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一条流の戦い:第1章

 武志《たけし》は祖父武彦の遺体を焼く煙が初秋の青い空へ昇っていくのを見てもあまり悲しくはなかった。どうしても祖父が死んだと言う事が実感できないでいた。三日前まで厳しく修行を付けてくれていたのに、二日前急性心不全で突然倒れ、病院に運ばれてそのまま息を引き取った。享年六十八とまだ早い幕切れだった。そのまま通夜、葬式と慌しい中を時間が流れ悲しむ暇が無かった。
 葬儀には生前の祖父の人柄からか多くの人が弔問に来た。工場勤務の時の同僚や後輩、定年後始めた気功サークルの教え子、近所の人など。親戚や父の会社関係を除いて百人以上も来てくれたのは表向き市井の人として生きた老人の割には多いほうだろう。
 家族が葬儀場で初七日、精進落としを済ませ家に帰り着いたのは夜七時近かった。いつも祖父、両親、武志の四人で囲んでいたテーブルは一人欠けただけでとてもさびしく感じられる。父親が饒舌ではない分、祖父がいつも冗談を言って場を盛り上げていたが、その祖父がいないと会話も少なく、空気まで寒々しい感じがする。
 それでようやく武志は本当に祖父が死んだと感じる事ができた。

 それから一週間あまり過ぎた土曜日の夜、武志は父の武雄に書斎まで呼ばれた。
 武雄はいつもより真面目な顔で、真剣に聞けとでも言いたげに武志に話始める。
「お前も知っている通り一条流は一子相伝の教えだ。本来ならば私が爺さんの後を継ぐべき所だが、私は結婚してるし会社もある。修行と言って母さん以外の女性と寝る事は考えられない。一応免許皆伝は受けているが、これ以上修行する事はできない。そこでお前が爺さんの後を継がないか。才能や今後の可能性からいっても、お前が継ぐべきだろう」
 そう言って武雄は武志に一つの箱を差し出した。
「これは?」
 武志が疑問の声を上げると、武雄は答えた。
「爺さんの遺品から出てきた。古い方は先祖から代々伝わる古文書で、新しい方はじいさんが作った現代語訳と資料だ」
 武志が蓋を開け中を見ると古い巻物と、使い込まれたノートが入っている。
 武志がノートを手に取り中を見ていると武雄は話を続けた。
「私が修行した時には古文書しかなかったから、訳と資料はじいさんが今までにコツコツと書き溜めた物だろう」
 訳は古文書を現代語訳した物に祖父なりの考えが注釈として書き加えられている。資料には祖父が独自に調べた事や考えが雑然と書き連ねてある。
「おそらくじいさんはお前が二十歳になったら折を見て渡そうと思ってたんじゃないかな。お前は古文書なんか読めないだろ。まあ、私も読めないけどな」
「それで、俺にこれをどうしろって言うんだ」
「好きにすればいい。そのまま何もしないで保管してもいい。お前に子供ができた時に受け継がせてもいい。いっその事、燃やしてもいいぞ。現代で普通に生きるには必要無い物だからな。ただ私の考えを言うと。お前は才能があるようだから、これを活かす生き方を考えても良いんじゃないかな。じいさんはお前に後を継いで欲しかったんだと思うぞ」
 武志は祖父が自分に後を継がせようと思っていたと言う話を初めて聞いた。
「じいさんは戦争真っ只中で育って、戦後の混乱期から定年までずっと働き詰めだったからな。先祖の技については俺に基本を教えるのが精一杯で、自分の技を極めるとかできなかったはずだし。私も、まあ、あんまりいい生徒じゃなかったしな。じいさんが定年後お前の修行に一生懸命だったのは、自分の代でご先祖様からの技術が途絶えるのが忍びなくてお前に継いで欲しかったんじゃないかな。武志は才能があるって何度も言ってたし」
 武雄はお茶を一口のみ話を続けた。
「私は才能がなかったから、見込みのあるお前に技術の継承と発展を任せたかったんだろう。私もその資料を一通り見てみたが、じいさんは先祖の技術と現代科学を融合させて一条流の更なる発展を目指してたみたいだ。でも戦争嫌いのじいさんの事だから、争いの元になるような先祖の技術をどうしたかったのかは分からないけどな。まあ、じっくり考えて結論を出しなさい」
