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一条流の戦い:第13章

 数日後、武志の元へS部隊の部長と名乗る者から手紙が届いた。今までのお詫びとして五月三日〜五日の二泊三日で接待に招待したいという事だった。今後しばらくの間勧誘を行わないので、これで今までの事を水に流して欲しいという内容だ。
 どうやって武志のスケジュールを調べたのか、ちょうど空いている日を選んできていた。
 四月二十八日〜三十日のゴールデンウィーク前半は混寝会のメンバーで旅行。和子がこどもの日は子供といたいという事で旅行は前半に決まった。
 五月六日は、前回(彩音と会った次の日)麻衣の順番を飛ばしたお詫びに一日付き合う約束になっていた。旅行に付き合う交換条件として、美穂達に乱交の日を一日麻衣へ譲ってもらったのだ。
 武志は最後だと言った彩音の言葉を信じて招待に乗ることにした。拉致する気があれば今までにもできたはずだ。しなかったという事はする気が無いという事だろう。多少不安はあるが命までは取られないだろうと腹をくくる事にした。

「こんにちは、ひさしぶりだね」
 招待当日、迎えに来た車には静香が乗っていた。約三ヶ月ぶりだが武志は何年かぶりに会うような懐かしい感じがした。この三ヶ月の間に静香、愛・優、純子、明日香、彩音の六人と戦っている。懐かしい感じがするのも仕方が無かった。
 静香を初めて見た時は美しさにびっくりしたが、彩音と会った今となっては綺麗だなとは思うが驚くほどではない。我ながら贅沢になったと反省する。
 静香は挨拶もそこそこに武志へ目隠しとヘッドフォンをした。
「今から向かう所は秘密研修施設なので場所をお教えできないんです」
 車は何度か向きを変え方向を分からなくした。途中、加速を感じ、車が長時間停まらない事があったので、高速も使った様だ。武志が疲れていい加減腹が立ってきた頃、ようやく目隠しとヘッドフォンが外された。時計を見ると二時間近くたっている。
 場所はさっぱり分からないが、気温からすると標高は高いのだろう。小学校ほどもある大きな建物の周りにはグラウンドと空き地が広がり、その外側は木が生い茂っている。道路は一本のみ、今来た道だけらしい。木にはばまれ、その向こうは一切分からない。
 車を降りると、四十歳前後の女性が一人立っていた。
 年の割には結構綺麗な人で、若い頃はモテたんだろうなと思わせる。知的な感じがしてやり手のビジネス・ウーマンという感じだ。タイプ的には美穂に近い。これが部長だろう。
 その女性は武志へ近づくと言った。
「はじめまして、S部隊の責任者の頼子と申します」
「山中武志です。ご招待ありがとうございます」
 頼子が手を出してきたので、武志は握手をした。少しヒンヤリする手だった。
「遠い所お疲れ様でした。秘密の場所とはいえ窮屈な思いをさせてすみませんでした。ごゆっくりお休みください。静香がご案内いたします」
 建物は三階建てで外から見る分には素っ気の無い古いオフィスビルの様だ。しかし、よく見ると全ての窓に目立たないよう鉄格子が付いているのが物々しい。それに正面の扉は重厚で重々しい。
 玄関を入るとちょっとしたホールがあった。こじんまりとこぎれいにしてある。感じとしては近所の公民館の玄関ホールみたいだ。
 静香に案内されて館内を歩く。エレベータで三階に上がり、いくつかのドアを過ぎようやく目的の部屋に付いた。ここに来るまで静香と頼子以外には誰も会っていないし、全てのドアは閉じられ他の部屋の様子は分からなかった。聞こえる音も自分達が立てる音だけだ。
 部屋の中へ入ると、内装は新しく、明るく整えられていた。意外と広く、十五畳ほどの広さの中に巨大なベッドとソファーセット、テレビ、ビデオなどが置かれている。
「部屋の説明をしますね。こちらがトイレで、こちらが浴室、こちらがミニキッチンになります。冷蔵庫もあります。こちらに在る物はご自由にお召し上がりください。こちらがクローゼットになりますので荷物はこの中へ入れてください」
 静香がドアを一つ一つ開けながら説明した。今日は武志が客の立場だからか、口調が丁寧だ。
「電話は内線9番でフロントというか職員室へ繋がります。御用や緊急事態の時はご連絡ください。申し訳ありませんが外部へ掛ける事はできません。それと館内は立入り禁止区域もありますので部屋を出られる際は必ず誰かが付き添いさせて頂きます。以上ですが、お分かり頂けたでしょうか」
「とりあえず言われた事は分かったけど、それ以外は分からない事だらけですよ。ここはどこなのとか。これからの予定とか」
 武志は荷物をクローゼットに入れながら答えた。
「詳しい事は今日の夕食会で部長から、部長というのは先ほどの頼子の事ですが、説明があると思います。まずは昼食を取っていただいて、その後夕食まではおくつろぎいただく予定です」
 自分の腕時計を見ると昼の十二時近かった。
