を滴らせている。
 武志はゆっくりと中指を沈めていった。少し緩い感じだが、こなれていて、指にねっとりと絡み付いてくる。
 奥は深めだが、武志の肉棒で十分届きそうだ。
 武志は指の腹でナオミの弱点を探りながら、ゆっくりと出し入れする。
「はあぁー……、あ、ああぁー……」
 ナオミの喘ぎ声がどんどん大きく、深くなってきている。もう少しだと武志は思った。

 ナオミは何が起きているのか理解できなかった。
 もう全身が熱く、体中が疼いている。男に脚を舐められているときは、まだ自分を抑えられていた。それが再び男が登って来た時から、疼きは止まることなく成長して、いまでは押さえきれないものになっている。
 三人掛りで責められるのも初めてだし、これほど体が熱くなり、疼くのも初めてだった。
 体はペニスを求めている。だが、この男はいつまでたっても挿入しようとしない。こんなに長く愛撫されるのも初めてだ。女同士のときでも、これほど長い愛撫はしない。これが日本人のセックスなのか、それともこの男が特別なのか。
 もう満足に考えることもできなくなってきた。頭の中にもやがかかった様になり、快感を求めることでいっぱいになっている。
 さらに、今度は胸まで疼き始めている。胸がどんどん熱くなってくる。快感ではちきれそうになってくる。
 自分は堕とされてしまうかもしれない。いや、日本人なんかに犯されるのは絶対ダメだ。自分の高貴な血を汚す訳にはいかない。しかも、感じてしまうなんて自分のプライドが許さない。ナオミの頭の中で二つの考えが入り混じり、考えがまとまらない。パニックになりそうだった。

 ナオミの全身がほのかに赤くなり、乳房も張り詰めている。これで準備はできた。あとは目一杯感じてもらうだけだ。これだけ時間をかけて女性を愛撫したのは数ヶ月ぶりだった。自分のセックスのやり方は十分分かってもらえたと思う。
 武志は愛と優へ離れるように目で合図を送った。
 一回だけ深呼吸して、気を整える。これからは一気に行くつもりだ。
 ナオミは肩で大きく息をしている。
 武志は片方の乳首を口に含み、もう片方を指でつまんだ。片手の中指で秘肉の中の弱点を押さえ、親指をクリトリスへ当てた。そして、一気に四か所から気を流し込んだ。
「おおおおぉー……」
 ナオミの体が大きく跳ね、叫び声が上がる。
 体の何ヵ所もから今まで味わったことの無い、鋭くて強い快感が襲っていた。背中を通り頭に突き刺さる。声を出さずに入られなかった。まるで神経に直接触られたような感じだ。
 頭の中は真っ白で、快感で染め上げられている。
 さらに、武志の顔が近づいてくる。もうどうして良いか分からない。
 キスしたい。もう誰でもいいからキスしたい。思い切り舌を絡み合わせたい。
 辛い。辛すぎる。でも、我慢しなきゃダメ。自分から男を求めるなんて絶対にダメ。ナオミの最後のプライドが邪魔をしていた。
 ナオミは歯を食いしばり、快感に耐えた。
 これほどまでナオミががんばるとは武志は予想をしていなかった。素人の女性でこれほど意思が強い女性は初めてだった。
 武志は最後の抵抗を打ち破るために、まだ手を付けていない最後の場所に指を伸ばした。そこは、愛液が滴り、ほとびていた。
 薬指をナオミのアヌスにぬぷりと突き刺した。そして、そのまま気を流す。
「ぅああああぁー……」
 ナオミの体が一際跳ねた。武志の首に腕を巻き付け、しがみ付いて刺激に耐える。そのまま武志の顔を引き寄せると思い切り吸いついた。
 武志も舌を限界まで差込み、ナオミに吸わせてやる。
 ナオミは夢中で武志の舌に吸いつき、快感に打ち震えた。今まで我慢していた分、たがが外れると快感は凄まじい勢いで襲ってきた。
(凄い、凄い、凄い、すごいわこの男。欲しい、この男が欲しい)
 頭の中まで快感で犯され、唇まで許してしまい、ナオミを律するものは何も無くなった。
「来てー、早く、早く、来てー、お願いー」
 武志は躊躇することなく、ナオミの中へ入っていった。
 ぬぬぬぬっと押し入り、一番奥を亀頭で押し上げた。
「んんんんっー……」
 ナオミは生涯最高とも思える快感の中で絶頂に達した。脳を鷲掴みにされたような刺激の強さだ。全身が麻痺してしまう。セックスがこれほど気持ち良いとは。人生観が変わってしまうくらいの快感だ。
 武志は上半身をナオミに密着させ、激しく舌を絡める。両腕はきつくナオミを抱きしめている。そして下半身だけを動かし、ナオミの秘肉を抉った。
 ナオミの中は指を入れたとき感じたように、こなれていて、ねっとりと絡み付いてくる。イッているせいか、軽くきゅんきゅんと締め付けてくる。隊員ほどではないが、十分に気持ち良い秘肉だ。
 武志は気を流すのを止める。もう限界まで焦らされた体に気は必要ない。これ以上気を流すと、自分から離れられなくなるかもしれない。後は時間をかけて肉棒のみでイカせ続ければ良い。
 武志は肉棒で秘肉を削り、子宮口を突き上げ、ナオミをイカせ続けた。
(硬い。イギリスの男とは全く違う。鉄のように硬い。そいて熱い)
 ナオミは自分の中に埋め込まれたペニスを秘肉で感じ取る。これほどまで熱くて、硬いペニスは初めてだった。日本人のペニスが硬いという話は本当だった。秘肉を削られ、形を変えられてしまうような感覚だ。それに内臓が口から出そうなほど子宮を突き上げられている。
 ナオミは両腕で武志を力一杯抱きしめ、快感の波に耐える。すると武志も力強く抱きしめてくれる。少し息苦しいが、それがうれしく感じてしまう。求められている。もっと求めて欲しい。もっと突き上げて欲しい。ナオミは女の本能で、そう感じた。

