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一条流の戦い:第24章

 対戦三日目最終日の朝、会議室に全員が揃うとジョージが長々と話をする。
 武志は知香を突付いて何を言っているのか教えてもらう。
「要するに最終日だからがんばれって事よ」
 知香の訳は要約しすぎる。
 各メンバーとも問題点、要望は特に無いので今日のスケジュールを確認してミーティングは終了する。
 午前中は昨日と同じ部屋を使い、武志、知香、アンナで3P。昼食後別の部屋へ移動。今までの部屋はベッドが一つしかない為だ。午後は武志と知香、アレックスとアンナのペアがそれぞれ同じ部屋で見せ合いながらセックスをする。
 解散後、武志、知香、アンナの順に時間を空けて会議室を出て目的の部屋に集まった。

 武志と知香の間で作戦は決めてあった。作戦という程の物ではないが、武志がアンナを責める。知香がそれをサポートする。単純だが、他にやりようが無い。ここで知香を責めてもあまり意味が無い。
 今回の出張の目的の一つは日本側のレベルの高さをアメリカ側に知ってもらう事だ。アンナにはたっぷりと武志の技を味わってもらわないといけない。
 アンナが来たので、武志は女性二人を並べて立たせ、アンナ、知香の順で服を脱がしていく。
 武志は二人の裸を同時に見る事ができて言葉に表せないほどの幸せを感じる。日米トップクラスの裸を並べて見ることができる男は、世界中を探してもそれほどいないだろう。
 スタイルの派手さでは、さすがにアンナの方がすばらしい。胸とお尻の大きさ、脚の長さは知香でもかなわない。だが、体が引き締まっている点では知香の方が勝っている。それに肌触りでも滑らかさで知香が勝っている。好みの問題も有るが、武志は知香の裸の方が好きだった。
 知香が毎日食べるお米のご飯だとすると、アンナはたまに食べると美味しいピザみたいな物だ。
 二人の裸に見とれていると、アンナが待ちきれずに武志の服を脱がせに掛かり、知香も手伝う。
 アンナは武志の服を脱がしながら早くも興奮してきた。
 実は昨日の午後の壮絶な絶頂の事を細かく覚えていなかった。途中までははっきり記憶があるが、アヌスに入れられた辺りから記憶がはっきりしない。ただ凄まじい人生最大の快感だけは、はっきりと覚えていた。大声で泣き叫びながら激しく絶頂した記憶がある。
 細かい部分はあまりに強い刺激の為に脳が処理できなかったのかもしれない。
 武志一人に責められただけで、あれほどの快感を受けたのだ。それに知香が加わるとどうなるのだろう。アンナの頭の中では恐怖と期待がせめぎあっている。昨日以上の快感を与えられるのだろうか。それに自分は耐えられるのだろうか。
 本来の任務である、武志の技の秘密を探る事など、どうでも良くなっていた。どうせ、あっという間に快楽に引きずり込まれて抗えなくなるのだ。マリアも同じ様な状況なのだから、自分の能力の問題ではないとジョージも理解しているはずだ。
 アンナは武志を裸にすると、我慢できずに肉棒にむしゃぶりついた。男の肉棒が美味しいと感じたのは武志が初めてだった。大きさだけは不満だが、味も硬さも匂いも文句無い。口が疲れるまでしゃぶり続けたくなる。
 武志が立ったままで、アンナは膝立ちだったので、角度が悪くて喉の奥まで飲み込めない。
 アンナは武志をベッドに端に座らせ、再度肉棒に襲い掛かった。
 今度は喉の奥まで飲み込める。鼻が陰毛の中に埋まるまで、喉の奥に飲み込む。喉の奥も動かして肉棒全体を刺激する。口の中いっぱいに武志が広がると満足感を覚える。
 時折顔を上げ武志を見ると、満足そうな顔で見つめ返してくれる。アンナはうれしくなり、さらに熱心にフェラに没頭する。
 武志はアンナのフェラに満足していた。最初の時と比べると、たった一日で一段レベルが上がった気がする。やはり気持ちの入り方が違うのだろうか。激しさは変わらないが、その中に一味違う何かがある。
 アンナがいつまでたってもフェラを止めないので、知香は仕方なくアンナの後ろに回り胸を揉み始める。
 知香は昨日のプレイでアンナの感じる所は調べ尽くしていた。うなじにキスをしながら舌を這わせ、片手を秘肉へと伸ばす。
「オォーン……、ゥーフゥ……」
 アンナはフェラをしながらうめき声を上げる。
 武志も手を伸ばし、耳や首筋などを優しく撫でてやる。
 知香の女同士ならではの繊細でツボを押さえた愛撫で秘肉からは早くもピチャピチャと音が聞こえてくる。
 武志はフェラを十分堪能し、アンナが感じ始めてきたので、口から肉棒を抜いた。
 アンナの手を取り、ベッドの上に寝かせる。そしてその上に覆いかぶさりキスをした。
 武志が舌を入れるよりも早く、アンナの舌が武志の口の中へ進入し焦るように這い回る。
 武志も気を流しながらアンナの舌に答える。同時に胸へ片手を伸ばし乳房を優しく揉みあげる。
 知香はアンナの下半身へ陣取り、秘肉の中に指を沈める。太ももの付け根へ舌を伸ばし、アンナの感じるポイントを的確に責めていく。
「ンフ、ンフ、ンフン、ンフ……」
 アンナは口を塞がれながらも、喉の奥でこもった声を出し、体をくねらせ快感を表現する。
 ベッドへ上がって数分しか立たないのに、アンナの頭の中は快感が渦を巻き、思考力が落ちていった。武志と回を重ねるごとに体が感じやすく変わっていく気がしていた。他の男とセックスできなくなるのではないかと心配になるほどだ。
 武志は片手で左右の胸を交互に揉み、乳房全体がピンク色になり熱を持ってくるまで責める。
 乳首が完全に立ち上がり硬くなってきた所で、武志はキスを解き、乳首を咥えた。
「オオォー……」
 自由に叫べるようになったアンナは一際大きな声をあげた。
 武志は舌で乳首を転がしながら、もう片方の乳首を摘み、捻る。そして時に甘噛みする。アンナの感じるポイントを這い回る。舌先、指先からは十分に気を流している。
 知香も武志の攻撃が強くなるのにあわせて、指を一本から二本に増やして、秘肉を抉ってやる。さらにクリトリスに舌を伸ばした。いきなり吸い付くのではなく、やさしくチロチロと軽く舌先で撫でる。
「アアアアーーァ。XXX……、イヤァー……」
 アンナは日本人二人の繊細な責めに体が浮かぶような幸せを感じていた。これほど丁寧に愛撫された事が今まであっただろうか。自国の人間は自分が楽しむ為の愛撫しかしてこない。良くて濡れてくるまでしか愛してこない。