「分かりました。じゃあ昼食にしましょう」
「ではしばらくお待ちください」
 そう言って静香は準備を始めた。すでにキッチンに用意されていたらしく、ごそごそ何かをしている。
 武志はやる事が無いので携帯を取り出してみると圏外になっている。半分予想していたが納得できない。自宅の方で何かあったらどうするつもりだろう。一応招待状に書いてあった連絡先を親には伝えてきているが何となく不安だ。
 静香は料理や飲み物を運んでいる。
 武志がテレビを点けると東京と同じ番組をやっている。という事は東京都内かと思ったが、ケーブルテレビかもしれないし、あまり場所のヒントにならない。
「武志さんは紅茶とコーヒーのどちらがいいですか」
 静香がカップを運びながら聞いてくる。
 料理はサンドイッチだったので紅茶にした。武志はパンには紅茶、それ以外はコーヒーと決めていた。
 しばらくしてティーポットを持った静香が戻ってきた。紅茶を注ぎながら静香が言った。
「ではお食事にしましょう。私もご一緒させていただきます。簡単な物ですみません。でも、ここの料理は結構おいしいですよ。それに夕食はちゃんとした物が出ると思いますので」
 準備ができたので二人でソファーに座った。
「いただきます」
 武志は純子の時に一服盛られたのを思い出し、静香が先に食べるのを待った。
「大丈夫ですよ。今回の招待には一切の薬物は無しって部長から指示が出てますから。今回危険は一切無しです」
 そう言って安心させるため静香は先に口を付けた。
 静香は簡単な物と言ったが、ボリュームのあるクラブハウスサンドだ。コンビニで売ってるような安っぽい物ではなく、パンよりも具の方が多い豪華な物だ。小洒落た店ならセットで千円以上するだろう。量も多く他に付け合せのポテトとフルーツが付いている。味も美味しい。
 武志は持ち前の食欲でどんどん胃袋へ納めていく。
「どうでしたか」
 食べ終わり、武志がおかわりの紅茶を飲んでいると静香が聞いてきた。
「美味しかったですよ。量も多いし、お腹いっぱいです。こういう洒落た料理はあまり食べる機会が無いんで良かったです」
「デザートはどうします」
「いや、もうお腹いっぱいですよ。それより今から夕食まで何をすればいいんです。ここには時間を潰せそうなものが無いみたいなんですけど」
「この部屋を出るのはまずいんですけど、ゲームはまあまあ揃ってますし、ビデオもかなりあります。運動なら室内トレーニングルームがありますし、お疲れならお昼寝されても結構です。でも、よろしければマッサージを受けるというのはどうですか。やるのは私ですけど」
 静香がいたずらっぽい目で答えた。
「静香さんできるんですか」
「できますよー。私達は訓練の一環でマッサージの講習も受けるんです。けっこううまいんですよ」
「じゃあお願いしようかな」
「任せてください。食後すぐは体に良くないので、しばらくの間テレビでも見ながら待っててください」
 静香は食器を片付けワゴンに乗せて部屋の外に出し、テーブルを拭いたりしている。武志はソファに座りながらテレビのチャンネルを変えていった。普通のチャンネルだけでなく、衛星放送、CSも映る様になっている。
 このままテレビを見ながらうとうとするのも良いかもしれないと武志が思い始めた頃、いつの間に着替えたのか静香がパイル地でできたレモン色の甚平みたいな服で現れた。そういえば、テレビ番組でマッサージ屋さんはこんな服を着ていた気がする。
「それじゃあ、そろそろ始めましょうか。ベッドに腰掛けてください」
 武志が言われたとおりにすると、静香は床の上で膝立ちになり武志の手を持つと優しく揉み始めた。
「ちなみに何式なんですか。タイ式とか韓国式とか色々あるじゃないですか」
「何式って訳じゃなくて、あえて言うとS式かな。日本古来の按摩を基本に中国、韓国、タイ、アメリカとか各国のマッサージの考えを取り入れた物なんです。けっこう評判いいですよー。将来これでお店を開けるんじゃないかっていうくらい」
 武志はだんだん眠くなってリラックスしながら静香の話を聞いている。ゴールデンウィーク前半の旅行の疲れが残っているのかもしれない。休みの日に疲れる事をするのもおかしいが、美穂達のストレス発散のためだから仕方が無い。それに今日は目隠しで車に乗せられ緊張で疲れた。お腹も程よくいっぱいだし、眠くてもしょうがない。
「眠かったらいつでも寝てくださいね。じゃあ寝転がって楽にしてください」
 武志はベッドの上でうつ伏せになり、体中の力を抜いた。静香は手の平から足へ移った。足裏マッサージは痛いというイメージがあったが、明日香がうまいのかは分からないが全く痛くなかった。
 だんだん気持ち良くなり、武志はいつのまにかに眠ってしまった。

 武志が目を覚ますと窓のレースのカーテンがオレンジ色に染まっていた。
「んっ、何時ですか」
 武志は寝起きの声で聞いた。
「四時ちょっと前です。二時間位寝られてました」