 武雄はお茶の残りを一口で飲みほすと、もう話は終わりだとばかりに武志にうなずいた。
 武志は箱を受け取り部屋に戻り、あらためて祖父が作った資料を見てみた。そこには祖父が知りえた範囲での一条流の歴史や性に関する技術について書かれていた。
 戦国時代、子を作る事は大きな問題であった。男子は跡継ぎ、女子は政略結婚のため、他にも人質、養子縁組など子の重要性は高かった。しかし、戦国大名の中には子に恵まれない者もあり、自然発生的に性に関する技術が生まれ、それを研究する者が出てきた。海外との交易が盛んになると中国の房中術の考えも取り入れて発展した。だが、大名達が愛妾を多く召抱えるにつれ、その考えも変わってきた。武士たる者、妾を満足させてこそ男子たると、子をなすだけではなく女性を満足させ自分も性を楽しむ考えが加わってきた。
 そういった教えの中で一番大きな勢力を誇ったのが一条流である。江戸時代に入ってからは幕府に旗本として使え代々の将軍に性の技術を教え現在に繋がる。
 よって一条流は教えの対象を男性だけに限定している。大奥、後宮、女忍者などから派生して女性を対象にした他流派とはそこが大きく違う。
 武志はその一条流嫡流の末裔にあたる。
 資料は他にも他流派の事についてや、現代科学との関連についての考察など、多岐にわたっていた。祖父は自分でも急に死ぬとは思っていなかったためか、書きかけの物も多かった。特に医学との関連については高等教育を受けていない祖父には難しかったのか記述がとても少ない。
 小学校入学と同時に始まった武志の修行は肉体的な技術ばかりで、この様な知識について武志はほとんど知らなかった。
(ほんとにこんな物どうすればいいんだよ)
 大学二年で二十歳の武志は祖父から受ける修行はまだまだ続くものと思っていたし、将来の事を考えるのは就職活動の始まる三年になってからでいいと思っていた。それに祖父の後は当然、父が継ぐものと思い、心構えなど何もしていなかった。
 いきなり五百年も続く一条流の後を継げといわれて、はい分かりましたと言えるものではない。
 いくら考えても結論などすぐには出ない。祖父が主催していた気功サークルは当面休みにすると連絡してある。じっくり考える事にして武志はベッドに潜り込んだ。

 しばらくの間、早朝は小学校からやっているトレーニング、昼は大学、夜は祖父の資料を読むという日々が続いた。二週間がたち、武志は欲求がだんだん溜まってくるのを感じていた。最後にセックスしてから三週間にもなる。
 一条流では原則として初体験後の自慰での射精を禁止しているので、若い武志としては欲望を抑えるのが難しくなってきていた。祖父がいない今はそんな決まりを守らなくても誰にもしかられないが、この二年間守ってきた決まりをいきなり破るのは気が引ける。祖父が死に一ヶ月も経たないのだ。それに武志は元来真面目な性質なので決まりを破るのには大きな罪悪感を感じてしまう。
 この数日は通学途中や大学構内で女性を見るだけで股間に血液が集まるのを感じ、頭の中が熱くなってくるまでになっていた。
 武志は童貞ではない。十八歳になってからは、祖父が紹介してくれた女性を相手にセックスを学んできた。ほとんどが年上の女性で未婚者や未亡人だったが、一週間か二週間に一人はセックスをしてきた。相手は性について悩みを持つ人達で武志とのセックスを通じて悩みを解消するのが目的だった。
 今まで自分で相手を探してセックスをした事は無い。祖父からみだりに技術を使うなと言われ、勝手なセックスを禁止されていたせいだ。
 武志は顔こそどこにでもいそうなごく普通のおとなしい顔をしていたが、身長は175cmと高めで体はトレーニングにより筋肉質で引き締まっていた。性格も真面目で人に優しい。その気になればすぐにでも彼女はできそうだが、祖父から交際は止められていた。
 そのため女の友達はいたが付き合ったりした事はない。中学、高校と何度か告白された事はあったが忙しいからと丁寧に断っていた。