 それと比べて、この二人の日本人は心を読んでいるかのように、感じるポイントを絶妙のタッチで気持ち良くしてくれる。
 アンナはもう体が自分の物ではなくなる感覚に浸っている。何も考えられなくなってきた。
 ここで武志と知香は上半身と下半身を入れ替わった。
 知香は胸を優しく揉みながら、首筋から肩、腕へと舌を這わす。武志が燃え上がらせた体へさらに燃料を注いでいく。
 武志は秘肉に指を入れ、クリトリスに親指を当て、二点責めを始める。始めは気を抑え目に流す。舌で太ももを舐め、気を刷り込んでいく。
 今日の目標は昨日以上の快感をアンナに与える事である。そこで武志が考えた手は、まず体全体を十分に燃え上がらせる。そしてイカせないようにしながら限界まで焦らす。最後は一転して責めまくる。
 武志のイメージではアメリカ人は焦らす事をあまりしない。それが事実なら、焦らし作戦がかなり効くのではないかと考えた。この、責める方は楽しく、責められる方は快感が大きく増すやり方をやらないとは、もったいない話だ。
「アゥゥゥーー……」
 武志はアンナの快感が急激に上がりすぎないように気を付けながら、少しずつ気の量を増やしていく。知香は何も言われなくても武志に合わせて、乳房を揉む力を加減している。
「XXX、XXX、XXX」
 アンナが何か言っているが、はっきりしないしゃべり方で武志には聞き取れない。
「もっと強くだって」
 知香が気を利かして武志に教える。
 武志は親指、中指に加えて、薬指をアヌスに突き刺した。蕾は秘肉からの愛液で十分以上に濡れ、武志の指を簡単に飲み込んでいく。
「オオオオォー、XXX、XXX」
 アンナはだいぶん効いている様だ。
 この三点責めは指が不自然な角度になるので、けっこう辛い。指がつりそうになる度に手を入れ替えて責め続ける。その間も舌は太もも、鼠径部を這い回り気を流し続ける。
 アンナのもだえ方がだんだん大きくなってきた。腰は完全に浮き上がり、脚を激しくくねらせている。胸を突き出し、少しでも快感を大きくしようとしている。
「アアアアァー、XXXX、XXXー、XXXーー……」
 アンナの声が叫びに近くなってきた。おそらくアンナはもっと強くと言っているのだろう。武志はアンナが達してしまわないように細心の注意を払いながら気の量を増やして、指の動きを激しくしていく。クリ、膣壁、腸壁を磨り潰してやる。
 知香も手に力をいれアンナの乳房を握り締めるように揉んでいる。
「アアアアァー、ノォー……、XXXー、XXXーー……」
 アンナは頭を振り乱し、シーツを掴む手にはかなりの力が入っていて、体全体で悶えている。
 もちろん武志は止めたりしないし、イカせたりしない。気の量、指の動きを微調整しながら、アンナを絶頂寸前でコントロールしていく。アンナにはもっともっと感じて欲しい。頑張れば頑張るほど、その後の快感が素晴らしくなる事を知って欲しいと思っていた。
 武志はそうやってアンナを焦らしながら少しずつ、アンナの限界を引き上げていった。
「ンンンンゥー、ンンンンー、ンンー、ンーー……」
 知香はアンナの声がうるさいと思ったのか、キスをして口を塞いでいる。
 アンナは気が狂うと思っていた。このままでは狂ってしまう。先ほどからイカせてもらえないまま、絶頂寸前で止められている。体中で快感が湧き上がり、頭の中まで痺れている。もうイクことしか考えていないのに、イカせてもらえない。イキたくて、イキたくて頭がおかしくなりそうだった。
 それに快感の量が半端ではなかった。今までの自分なら既に何度も絶頂に達しているくらいの快感を受けている。それなのに、まだイカないで頑張れている。自分でも分からなかった。
 タケシは相手の絶頂までコントロールできるのか。相手の体を勝手に変えることができるのかもしれない。
 アンナはただひたすらイカせてもらえる事を望みながら悶え続けるしかなかった。
 武志はアンナのもだえ方、うめき声のあげ方から見て限界近いと判断した。体力もかなり磨り減っているだろう。もだえ方は小さくなり体の動きは小さくなり、うめき声も小さくなってきている。
 武志は止めを刺すために、アヌスから指を抜いた。自分の肉棒とアンナのアヌスへローションをたっぷりまぶす。そして十分にほぐれきっているアヌスへ肉棒を押し当てた。
「ンンンンーー!!」
 そのとたんに、アンナのうめき声が大きくなる。体を一瞬硬直させ力が入る。どこにそんな体力が残っていたのかと思わせる大きな反応をする。
(ダメ、今お尻に入れられたら完全におかしくなる)
 アンナは本能的に恐怖を感じて、アヌスを締め進入を防ごうとする。
 だがアンナが息を吐いた瞬間、待ち構えていた武志が肉棒の先端を潜り込ませた。そして、カリの周りから気を出し肛門を焼き始める。
「ンンンー、ンンンーー……」
(ダメー、おかしくなるー)
 アンナは体をくねらせ抵抗するが、武志の肉棒は外れない。そのままアヌスを責め続ける。
(焼けるー、お尻が焼けるー、熱いー、壊れるー)
 武志はアンナをひとしきり暴れさせた後、ずぶずぶと肉棒を奥にうずめて行く。竿からは気を流し続けている。
(いぃー、死ぬー、死んじゃうー……)
 アンナは快感のあまり死んでしまう恐怖に取り付かれた。
 知香は乳首をグリグリと捻り潰しているし、武志はクリトリスも責め続けている。肉棒はアンナの意思を無視して腸壁を抉り、焼き続けている。
 その時、アンナをさらに大きな快感が襲った。
(そこは、ダメーーー!!!)
 武志が肉棒を根元まで入れ、先端で子宮の裏側を圧迫していた。そして細かく体を振動させ突き上げてくる。
(ダメー、本当にダメー、死ぬー、本当に死んじゃうー、いやぁー……)
 もう抵抗するための力は残っておらず、体中から力が抜け、人形のようになされるがままだった。目は半開きになり、武志が体を動かすのに合わせて頭ががくがくと揺れる。両手はベッドの上にダラリと投げ出されたままになっている。
(もうダメだ。このまま死んじゃう)
 アンナがそう思った時、武志がとどめに気の塊を撃ち放った。
 その瞬間アンナは目の前が真っ白になり、これで死ぬのだと思った。
 アンナの目から光が急速に失われていった。そしてアンナは気を失った。