 武志はベッドから起き上がりうーんと伸びをした。
「体はどうですか。今日は座ってる時間が長かったので腰を中心にほぐしてみました」
 武志はベッドから降り少し体を動かしてみる。
「寝起きだから少しだるいけど、なんか体が楽になったような気がします。ありがとう、気持ちよかったです」
「いえ、こちらこそ。それで夕食は六時からですのでもう少し時間がありますが、入浴されますか」
「そうですね、目も覚ましたいし。シャワーを浴びます」
「ではお背中流しましょうか」
 静香がイタズラっぽい声で聞いてくる。
「いや、いいですよー。一人でできます」
 接待のはずなのに静香に遊ばれてるような気がする。S部隊の人にはいつもペースを握られてしまう。経験が少ないから仕方がないかと思ったが、よく考えると美穂達の時はそれほどではない。自分がリードする事もある。やはりS部隊の人間がうまいのだろう。武志はシャワーを浴びながら考えた。
 シャワーの後、二人は夕食時間までおしゃべりをして時間を過ごした。
「彩音さんまで倒すなんて武志さんはやっぱり凄いです」
「いや、ほんとにぎりぎりでしたよ。一時はもう駄目だと思いました」
「この三ヶ月の間にますます上達したんですね」
「そうなんです。S部隊の偉い人が何を考えてるか分からないんです。まるで俺を強くするためにやってるみたいな気がします」
「夕食の時に部長に聞けば何か分かるんじゃないですか」
「教えてくれない様な気もするけど、聞くだけ聞いてみます。それより静香さんはあれからどうしてたんですか」
「今までどおりですよ。訓練を受けて、任務をこなして。この建物の掃除も当番でやるんですよ」
「任務ってどんなの」
「それは武志さんでも話せません。部隊に関する事は一切秘密なんです。任務に関しては隊員の間でも秘密なんですよ」
 それはそうだろう、武志は気にしなかった。
「じゃあ、隊員の人って何人くらいいるの」
「それも秘密です。話せるのは階級についてぐらいですけど、武志さんはA、B、C級があるのは知ってますよね。私達はC級で会社で言うと平社員なんです。B級が主任とか係長とかに相当して、私達は班長って呼んでます。それでA級が課長クラスで隊長とかリーダーとか呼ぶんです。そして頼子さんがS部隊の責任者で部長って呼ばれています」
「そっか、じゃあ静香さんは明日香さんと彩音さんの部下になるんですか」
「そうなんです。彩音隊の明日香班です。それで愛さんと優さんが同じ班で先輩なんです」
 隊が一つという事は無いだろうから、二つあるとすると少なくとも十人程度は隊員が居る事になる。
「静香さんはどうして部隊に入ったの」
「詳しくは話せないですけど短大にいる時にスカウトされたんです」
「そっか、話せないことが多いんですね」
「武志さんが部隊に入られたら、もう少し話せるんですけど」
 それから二人は趣味の話や好きな食べ物など普通の大学生の会話を楽しんだ。

 夕食の時間、案内されて食堂へ行くと部長の頼子しかいなかった。食堂は四人掛けの正方形のテーブルが幾つか並んでいる。数十人が一度に座れる広さだ。その中の一つのテーブルに頼子と武志が二人で座った。
 静香は同席しないみたいで、二人のテーブルへ次々と料理を運んでくる。
 食堂の中も武志の部屋と同様に明るく現代的な内装がされている。若い女性隊員の好みに合わせてあるのだろう。
 ビールで乾杯した後、二人は食べ始めた。
 料理は若い武志に合わせたのか創作中華だった。肉料理をメインに食べやすくとても美味しかった。
 武志は食べながら静香へしたような質問を頼子にぶつけてみた。
「それは残念ながら答えられません。武志君が部隊に入ってくれたら少しは話せるんだけど。それに、もし話を聞いちゃうと武志君も秘密保持の監視対象になって、二十四時間行動を把握されるけど、それでもいい」
「そうやって怖い話をして脅かさないでくさいよ。単なる大学生に小説みたいな話をされても引きますよ」
「そうね、ならもう聞かないようにしてね。それより今回は接待なんだから嫌な事は忘れてもっと楽しんでね」
「楽しむも何もここには娯楽施設が無いような気がするんですけど」
 正直、この調子だと明日は時間を持て余しそうだ。やることが無いなら、明日は朝食後すぐに帰らせてもらおうと考えていた。
「S部隊の接待は夜に決まってるでしょ。武志君は夜に備えて体力を残しておけばいいのよ」
 頼子が唇を緩め、意味有り気な顔をする。
「また、夜に勝負だとか言って誰か来るんじゃないですか」
「あら、もう勧誘はしないと約束するわ。何も考えずに楽しんでくれればいいのよ」
 頼子は思ったより気さくで話しやすい人だったが、知りたい事ははぐらかされて何も分からないままだった。
 食事を終えた武志は部屋に戻った。食事は美味しかったが、自分の状況がはっきりしないので何か落ち着かなかった。

 武志はもう一度シャワーを浴び、パジャマに着替えベッドに寝転がった。