 ナオミはタフだ。何回イッてもきりが無い。どうやって決着を付けようか。武志は迷った。
 もう、かなりの時間イキ続けているのに、バテる気配が無い。いつまでも貪欲に求め続けてくる。
 気を使うか、二穴をするか。ペニスバンド他必要な物は、この部屋に来る時へ持ってきている。それとも愛と優に参加してもらうか。どうすれば、ナオミにとって一番良いのだろう。武志は色々考えた末に決心した。
 やはり、テクニックだけでイッてもらうのが一番良い。他の方法は日本人じゃなくても、武志じゃなくてもできる。あくまでも日本人の良さを知ってもらおう。
 武志は腰の動きを変えた。
 膣壁のお腹側でナオミが一番感じるポイントを集中的にこする。また、根元まで肉棒を埋めてから、腰を大きくグラインドさせ、子宮口をこねる。そうやってナオミの絶頂をより深いものにしていく。
 自分の胸板でナオミの乳房を押し潰す。両手はナオミを抱きしめながらも、感じるポイントに這わせる。
「ふんんんぅー……」
 ナオミは口の端から涎を垂らしながら、必死に武志にしがみ付いている。もう意識もはっきりしないのかもしれない。本能だけでひたすら耐えているのか。それでも、まだ、がんばっている。
 もう射精するしかない。このままイカせ続ければ、いつかナオミの体力も尽きて気を失うだろう。それはテクニックとはいえない。
 射精してもダメなら、あきらめて気を使おう。武志は決めた。
 武志は射精を抑えるのをやめ、自分の性感も高めていく。白人女性に射精するのは夏以来だ。自分ではコンプレックスは無いと思っているが、この女性を今から自分の精液で汚すと思うと興奮してしまう。
「いくよ。一緒にいこう」
 武志はナオミに声をかける。ナオミはもう声も出せなかったが、さらに強く抱きつくことで返事をする。
 武志は股間がむずむずして精液が込みあがってくるのを感じた。もうすぐだ。
 亀頭がぶわーっと大きく膨らむ。
「いくよーっ……」
 ナオミが両脚を武志の腰に回して、がっちりと抱え込む。二人の体が寸分の隙間も無いほど密着する。
 肉棒を根元まで埋め込み、ナオミの一番深いところをガンガンと突き上げる。
「うおおおおぉー……」
 武志は吼えると同時に射精の引き金を引いた。
 ぶぶぶぶりゅー、ぶりりゅー……、びゅるるるー……。
 武志は肉棒を限界まで押し込み、白濁液を撒き散らす。
「ああああぁー……」
 ナオミは廊下にまで響くような大きな声で叫ぶ。どこにそんな力が残っていたのかと思うような強い力で武志の体にしがみつく。秘肉は今日一番の力で肉棒を締め上げる。
「おおおぉー……、んんんんぅー……」
 武志はさらに吼えながら、最後の一滴まで、ナオミの奥底へ吐き出す。
(あぁ、出てる)
 ナオミは体の奥に熱いものが吹きかけられ、広がっていくのを感じた。精液の熱が体へ広がっていく。
 満たされた気分だった。もう相手が日本人だなど考えていなかった。ナオミは幸せな気分に包まれながら。意識が薄れていった。
 そして武志とナオミの二人はぐったりとしたまま抱き合った。ついにナオミの全身から力が抜けていた。

 武志は終わった後も抱き合ったままで、肉棒も入れたままだった。
 武志が優しくキスをすると、ナオミはかすかに反応する。薄目を開いているが意識があるのかどうかはっきりしない。
 武志に一瞬、お掃除フェラをさせる考えが浮かんだが、思いとどまる。彼女は今日、十分に考え方を変えただろう。これ以上やって、彼女の自尊心まで傷つけてはいけない。
 武志はずっとナオミを抱きしめていた。

 ナオミが疲れ果てて眠ってしまってから、武志は体を離した。
「あんな丁寧な愛撫、私達にもしてくれたこと無いじゃない」
 愛が少しむくれながら、武志の肉棒を清める。
「任務は成功なんだから良かったじゃない」
 優がナオミの体を拭いてやりながら答える。
 訓練と本番は違うでしょうと言いたかったが、武志は黙っていた。
 三人でナオミをベッドに寝かせ、部屋を片付けてから、急いで最初の待機していた部屋へ戻る。
 真理が心配だ。護衛の男と二人になってから連絡が無い。
 中に入ると、そこには完全に酔いつぶれた真理が居た。ベッドに寄りかかり、床にへたり込んでいる。
「はーんちょー……」
 真理が武志の姿に気付く。
 完全に泥酔状態で要を得ないが何とか話を聞きだす。どうやら、バーが閉まるまで飲み比べをして、決着が付かなかったので二軒目に行って、なんとか男を酔い潰したらしい。
 部屋中がお酒臭い。一体どの位飲んだのだろう。聞くのが恐ろしい。
 でも真理も無事でよかった。武志はほっとする。いざという場合、真理は男と寝ることになっていた。仕事だと分かっていても、武志としてはいい気持ちはしない。それに最悪、病気感染の恐れもある。
 この様子では何も無かったのだろう。武志は起きるまで寝かせておいてやろうと、真理をベッドへ運んだ。

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