 アンナが目を覚ました時、武志と知香が心配そうに覗き込んでいた。
 アンナは体が言う事を聞かなかったが、知香に助けられ浴室へ向かい何とかシャワーを浴びる。
 ガウンを着せられ、ソファーに座らされ、冷たい水を飲むと、少しずつ体が動くようになってきた。
 今日は信じられない経験をした。昨日武志にイカされた時、人生最大の快感だと思っていたが、今日はそれを越える快感だった。イク瞬間に自分は本当に死ぬのだと思っていた。それが、生きてソファーに座っている。まだ頭と体は重いが、別に何とも無いようだ。
 アンナは心の底から武志は凄いと思った。

 昼食の時間になり、武志は今日の料理は何かと期待していた。アメリカ名物の料理はたいてい出つくした。今までに出てないアメリカ料理というとバーベキューかミートローフだが昼食として出すのはちょっと難しい。さすがにマイクも手は尽きただろう。
 そして、マイクが持ってきたのはカリフォルニアロールだった。確かにアメリカ料理だが、これを日本人に出すかと武志は思った。ご丁寧に箸とカップに入った味噌汁まで付いている。さすがに味噌汁は赤だしではなかった。
 具にはカニ蒲鉾ではなく本当のカニが使われており本格派だ。武志は初めて食べるが意外と美味しい。アンナも寿司は初めてではないらしく思ったより器用に箸を使って食べている。
 アンナは午前中にあれほど激しく達したのに平気な顔で昼食を食べている。武志はアメリカ人のタフさに驚く。普通の日本人なら疲れて動くのもおっくうになり昼食どころではないだろう。