 静香も自分の部屋へ引き上げ、武志は一人だった。頼子は接待は夜だと言っていたが、何時に来るのだろう。やはり起きていたほうが良いかなと、やることもなくテレビを見ていた。
 八時台の番組が終わり九時になる少し前、ドアがノックされた。
「はい」
 武志が返事をすると、長身の美女が一人入ってきた。身長は170cm以上あるだろう。靴のせいか目の高さが武志と同じくらいだ。体にフィットした七部袖のカットソーにタイトミニをはいている。髪は漆黒で首の付け根辺りで切りそろえている。
「こんばんは。お時間よろしいかしら」
「は、はいっ」
 S部隊はいつも驚かせてくれる。色んなタイプの人が居るもんだと武志は感心した。
「あなたが武志ね。私は知香《ともか》。知識の知に香るで『ともか』よ。でもみんな『ちか』って呼ぶからちかでいいわよ。よろしくね」
 年は二十代後半だろうか。眼鏡をかけた知的美人だ。
 タイプとしては外資系の大企業社長秘書。毎朝のジョギングをかかさず、オフにはジムや水泳で体を鍛える。食事にも気を付け、野菜と魚を主体にして、肉はなるべく食べない。体の脂肪量もばっちりコントロールして体形を維持する。そんな感じだ。
 目はやや細く、性格は気が強そうだ。目、鼻、口は大きくはっきりしている。最近増えている欧米型和風美人だ。大人しめな女の子が好きな武志のタイプからは外れるがかなりの美人だ。名前にぴったりの感じがする。
 スタイルは抜群に良い。今までの相手では明日香が一番スタイルが良いと思っていたが、知香は日本人のスタイルの理想形と言っても良いぐらい美しい。
 適度に筋肉質で体のラインが悪くなる寸前まで体を引き絞っている。脚を見ていると思わず触って弾力を確かめたくなる。胸も大きい。まるで芸術作品のようだ。
 いつもの様に武志は雰囲気に呑まれて固まってしまった。こんな人、普通に暮らしていたら一生会うことは無いだろう。テレビドラマの中でしか見られない。見るとしても会社に就職してから廊下ですれ違う位だろう。
「何をボーっとしてるの、椅子を勧めてくれないの」
 武志は慌ててソファに座るように勧めた。
 知香はソファに座ると脚を組み、武志を見つめた。
「部長から、面白い子がいるから会ってみたらと言われて来たの。話を聞くとA級の子でも歯が立たなかったんだって。私の相手もしてもらえるかしら」
「あ、あの、知香さんはA級じゃないんですか」
「私はS級、ABC級とは別に部長直属の隊員なのよ。ちなみにSはセックスのSじゃなくて、スペシャルのSよ。たまに勘違いする奴がいて困るのよ。だれとでもセックスする訳じゃないのに。そんな事どうでもいいのよ。若いんだからそんな事聞いてる暇があったら襲って来なさいよ。話なんか終わった後でいいのよ」
 そう言うと、知香は眼鏡を外して武志にキスをした。
 S部隊は全員キスがうまい。いつもの事ながら武志は感心した。それに背の高さが同じ位だからキスがやりやすい。キス一つをとっても色々なテクを持っている。チュッチュッとついばむ様に、唇を擦り付ける様に、唇を上下片方ずつ挟むようにしてくる。舌の動きも唇をなぞり、絡ませ、上あご下あごをくすぐり、舌を吸わせる。舌の吸い方も唾液をすする様にしたり、フェラチオをする様に出し入れしたりする。息を鼻からそよそよと出したり、口をうごめかせながら喉の奥でこもった声を出したり、つぼを押さえて興奮させる。
 まだ、武志は気を送るのはほんの少しにしておいた。相手がどんな手を使ってくるのか分からないので手の内を見せるのはまだ早い。
「キスは合格ね。気持ち良かったわよ。若いせいか唾液もサラサラで甘いわ」
 武志は女性からキスを評価されるのは少し恥ずかしかった。
 知香はカットソーを一気に脱ぎ投げ捨てると、武志の横から首をぺろぺろ舐めながらパジャマのボタンを外していく。
「体は引き締まってるわね。体力有りそう。楽しみだわ」
 知香はパジャマの上を脱がし終わると、武志の前に回り乳首を舐めながらパジャマとトランクスを腿の半ばまで下ろした。
「乳首はまだ綺麗な色をしてる。毛も生えてなくていいわ。それに感じやすそう」
 片方の乳首を舐めながら、手でもう片方の乳首をカリカリ擦り、残った手で上半身の筋肉を確認する。
 武志は昂ぶりながら、知香の流れるような動きを止められず、快感を味わった。
 知香は口をだんだん下にずらし、パジャマもトランクスも足元まで下ろしてしまう。片足ずつはずし、抜き去るとそれも遠くへ投げた。
「一番大切な所のチェックよ」
 知香はじっと見つめた後、先端から根元、袋の裏側まで鼻を寄せクンクンと匂いをかいだ。
 武志は匂いを嗅がれて猛烈に恥ずかしくなる。さっきシャワーを浴びた時に綺麗に洗ったので、大丈夫のはずだがやはり恥ずかしい。
「きれいに洗ってるわね。でも若いオスの匂いが残ってる。いいわよ、女を興奮させる匂いよ。でも、もう少し大人になって酸っぱい匂いがしてるのも私は好きよ」