 昼食後は三人ばらばらで別の部屋に移動する。そこではアレックスが既に待っていた。
 その部屋は今までで一番大きな部屋でキングサイズのベッドが二つ置かれていた。
 四人が揃い一時になった所で午後の部がスタートする。
 武志はこの数日の悔しい思いを晴らす為に全力で知香にぶつかるつもりでいる。これで最後なのだから全ての気を使い果たして知香と最高のセックスをする。そしてアメリカ人に知香の素晴らしさを再認識させる。
 武志は知香をベッドの横に立たせると丁寧に服を脱がせていく。ワンピースと靴を脱がせて下着だけの姿にすると、ベッドに横たえた。そして壊れ物を扱うようにやさしくゆっくりと両手で愛撫していく。
 アメリカに来てから一番丁寧に愛撫をしていく。
 もうアンナ達の事は一切気にならなかった。ただ、知香に最高のセックスを与えたい。そして、それをアメリカ側に見てもらい、日本の、いや、武志のセックスに対する考え方を理解して欲しかった。
 今まで頼子部長やS部隊の人間がセックスを通して武志に色々伝えてきたように、武志はアメリカ側へ伝えたかった。
 だが、その気持ちとは別に、心の片隅にはアメリカ側よりも自分のセックスの方が気持ち良いと思って欲しい独占欲が存在していた。この数日知香を取られていたのを自分に取り戻したい気持ちだった。
 まずは全身に気を染み込ませる。気持ちを込めて、知香の体がピンク色に染まるまで、この大切な体をいつくしむ。
 知香の肌はきめが細かく、さらさらでスベスベしている。とても肌触りが良い。これはアメリカ人より何段もレベルが高い。触っているだけで幸せになれる。時間さえ許せば一日中でも触り続けていたい。
「あ……、……、あ……、……」
 知香がかすかに声をあげる。
 知香が感じてくれると、武志も幸せになれる。この大切な人に気持ち良くなって欲しい。最高の快感を感じて欲しい。そう願いながら武志は黙々と意識を集中させながら愛撫を続ける。
「あー……、あー……、……」
 武志の愛撫が体全体を数周回る頃には、知香の体全体はほんのり色づき、汗でしっとりしてきた。体を微妙にくねらせ、脚を摺り合わせている。そして知香は時折まぶたを開いては武志に視線を送る。
 武志は知香の体全体に気が十分染み込んで、体中に小さい火が付いているのを確認すると、知香に顔を近づけていった。
 いきなり口を吸いあう激しいキスはしない。まずは、唇を軽く触れ合わせて、すぐに離れるキス。それを何度か繰り返し、それから、上唇、下唇と口に含み軽く吸いながら舌先で軽く撫で回す。
 知香は武志の意図が分かっているのか、自分から武志に吸いついたりせず、されるがままになっている。
 武志は知香の唇の柔らかさを堪能してから、ようやく本格的なキスに入った。
 舌を優しく絡めながら、最大量の気を送り、知香の意識を濁らせていく。自分の胸で知香の胸を押し潰し、乳房に痛くて甘い感覚を生じさせる。
 そして片手をクリトリスに伸ばし、これも優しく繊細な力加減で快感を植えつけていく。
「んふぅー、んんー、うふぅー……」
 クリが最大限に勃起するまで、武志は執拗に軽く撫で続ける。
 知香は腰を持ち上げ、さらに強い刺激を求めるが、武志は知香の動きに合わせて手を逃がし、けして強い刺激を与えない。あくまでも、優しい愛撫を続ける。知香の切なさが限界に達するまで焦らし続ける。
「もう我慢できない……、入れて……」
 武志はクリに気を流し込み、知香を悶えさせた後、秘肉に肉棒の先端を当てた。
 知香は待ちきれず、腰を揺らして肉棒をねだる。
 武志はゆっくりと、できるだけゆっくりと知香の中へ入っていく。
「あうぅーー……」
 肉棒が入ってきただけで知香は意識が飛びそうになるくらい気持ち良かった。熱を持ち疼いた体に肉棒の刺激が染み入るように心地良い。
 武志は焦らすのを止め、知香の快感が上がっていくのに合わせて、腰の動きを速めていく。

 知香はいつも以上に感じる事に戸惑いを覚えていた。武志とはもう何度も体を重ねている。だが、こんなに感じる事は今まで無かった。今日は全身が特に体の一番奥から快感がどんどん湧きあがってくる。なぜかは分からない。頭の中が快感で占められ他の事が考えられなくなりつつある。
 分かるのは武志が必死に腰を動かしている事だ。こんなに全力の武志を見るのは初めて会った時以来かもしれない。あの時の武志は負けるものかと必死になっていた。だけど今日の武志は勝ち負けなど関係なく自分を感じさせようと必死になっている気持ちが痛いほど伝わってくる。
 そんな武志の気持ちに応えようと知香は武志に力一杯抱きつく。激しく舌を絡ませ唾液を混ぜ合わせる。そして武志の動きに合わせて腰を振り、自分の持っているテクを全て使って秘肉を締め上げる。