 そう言うと、知香は肉棒に口を近づけた。まず先端をぺろっと舐めた後、ちゅっとキスをした。肉棒は十分すぎるくらい勃起していたが、さらに立たせるように、亀頭、棹、袋とまんべんなく舐めていく。股間全体をぬるぬるにし終わるとようやく口に含んだ。
「ふぅー」
 武志は鼻から大きく息を吐いて、知香の口の中を味わう。
 知香はいきなり上下に動かすような事はせず、まずは口に含んだまま舌で舐めまわす。それからゆっくりゆっくり形を確かめるように上下に動かしていく。頭を動かしながら知香は器用にスカート、ブラジャーをはずすと遠くへ投げた。
 武志が下を見ると、知香は口を突き出し、わざといやらしい顔をして咥えている。時々武志の方を見てはフェラ顔を見せ付ける。そして、胸は意外と大きい。体を鍛えているせいか、ややハト胸気味だが、日本人には少ない半球型の大きな乳房をしている。Dカップくらいありそうだ。
 ショーツ一枚になると知香は本格的に動き始めた。口元へわっか状にした指を沿え、頭の動きに合わせて肉棒をしごく。頭は上下だけではなく左右にも回転しひねりを加える。その間も舌は自由に動き亀頭から縫い目までを舐める。
 武志はこのままでは一方的に主導権を握られて終わりだと思い、亀頭からチョロチョロと気を流し始めた。
 知香はしばらく続けた後、確認が終わったのか肉棒を口から出し、ぬるぬるになった棹を片手でしごき、先端をペロペロ舐める。残った手は袋をゆるゆるとあやしたり、会陰をコリコリ引っかいたりしている。
「太さと長さはそこそこね。これくらいで十分よ。大きければいいってもんじゃないんだから。この位なら奥が深い女性から、全体が小さい女性まで大体こなせそうね。硬さは合格。コチコチね。それに亀頭はエラが張ってて良さそう。これで襞を擦られたら気持ち良いでしょうね。そして味も合格よ。こっちまで気持ち良くなってきちゃった」
 知香は武志の前に立つと言った。
「最後の一枚は、武志が脱がせて」
 ショーツは既に色が変わるほど濡れている。武志が興奮に震える手でショーツをゆっくり下げると、股間からショーツの底へ糸を引いた。
 陰毛はちぢれのほとんど無いストレートがみっしり生えていた。だが、トリミングしているのか生まれつきか陰唇の横には生えていない。クリトリスもはっきり見える。まだ半分皮をかぶっているが大きめで濃いピンク色をしてつやつやしている。
 ショーツを脱がせ終わり、股間に吸い付こうとすると知香に止められた。
「続きはベッドでしようね」
 知香に手を取られ、武志はベッドに上がる。
 知香は武志にかぶさりチュッと唇に軽くキスをすると、体中にキスをしながら、乳首で武志の体を擦り足元へ下がっていく。武志の両脚の間に収まると、両脚を持ち上げAVで言うところのまんぐり返しの体勢に入った。
「あっ」
 肛門が知香の目の前にさらされた。肉棒を片手で握られ、もう片手で乳首を刺激される。腰の辺りには知香の胸が柔らかく当たり、乳首の位置がはっきり分かる。
「ここはまだ調べてなかったから」
 そう言って知香はいきなり蕾に吸い付いた。そして肉棒をゆるゆるとこする。
「うはぁ」
 武志は情けない声をあげる。知香は肛門が武志の弱点である事を知っているのだろうか。いや、知香のレベルならば知らなくてもいずれ気付くだろう。
 知香はひとしきり吸った後、満足したのか今度は舐め始めた。蕾だけでなく、蕾の周りも、尻のふくらみも丁寧に丁寧に何度も何度も舐める。それも単調にならないように、チロチロとすばやく舐めたり、ペロリペロリと唾液を乗せゆっくりやさしく舐めたりする。
「あ、は、は、はー」
 武志の背筋をなんども妖しい快感が突き抜ける。肉棒は最大限に硬くなり射精をこらえるのが大変だ。丹田に力を込め意識を集中してなんとかこらえる。
 知香は飽きることなく武志の肛門を舐め続ける。
 武志の肛門はすっかりふやけ切り、柔らかくなってしまう。体力がどんどん失われていき、精神的な抵抗も小さくなる。
 そして、アヌスの甘黒い愉悦に武志が溶けきる寸前で、知香はようやく口を離した。だが、手の動きは止めない。
「お尻も合格よ。綺麗に洗ってあるし、匂いも無い。少しくらい味と匂いがあるほうが私は面白くて好きだけど、普通の子は綺麗な方が好きだからね。色も形もまだ初々しいわ。武志はまだここを使われた事ないでしょ。機会があったら教えてあげる。一ついけないのは少し毛が生えてるわね。男の子でもお尻の毛はきちんと手入れしないと駄目よ。女の子が舐める時に嫌がるわよ」
「ああ、もう交代してください。出そうです」
 もう武志は抵抗する気力をすっかり奪われてしまっている。
「何情けない事言ってるのよ。今日は接待でしょ。私に任せて楽しみなさい」
 そう言うと、知香は再び蕾に口を付けた。舌を尖らせ何度か抉るように舐めた後。舌を捻り込んできた。
「うわあぁー」
 武志は思わず声を上げた。今まで以上の快感が背中を突き抜ける。
「お尻の力を抜きなさい」