 まだだ。まだ自分と知香は最高の場所へ到達していない。二人はもっと気持ち良くなれる。
 武志は気を最大量で出し続けながら、秘肉の一番奥を亀頭で擦りあげる。
 体を知香に密着させ、舌を力一杯吸い上げ気を回収する。そして、またその気を送り込んでいく。
 これまで以上の興奮と強い思いからか、気の回収量は上がっており、それとともに循環される気の量は増え、知香に激しい快感を与え続ける。
(ダメ、このままじゃ先にイッてしまう)
 知香は絶頂への階段を登り続けている事が自分で分かっていたが、止める事はできなかった。
 頭の中は真っ白になり、ほとんど思考力は残っていない。それなのに体には今までで最高の快感が流れ続けている。
「あぁー、いいぃー、イキそう、イクー、イクーー……」
 知香の声が単なるあえぎ声から、切羽詰ったものに変わってきた。
 今までの武志なら、知香の締め付けに耐え切れず吹き上げてしまっていた。だが、今日はいつもとは違う集中力で堪えていた。その分、知香を責める時間が長くなり、知香を苦しめる。
 武志は知香の複雑できつい締め付けに耐えながら知香を突き上げる。気は最大量で巡回させ続けている。肉棒は今までに覚えた知香の弱点を容赦なく抉り続ける。
「ああああぁー……、いくうぅー……」
 知香の体が震える。頭をのけ反らし、美しい首筋が伸びきり、武志の目の前にさらされる。
 秘肉も軽く痙攣し、肉棒をヒクヒクと締め付ける。
 武志はそれにも耐えて、腰の動きを止めない。
「イッたから、ちょっと、ちょっと待って、あうぅーー……」
 武志は知香の願いを聞き入れず、知香をさらなる高みへ押し上げるために、ひたすら腰を動かし続ける。
「ダメ、まだ敏感になってるから、待って、ちょっと待ってー」
(知香さんなら、もっと上へ行ける。もっと感じる事ができる)
 武志は最高の快感を目指して、必死に射精感と戦いながら、知香を責め続ける。
「ああぁー、ダメー、おかしくなるからー、おかしくなるー」
 知香の願いも聞き入れず武志は腰を激しく動かし続ける。
「いやぁー、またイクー、あぅーー、イクー……」
 武志はひたすら知香をイカセ続ける事だけを考えていた。
(もっと、もっとだ。知香さんに今まで体験した事の無い快感を味わってもらうんだ)
「ダメー、もうダメー、ああああぁー、ダメなのー、いぃぃー」
 知香がイク間隔がどんどん短くなり、イキッぱなしの状態になってくる。
 体は大きく跳ねたり、ブルブルッと震えたりする。体を丸めて快感に耐えたかと思うと、体を一直線に伸ばし絶頂に襲われたりしている。
 だが、さすがにS級だけあり、武志の容赦無い連続した責めにも耐え、なんとか意識を保っている。

 そんな知香をアレックスとアンナが見つめていた。二人はセックスのプロだけあって、知香が演技ではなく本当にイキ続けているのが分かった。
 何度か体を交えたアレックスも知香のこんな狂態を見るのは初めてだ。自分とトムの二人掛りで責めた時でさえこんなに激しく感じる事は無かった。今まで少しバカにしていた武志に畏怖の念を抱く。人間がこれほど激しく感じる事ができるとは考えた事も無かった。
 アンナも武志が自分を相手にした時は抑えていたのが分かった。後の事を考え全力を出していなかったのだ。武志が全力を出した時の凄まじさを見て驚いている。それと同時に知香を見て恐怖とともにねたましさを感じる。
 自分が武志に全力を出されていたらどうなるだろう。あまりの快感の強さに頭がおかしくなるか、武志から離れられなくなってしまうかもしれない。無事に済んでも全てを投げ出して武志に付いていってしまうだろう。武志はそれも考えて全力を出さなかったのかもしれない。
 そしてアンナは武志の全力の責めを受けられる知香をねたましく思う。これからも武志と寝る事ができるであろう知香をうらやましく思う。武志とはぜひもう一度寝たい。ジョージに相談してみよう。武志をこちらの部隊に入れる様にお願いしてみよう。
 武志は二人の想いなど知らずにひたすら知香をイカせ続けた。絶頂の状態をキープしながら、さらに上へと押し上げていく。
「ダメー、ほんとにダメだからー、またイクー、またイッちゃうから、ダメー」
 最初は軽くイカせ続けていたが、一回イクごとにその快感のレベルは上がり、知香の気が狂う寸前のぎりぎりの快感量でイカせていた。
 知香の手はシーツをきつく握るか、武志の体に深く爪を食い込ませている。体は大きく跳ね、肉棒が抜けそうになる位だ。武志が頭を抑えていなかったら、首が折れるほど頭を振り回しているだろう。
 秘肉はヒクヒク、キュンキュンと武志の肉棒を締め続ける。本気汁が溢れ出て、肉棒の根元に白くこびりついている。辺りには濃いメスの匂いが立ち込めている。
 知香は何が何だが分からない。ただひたすら叫ぶだけだった。体も頭も今まで体験した事が無いような凄まじい快感に包まれていた。
 武志はそれでも責めを緩めなかった。このまま二人の限界まで続けるつもりだった。生涯最高のセックスにするつもりだった。
「もういいー、イッたから、もう何回もイッたから、イッてるからー……」
 知香はキスを振りほどき叫ぶが、すぐにまた武志に口を塞がれてしまう。
「もうダメー、狂っちゃうー、死んじゃう、ほんとに死んじゃうー、ああああぁぁーー……」
 知香にもとうとう最後の時が近づいていた。体が大きく震え始めていた。
 武志は最後の力を振り絞って、最大量の気を送りながら、全力で最奥を激しく突き上げる。
「んんー、んんー、んんーー……」
 知香は喉の奥で呻き声を上げる。
 武志は最後の駄目押しに残った全ての気を一度に知香の子宮口へと撃ち込んだ。
「んっ、んんんんーー」
 知香の中を激しい快感の波が駆け抜けていく。
 知香の体が限界まで反り上がり、武志の体を持ち上げる。体全体が硬直し大きく震えている。
 さらに歯を思い切り噛み締め、目は半開きで白目を剥いている。両手はシーツをきつく掴み、指先が白くなるほどだ。
 武志は知香の絶頂に合わせて、精液を秘肉の奥へ叩き込んだ。肉壁が搾り取るようにきつく締めてくる。
 びゅるるるるるーー、びゅるるるー、びゅるるるー……。
 残っていた物を全て出しつくすように、大量の精液が注ぎ込まれていく。
 武志は体中の水分が出て行き、袋の中が空になるのを感じていた。心身ともに今までの最高の快感と満足だった。精液とともに体から力が抜けていく。もう、精液も体力も気も残っていなかった。
 精液が出終わる頃、知香の体から力が抜け、ドスッとベッドの上に落ちた。武志も力尽き、知香の上にくずおれた。

 武志は終わってもしばらくは動けないでいた。気の全てを使い果たし、体力もほとんど残っていない。知香とつながったまま肩で大きく息をする。知香は気を失ったのか身動き一つしないで目を閉じて横たわっている。
 武志は達成感と満足感でいっぱいだった。初めて秘肉で知香をイカせることができた。動悸に不純な物が混ざっていたが知香と最高のセックスがしたかった気持ちに嘘はないし、実際最高のセックスができた。ここ数日、知香が他の男と寝る事を想像して黒い感情に揺さぶられていたが、そんな事はどうでも良い事だと思えてきた。
 要は自分が相手の事を深く想い全力を出し切り最高のセックスをすれば良いのだ。一条流の根源的な考えに戻れば良いだけなのだ。
 武志は知香から体を離す。萎えた肉棒がにゅるんと抜け、秘裂から精液と愛液が混ざった白い粘液がとろりとこぼれる。
 体がとてもだるいががんばって浴室へ向かう。肉棒は小さくなりうなだれ白い汁で汚れている。それをアレックスとアンナが驚きや賞賛などの入り混じった眼で見るが、武志は恥ずかしく思わなかった。ただ知香をきれいにしてやろうという気持ちしかない。
 浴室で蒸しタオルを作り、知香の股間をきれいに清めてやる。そして乱れた体をまっすぐにして頭の下に枕を入れる。
 急速に睡魔が武志へ襲って来ていたが、がんばって目覚ましをセットすると、二人に英語で言った。
「We sleep a little, sorry.」
 そして知香のすぐ側に横たわると毛布をかぶり、あっと言う間に寝てしまった。

 目覚ましの音で眼が覚めた知香が音を止める。時計を見ると三時半。隣では武志が熟睡している。アメリカ人二人組は居ない。いつの間に寝てしまったのか分からないが、あまり時間が無い。
 知香は急いでシャワーを浴びる。そこで一旦出て武志を起こす。
「武志、起きなさい。時間が無いわよ」
 武志が眼をこすりながら起きるのを確認するといそいで浴室に戻り最低限の化粧をする。
 まだ半分寝ぼけている武志を浴室へ押し込みシャワーを浴びさせる。
 知香は先ほどの事を思い出す。激しく何度もイカされ最後には気を失ってしまったのだ。後ろではなく前でイカされ気を失うなど、この何年かは無かった事だ。
 自分はかなりの快楽を耐えて受け入れることができる。今日も体調が悪い訳ではなかった。という事は武志のレベルが上がったという事になる。この一ヶ月ちょっとの訓練で上達したという事か。
 しかし、訓練ではそんな片鱗を見せなかった。訓練でも前だけでイカされる事は無かった。手を抜いていたとも思えない。それならば今日の武志こそ真の姿で、何らかの要因でスイッチが入り真の力を出したという事だろうか。武志も終わった後に眠り込んでしまうほど全力を出したのだろう。
 これは頼子部長とよく話し合う必要がある。そして観察を強化しないといけない。
 本当に面白い子だと知香は思った。

 武志と知香が少し遅れて会議室へ行くと、ジョージ、アレックス、アンナ、マイクの四人は既に席に着いて二人を待っていた。
 知香が遅刻を詫び二人が席に着くと、さっそくミーティングが始まった。
 まずは一人ずつ反省、感想など考えた事を話す。
 最初はアレックスだ。
「チカは最高の女性だ。素晴らしい。でも敢えて言うともう少し胸が大きいと完璧だ。アメリカ人はみんな大きい胸が大好きだから」
 アメリカ人だからか性格なのか、自分の反省をしないところが面白い。次はアンナ。
「タケシが英語を話せないのは非常に残念だったわ。もっと色々お話してみたかった。それとタケシはもっと堂々とした方がいい。それだと日本人以外の女性には理解してもらえない。タケシのセックスは最高だったから自信を持って女性をリードして欲しい」
 武志は知香の通訳を聞きながら、複雑な気持ちだった。スワッピングした後の夫婦はこんな気持ちなんだろか。自分のセックスの事を人に話されるのは恥ずかしい。しかも、最高などといわれると面映い。
 武志は考えをまとめるために知香に先に話してもらう。
「日本女性のほとんどはアナルセックスの経験がありません。アジア諸国も同様でしょう。それからトムはアジア人相手にはサイズが大きすぎます。日本人の平均は武志より小さいくらいです。経験の少ない女性や体格の小さい女性の場合は裂傷を起こす可能性もありますから注意してください。しかし、トムもアレックスもサイズや体力的には素晴らしいものがあります。サイズさえ合えばかなりの効果が見込めると思われます」
 武志は知香が英語で何を言ったか分からないので、袖を引っ張り催促した。
「でかけりゃ良いってもんじゃないと言ったのよ」
 知香が小声で答える。
 武志の順番が回ってくる。しばらく考えてから話し始める。
「アンナさんとマリアさんはお二人とも素晴らしい方でした。ですが対アジア人男性に限っていうと少し背が高すぎるかなと思います。四十代の日本人男性の平均身長は5フィート6インチ(168cm)位ですから、もう少し背の低い方もメンバーに入れないと心理的圧迫感を感じるかもしれません。それと日本人は女性のスタイルや男性のサイズでは欧米に負けてしまうのでテクニックに走らざるを得ないのですが、アメリカの方がテクニックを磨かれたら世界一になれると思います」
 そして最後にジョージがまた長々と何かを話す。
「まあ、これからも仲良くやろうって事よ」
 知香は要約しすぎる。
 最後にジョージが武志の方を向き何かを言った。
「最後のセックスが凄かったそうだけど、日本に帰る前に秘訣を教えてくれないかって」
 武志は少し考えてから答えた。
「秘訣というほど難しい事じゃなくて簡単なんです。まずは相手を最高に気持ち良くしてあげようと思う事。それから自分も最高に気持ち良くなろうと思う事。どちらも大切なんです。片方だけじゃダメなんです。そうして二人がお互いにその気持ちになった時に最高のセックスができると思うんです」
 武志の答えにジョージが言った。
「日本人は何でも哲学的に考えるから、我々アメリカ人には理解が難しい。でも理解できるようにがんばってみるよ。それより今日で最後だから全員で食事しないか」
 知香の通訳で武志が答える。
「とてもうれしいんですけど、さすがに今日は疲れました。二人でゆっくりさせてください」
「そうか、それは仕方が無いな。ではまた次に会える事を楽しみにしてるよ」
 最後は全員で握手をしあい、別れの挨拶をした。