 武志は快感をこらえながら何とか力を抜こうと努力する。だが、アヌスからの快感が強すぎてどうしても体へ力が入ってしまう。
 知香は両手を尻にかけガッと左右に開き穴を広げると、舌を一層奥へ捻り込んできた。知香は舌が長いのか数センチは入り込み、中でもぞもぞと動き始める。
 これには武志も音を上げた。
「ああー、もう限界ですー。限界ですー。出ますー。やめてー」
 知香はそれを聞いても止めず、顔を押し付けますます舌を奥に入れようとし、蕾の内側で舌を回してくる。
 武志は肛門に力を入れ防ごうとするが、肛門で知香の舌を挟むだけで攻撃を止められない。逆に快感を増す結果になってしまう。
「んー、んー、んー」
 全身に力をいれ、奥歯を噛み締め、顔を真っ赤にしながら、鼻で息をして武志は必死に我慢する。
 そして、もう駄目だ、出ると思った瞬間、舌が抜かれた。抜ける時のぬるんとした感覚にさえ漏らしそうになる。
 しばらく武志はんーんーとうなりを止められない。妖しい快感に肉棒は少し柔らかくなっている。
「武志はお尻が弱いからもう少し鍛えた方がいいね。ここまで我慢できるのはなかなかだけどね」
 知香は最後にチュッと蕾にキスをすると、武志の脚を下ろし、仰向けに寝かせた。
 まだ快感の波が引かない武志の腰に跨ると、肉棒に手を沿え、位置を合わせゆっくり腰を沈めていく。
 武志は、背筋がぞくぞくし、体中が震えていたが、ようやく反撃の瞬間が来たのを知った。
 肉棒が秘肉に触れた瞬間から今まで溜めていた気を一気に送る。
「あん」
 知香は一声上げたがそのままゆっくり体を沈めていく。
 知香の中は彩音と同様、とてつもなく気持ち良かった。中はたっぷりと潤い抵抗無く吸い込まれていく。細かい襞がうねうねと絡みつき、キュッキュッと締め上げてくる。
 脳みそがズルズルになりそうな気持ち良さの中、まとわり付く襞を掻き分けて進み、ようやく亀頭が一番奥に到達した。
 武志は子宮口を感じとると一気に大量の気の塊を送った。気の道を一刻も早く通す作戦だ。気の流れを探るため、知香の体へ手を当てる。
「あっ、ああーん。や、やるわね武志。でもこれからが本番よ」
 そういうと、知香は腰を上下に動かし、秘肉を締め付け始めた。
 武志は一瞬で理解した。挿入の時、知香は手を抜いていたのだ。入れてすぐに武志が出してしまわない様に。
 体を鍛えている分、彩音より締め付けが強い。まだ武志は処女とセックスをした事が無いが、十代の処女の締め付けはこの位だろうかと思うくらい締めてくる。しかも柔らかくこなれた肉が締めてくるので、たまらなく気持ち良い。特に秘肉の入り口付近は指でしごいているのかと錯覚するほど締めてくる。
 彩音以上の気持ち良さだ。だめだ、それほど持ちそうにない。武志は焦った。先ほどの肛門責めでぎりぎりまで性感を高められてしまっている。その状態で、この締め付けではいくらももたない。
 武志は再び大量の気を一気に子宮口へ注いだ。
「い、いい……」
 知香が大きな声を上げる。
 一回目の気で背中までは道が通った。再び気が知香の体を流れるのを知覚する。今度は首の付け根近くまで通ったようだ。もう少しだ、もう少し道が通れば循環の技が使える。
 このまま騎乗位でこすられると出てしまうと思い、武志は上半身を起こし対面座位に持ち込んだ。肉棒を一番奥まで入れると腰を揺すり秘肉の一番深いところを亀頭でグリグリ刺激する。このやり方だと自分が受ける快感を押さえて、相手を責める事ができる。
 そしてまた道を開くため気を一気に送る。
「あああーっ」
 知香が大きな声をあげ、体を反らせ、のけぞらせる。きれいな喉がむき出しになった。
 武志は知香の背中へ手を回し、気の道が脳まで到達した事を知覚した。循環の準備ができた。
 知香もただやられている訳ではない。片手を頭に回し武志に上からキスをして唾液を飲ませ、舌を吸わせる。胸を押し付け、片手で脇腹の性感帯を刺激する。鼻からは悩ましく息を漏らし口の奥からこもった声をあげ聴覚でも武志を興奮させる。
 一刻も早く循環を開始しないと危ない。武志は知香の頭に気を付けながらゆっくり後ろに倒していく。そうして正常位になると、正常位固めの体勢に入った。
 片手を脇の下から回し頭を固定しディープキスをする。知香の舌を吸い込み、気を回収する。
 胸をぴったり合わせ、乳房を刺激すると同時に、少し体重を掛け呼吸を苦しくさせ酸欠気味にする。
 残りの手でお尻を掴み肛門を刺激する。これで女性は動くことができない。そして、亀頭の先で子宮口をグリグリこすりあげる。
 武志はフルパワーで気の循環を開始した。
「んんんー」
 知香が突然の快感にくぐもった声をあげる。
 亀頭の先からどくん、どくんと気を送る。肛門に当てた指からも気を送る。そして知香の舌先から気を吸い取り、再度亀頭から気を送る。今は大量の気が知香の体を駆け回り、子宮と肛門から首筋にかけて体の中を焼き続けているはずだ。
 しかし、それでも秘肉のうごめきは止まらない。肉棒を動かしていないのに、搾り取るように根元から奥へと締め付けてくる。武志は知香に休む間を与えず、気を送り続ける。
(おかしい)
 今までの相手ならとっくにイキ続けているはずだ。知香は口の奥でうめきながら、鼻から「んふーんふー」と苦しそうに息を出している。顔は真っ赤になり、体も震えている。しかし、絶頂の一歩手前で耐えているように見える。意識もはっきりしている様だ。
(まさか、知香も快感の限界値が高いのか)
 武志は純子との戦いを思い出していた。重度のマゾである純子は快楽に対する限界値が高く、いくら大きく感じてもイカずに貪欲に快感を貪り食った。
 知香はマゾではなくノーマルに見えるが、それでも限界値が高いのか、それともS級になると絶頂の高ささえコントロールできるのか。
 純子の時は循環の技を覚える前で、普通に気を送るしかなかったから、イカせる事ができなかった。でも今は循環の技を使っている。快感は純子の時以上のはずだ。限界値が純子より高いのか。
 知香は快感に耐えながらも反撃してくる。舌を絡ませ、豊かな胸を擦りつけ、片手で背中を撫で、片手で尻を掴む。脚を武志の腰に回し、腰を押し付け少しでも肉棒に摩擦を加え、奥に入れようとする。
 出し入れはほとんどしていないのに、秘肉が生き物のように肉棒を刺激し、武志を追い上げていく。亀頭の先で子宮口をこすっているので痺れる快感も武志を責める。
 その時武志は悟った。知香はまだ余裕がある。今までの相手ならここまで責めると反撃などしてこなかった。やはりS級というのは凄い様だ。そしてなぜか武志のアヌスを責めて来ない。知香なら同時にアヌスを責めるくらいたやすいだろう。それをしないのは、すると武志が射精してしまうのを分かっているからだ。武志はこの人にはかなわないと思った。格が違う気がする。ただ、今は全力を尽くすしかないと武志は思った。
 武志は一層気を循環させるとともに、知香のアヌスに当てた指先から送る気の量も増やした。
「むふぅー」
 知香は口の奥で大きなうめき声を上げ、秘肉を一層締め上げる。
 それで武志がたまらず噴き出しそうになると、知香はするどく察知し肉棒の根元だけを締め、それ以外の締め付けを緩めて武志の射精を防ぐ。武志の射精感が遠のくと、再び全体を締め付け強い刺激を与えてくる。
 中に入れたままで相手に射精をコントロールされるなど初めての経験だ。武志は精神的にも肉体的にも追い詰められ、濃い精液が肉棒の根元に溜まっていくのを感じた。
 武志は知香に翻弄されながらもがんばって気を循環させ、同時に精神力で射精感を押さえる。
 そうして武志がかなりの時間がたったと思った頃、実際には挿入から十分程度だったが、武志の射精を我慢する感覚が短くなってきた。
 出る寸前まで行くと知香にいなされ、ほんの少し落とされる。そしてまた追い上げられ落とされる。
 頭の中は精液を出す事でいっぱいになってくる。知香のじらしにイライラしてくる。
 知香は秘肉を締め上げ、うめき声を漏らしながらも一向にイク気配が無い。
「知香さん。も、もう」
 武志は降参した。知香はうなずくと、腰に回していた脚をほどいた。武志は最後に激しく腰を動かすと、肉棒を一番奥に突きたて我慢する事無く吹き上げた。
「で、出ます」
 ぶっしゃー。
 武志は生涯最高と思える量を吹き上げた。溶けかけのゼリーのような半固形の物が竿を通過する感覚がして、武志は肉棒が壊れてしまうと思った。体中の水分が全部出て行くような凄まじい射精感だ。
 全身がピリピリと痺れ震える。頭の中が真っ白になる。
「あ、あああー」
 知香も武志の大量の射精を確認すると我慢をやめ、絶頂に達した。秘肉全体がピクピク痙攣しながらも一滴も残すものかと絞り上げるようにうごめいた。
 武志の射精は一度で終わらず何度も熱い塊を知香の子宮口へ叩きつけると、やがて動きを止め知香に体重を預けた。
 二人ともしばらくの間、はあはあと大きな息をしていた。
 武志は息が落ち着くとぬるんと肉棒を引き抜き、知香の横に寝転がった。疲れてしばらく動きたくない。腰には全く力が入らない。ピリピリと痺れが残っている。頭の中にもやが掛ったようで何も考えられない。気と体力をかなり消耗している。
 知香は秘肉の入り口を締め、中の物をこぼさないように気をつけながら、肉棒を口で清め始めた。
「あはぁー」
 武志はたまらず声を上げた。
 壮絶な射精の後でまだ敏感なままの亀頭を、知香は刺激が強すぎないように気を付けながらやさしく口に含み、舌で汚れを舐め取っていく。
 武志はくすぐったいような気持ち良さに目を細め知香に全てをゆだねきった。
 知香は棹の中に残った最後の一滴もちゅるんと吸い上げ、棹から袋へと自分の淫汁の汚れも舐め取っていく。
 一通り舐め終わると知香はトイレへ行き、ビデで股間を洗った。
 部屋に戻ると武志は大の字で横になっている。
 知香は側へ行くと武志の腕を枕に横になった。
「凄くいっぱい出したわね。洗っても洗っても出てきたわよ」