 部屋に戻ると二人で少しいい服に着替えた。武志はジャケットにパンツ。知香はノースリーブのワンピースだ。知香は武志に電話をするまで部屋で待つように言い、準備があるからと先に部屋を出る。
 二十分後、電話が鳴り武志が出ると、知香からのロビーに来てという連絡だった。
 二人はタクシーに乗り出掛ける。知香がドライバーに行き先を言っている。
「何してたんですか」
「ちょっとね、お店を探して予約してたのよ」
 着いた店はアメリカン・フレンチの店だった。西海岸らしく明るい内装で堅苦しくない。ノーネクタイでも入れる店だ。席は入り口近くやトイレ横の悪い席ではなく、窓際奥の一番良い所だ。
 料理は既に頼んであるらしく、座ってしばらくするとシャンパンのハーフボトルが運ばれて来た。単なるスパークリング・ワインではなくて本当のシャンパンだ。武志はラベルを見てびびってしまう。レストランで頼むと幾らするんだろう。
「値段の事は心配しなくていいの。まずは乾杯しましょ。今回の出張の成功に」
 二人で軽くグラスを合わせる。
「今回は成功なんですか」
「成功も成功、大成功よ。今回の目的は相手のレベルを知る事と、舐められない様にこっちのレベルの高さを相手に教える事なんだから」
「成功って言ってもらえたら来た甲斐がありましたよ」
「そういう事で今日は私のおごりだからいっぱい食べてね」
 さらに酒を勧める知香に、それほど酒の強くない武志はこれ以上飲むと疲れで寝てしまうからと、発泡水にしてもらう。知香は飲み足りないのか残念そうだ。知香が酔っ払う所を見た所はないが、とんでもない事になりそうな予感はする。
 料理は前菜のフォアグラのテリーヌとゼリー寄せから始まり、トマトと何かの野菜の冷製パスタ、ロブスターやサーモンの入ったシーフードサラダ、白身魚のムニエル、ステーキと出てくる。どれも濃すぎず、脂っこくなく、量も適当でとても美味しい。知香はどうやってこの店を探したんだろう。
 デザートはキャラメルアイスとチョコレートケーキが出てくる。甘い物が好きな武志は疲れている事もありとてもうれしい。知香には好きな食べ物まで調べられているのかもしれない。
 夕食後はタクシーでグリフィス天文台へ向かう。
 ここの夜景は素晴らしい物だった。武志はビルの上や東京タワーからしか夜景を見た事が無かったが、ここの夜景は少し離れたところに雄大に灯りが広がりとてもきれいで、アメリカの広さを実感させる。
 最初の観光の時にここの夜景を見たいと言った武志の独り言を知香が聞いていたのかもしれない。
 アメリカの最後の夜に知香と二人でこの夜景を見られた事は武志の思い出に残る。この何日かの間でいろいろな事があったが、全て良い思い出に変えられそうだと思った。