「今までで一番たくさん出した気がします。知香さん、凄すぎです」
「武志こそ、良かったわよ。子宮が焼けて、頭が爆発しそうだったわ。何度も意識が飛びそうになったもの。こんなに凄いの生まれて初めてだった」
「そんな事ないですよ。完全に負けました。途中で知香さんに……」
 途中で知香に言葉をさえぎられた。
「今日は接待なんだから勝ち負けとか関係無いの。楽しめばいいんだから。それよりまだいけるでしょ。さっきは味見フェラをしたから今度は元気フェラをしてあげる」
 そういうと、知香はまだ柔らかい武志の肉棒を根元まで口に含んだ。口の中に唾液を溜め、口をゆすぐように唾液で肉棒を優しく転がす。そして舌で亀頭をくすぐる。
 唾液の温かくぬるっとした中で肉棒がそよぐのはなんとも心地良くこのまま眠りたくなってしまう。

 武志は知香の相手をして自分の価値観や考え方が大きく変わった。
 フェラ一つを取ってみても武志は今まで四種類に分類していた。立たせフェラ、愛撫フェラ、抜きフェラ、お掃除フェラ。それを知香はさらに味見フェラに細分している。太さ、長さ、エラの張り具合、硬さ、味、匂い、我慢強さ、弱点などを調べるのだろう。おそらくそうした情報を技に生かすのだ。武志には言わないだけでもっと細かく分類しているのかもしれない。
 立たせフェラでも唾液で肉棒をころがすのは和子にやられた事があったがレベルが違う。唾液の量がかなり多い。S部隊は唾液の量までコントロールできるのか。そういえば愛と優もごくんと飲み込めるほど唾液が多かった。
 相手がC級、B級、A級と上がってくるにつれて、そのつど慢心しないようにして修行に励んできたつもりだった。だが、どこかで気の緩みが有ったのかもしれない。
 今日、知香と寝てみて上には上があることを実感した。イカされても悔しくない。逆にさっぱりしている。一皮向けたというか、目から鱗が落ちた気分だ。まだ学生だからとか、修行の途中だからとか細かい所にこだわり過ぎていた気がする。実際、この三ヶ月はS部隊との戦いが一番に修行になっている。
 なぜS部隊が最初から強い相手を出さずにC級から順番に出してきたか分かった気がする。最初からB級の明日香などが来ていたら確実に負けていただろう。それだと俺は自分の実力不足を感じてすぐにS部隊に入ったかもしれないが、この三ヶ月のような努力をしただろうか。それに入ったとしても負け犬根性の消極的なままで、現在の様に技を習得していた事はないだろう。
 頼子部長はそれが分かっていてだんだん相手を強くして、俺の成長を促し、同時に俺の考えが固まるのを待ったのだ。そして最後にS級の知香を使って、俺にまだまだ修行が足りない事を知らせ、S部隊で訓練する気にさせる。知香は絶対に負けないと分かっていたのだ。
 それから今まで不審に思っていた事の理由がわかった。S部隊員に手を抜かれている気がしていた事。いや手を抜くというのはちょっと違う。彼女達は全力を出していた。技に制限をかけられていたと言った方が合っている。純子、明日香、彩音とアヌスを責めてきたが、最後まで責め切らず、必ず途中で他の場所に移っている。それにアヌスを責めながら肉棒に触られた事も無いし、前立腺を責められた事も無い。おそらくアヌスでイカさないように指示が出ていたのだろう。
 アヌスが弱点だと自分で分かっていても普通の大学生である武志には鍛えるのは難しい。いつものメンバーにアヌスを舐めさせるのも、相手は年上の素人であり難しいだろう。ひょっとすると武志のセックスを盗聴して、普段はアヌスを使わない事を知っていたのかもしれない。諜報部隊である。そのくらいやっても不思議ではない。
 それで黙ってハンデをくれていたのだろう。
 武志は頼子を恐ろしくて大きい人だと思った。まさかとは思うが祖父が死ぬ前に、祖父と俺の事について話し合ったのではないか。いくら諜報組織とはいえ、一条流や俺の実力について知りすぎている気がする。戦った相手がいつもぎりぎりで勝てる相手だったのは、考えてみればおかしい。相手が手を抜いた事はまずないので、S部隊で俺の実力や成長を正確に把握していた事になる。
 武志は考えれば考えるほど恐ろしくなるので考えるのを止めた。聞いてもどうせ教えてもらえないだろうし、祖父も死んでしまい真実は分からない。父に聞いても間違いなく分からないだろう。
「武志、武志。どうしたの」
 武志が考え込んで反応しなくなったので知香が心配して声を掛けてきた。
「あんまり心地良くて、眠くなっちゃって。ぼーっとしてました」
「人が一生懸命やってるのにー」
「S部隊の技はこんな物じゃないんですよね。最高のテクを味わわせてくださいよ」
「言うわねー。本気出して行くわよ」
「次は俺も我慢しきって見せますよ」
 武志は考えるのを止め、今は知香のテクを味わい尽くそうと考えていた。

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