 翌朝、武志達が荷物を持ちロビーへ降りるとマイクが新聞を読みながら待っていた。最後まで送ってくれるようだ。というより最後まで監視なのかもしれない。
 知香がチェックアウトを済ませると、ボーイが荷物をマイクの車に載せる。五日しか泊まっていないのに出発するとなると武志は名残惜しいものを感じる。自宅や親戚の家以外で一ヶ所にこんなに長くいたのは初めてになる。特に最後の三日間は夕食の時以外は一日中居たから仕方が無い。マイクに頼んで看板の前で写真を撮ってもらう。
 ホテルを出ると知香の願いで酒屋に向かう。マイクのなじみの店らしい。知香はそこでカリフォルニア・ワインを選んでいる。武志も純子、愛、優に手頃な物を一本ずつ買う。スーツケースはまだ余裕がある。
 知香はダンボールごと買い店員に車まで運んでもらっている。
「これは地ワインだから日本じゃ手に入らないのよ。買うしかないでしょ」
 知香がほんとか嘘か分からない言い訳をしている。
 そしてしばらくマイクの車で揺られると空港に着いた。マイクが何かをしゃべっている。またジョークを言っているのだろうが知香はいちいち訳さないので武志には分からない。
 車から荷物を降ろすと、知香はチェックインに向かう。
 知香が手続きに行っている間、マイクが話しかけてきた。
「タケシ、アメリカに来ないか。来てくれるなら、良い条件を出すぞ」
 マイクはゆっくりとはっきりと分かりやすい英語で話してくれるので武志でも聞き取る事ができた。
「グリーン・カードも用意するし、一年に二十万ドル出そう。他に希望があれば言ってくれ。何とかする」
 マイクが今まで一番真面目な顔で話している。
 一瞬だけ武志は考えてしまった。
「ごめんなさい。日本に俺を待っている人がいる」
「給料は幾らもらっているんだ?」
「一時間に四十ドル」
「そんなに安いのか……。そうか、お金が重要ではないんだな」
「そうだ」
「でも気が変わったらいつでも連絡をくれよ」
 マイクは笑顔に戻って言った。

 知香が戻ってきた。時間も迫ってきたので、マイクとはここでお別れになる。
 アメリカのメンバーの中ではマイクと別れるのが一番悲しい。最初は単なる陽気なアメリカ人だと思ったが、細かい気遣いも見せてくれていい人なんだと分かった。一緒にいた時間も一番長かった。武志はちょっとうるっとしそうになる。
「マイク、ありがとう、お世話になりました。また会えるかな」
 武志はマイクの手をしっかりと握りながら言った。
「武志がアメリカに来ればいつでも会えるさ」
「でも、連絡先を知らない」
「武志が西海岸へ来れば、必ず俺の所に連絡が来るから何もしなくても迎えに行くよ」
 武志はまたジョークかなと思ったが、これは本当かもしれないなと思い直した。
「じゃあ、その時まで、さよなら」
「ああ、元気でな。今度来る時までにいっぱい飯を食って大きくなるんだぞ」
 武志の後、知香もマイクと別れの挨拶をしている。

 帰りは何事も無く順調に流れていった。武志は出国審査をサンキューだけで済まし、搭乗前にビールを飲み少し酔っていた。飛行機が離陸し地上が見えなくなるとすぐに眠ってしまう。三日間の疲れがまだ取れていないのだ。食事の時と映画を見る以外は大体寝て過ごす。知香も武志の邪魔をしないでそっとしておいてやる。
 今回のフライトはLA発13時15分、成田着16時35分(LA24時35分)なので時差ぼけの解消が行きより楽だ。日本に着いてちょっとがんばれば寝る時間になる。
 成田に近づき着陸態勢に入った所で武志は知香に起こされる。窓の外は赤らみ始めている。そのまま外を見ているとやがて陸地が見えてくる。もう少しだ、もう少しだとワクワクしながら待っていると軽い振動と共に体へGがかかり着陸した事が分かった。
 飛行機を降り、日本語の看板を見ると、ますます日本に帰ってきたという実感が湧いてくる。
 入国審査、荷物受け取り、税関も問題無く通り到着ロビーに出ると、これで長かった出張も終わりだと伸びをする。知香に別れを言おうとすると止められる。
「出張は家に着くまでが出張でしょ。付いてきて」
「ここで解散じゃないんですか」
「バカね、尾行を巻かなきゃ家に帰れないでしょ」
「えーっ、尾行されてるんですか」
「当たり前でしょ。同じ飛行機にいたかもしれないし、この出迎えの人ごみの中にいるかもしれないし。日本側もジョージ達に尾行を付けてるからお互い様だけどね」
「お互いにそんな事やってるんですか」
 知香と武志は電車に乗ったり、タクシーに乗ったりして何度か乗り物をかえた。その間知香は何度か携帯で誰かと話をしている。一時間近くもさまよい、何度目かのタクシーを降りた所にはいつもの黒のワンボックスが待ち構えていた。
「何とか巻いたみたいだから後はこの車で家まで送ってあげる」
 車に乗りようやくこれで家に帰れると武志は安堵のため息をついた。重い荷物を持って何度も乗り換えいい加減疲れていた。
「お疲れ様。これで後は家に帰るだけね。これは私からがんばった御褒美」
 そう言って知香は高そうなブランド物の時計を差し出した。
「こんな高い物いいですよ」
「いいから取っときなさい。男は決めなきゃいけない時があるんだから、いざという時に使いなさい。武志も今回の出張で一皮向けた感じがするし、それをする資格が十分あるわ。それに武志が受け取らなかったらどうすればいいの。アメリカまで返品に行く訳にいかないでしょ」
 そう言われて武志はありがたくもらう事にした。この時計が似合う様に自分を磨けばいいのだと考える事にした。
 車が家の前に着き荷物を降ろし、武志は知香に言った。
「それじゃあ、お疲れ様でした」
「次にいつ会えるか分からないけど、それまでにもっといい男になるのよ。分かったわね」
 知香は武志の頬にキスをしてから車に乗り込んでいった。そして車は遠ざかっていく。
 これで知香ともしばらく会えないと思うと少し悲しくなる。だが、知香に言われたように次に会う時までにもっと自分を磨くのだと武志は心に誓っていた。

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