 そしてついに欲求が溜り我慢できなくなったある日、武志は祖父のやっていた気功サークルのメンバーの一人である美穂に連絡を取った。
 美穂は三十二歳、バツ一の会社員で武志の初めての相手である。この二年間で何回ともなく体を重ねている。気功サークルが集まる時に使っていた公園へ日曜日に呼び出した。セックスしたいというのもあるがサークルについて相談したい事もあった。
 十月の公園は運動の秋とでも言いたいのか、それとも天気が良いせいか家族連れやカップルがのんびりしたり、犬と一緒に走っていたり、そこそこ人でにぎわっている。
 武志がここに来るのは一ヶ月ぶりだった。先日までここで行われていた気功サークルへ武志は時々参加して一緒に練習した事もある。祖父が別の用事で来られない時などは、祖父の指示で簡単な指導もやっていた。
 美穂は約束の十時ちょうどに現れた。下は膝上のフレアスカートに上はブラウスにカーディガンを羽織っている。社会人としてバリバリ働いているせいか、年よりは若く二十代後半くらいに見える。勝気な性格のせいか顔は少しきつい感じがするが厚めの下唇はエッチな感じがして、そこそこ綺麗な方だ。身長は武志より頭半分低く中肉中背。外資系キャリアウーマンらしく週に一度はジムに通って体型と体力維持に努めている。だが、年相応に腰周りには脂が乗りヒップも大きく、歩く姿を後ろから見ればかぶりつきたくなる。
「お久しぶりね、武志君。この度は大変だったね」
「美穂さん。お久しぶりです。祖父の葬儀に来て頂いてありがとうございました」
「そんな他人行儀な事言わないで良いわよ。武彦さんには私もお世話になったんだから。それより、今日はどうしたの。またエッチがしたくなった。今日なら大丈夫よ。私も生理前で欲しいなあって思ってた所なの」
 美穂のストレートな言い方に武志は少しはにかんだ。
「それもあるんですけど。サークルの事で聞いてみたい事や相談したい事があって」
「いいわよ、何でも聞いて」
「祖父がやってた気功サークルなんですけど。俺は人に教えられるほど詳しくないし、他に教えられる人も知らないし、解散させてもらおうかと思ってるんですが、どうでしょうか」
「それは仕方がないんじゃない。そもそも、あのサークルは武志君の為におじいさんが作ったようなものだし」
 武志は驚いた。そんな話聞いた事がない。
「どういう事ですか。俺はじいさんの暇つぶしかと思ってました」
「半分は私の想像なんだけど。武志君はおじいさんにセックスを教えてもらってたんでしょ。それで女性のセックスの悩みを解消すると同時に武志君の相手を探す。一石二鳥を狙ってメンバー集めの為にサークルを作ったんじゃないかな」
「確かに、メンバーの中の何人かはご一緒させてもらいましたけど」
「私もだけど、女性メンバーはけっこうおじいさんにセックスの相談をしてたのよ。おじいさん、なかなか話がうまくて、いつの間にか乗せられてエッチな話になっちゃうの。その中から武志君とセックスしたらお互い良さそうな人を選んでたんだと思うのよ。そのせいか、メンバーは女性が多かったし。それにメンバー以外で武志君がエッチしたのって、多分メンバーの口コミでおじいさんにセックスの相談に来た人だと思うわよ。私も一人紹介したし。私と同じくらいの年で美和って人を覚えてない。彼女は私が紹介したのよ。あの後、セックスで感じられる様になったって喜んでたわよ」
 武志は昔の事を思い出していた。そういえば一度相手をした中に美和という人がいたような気がする。けっこう綺麗な人だけど不感症で悩んでいた。感じやすくなるように気の道を通りやすくしてあげたはずだ。
「だからサークルは一旦解散して、メンバーの中からエッチの相手だけを選んで武志君が新しくセックスのサークルを作っちゃえば良いんじゃない」
「えーっ。そんな事して良いんですか。そんなの二股どころの話じゃないし、女の人が怒っちゃうんじゃないですか」
 男が一人で女が複数のセックス・サークルなんて非常識なものに女性が参加するとは思えない。
「そんな事ないわよ。武志君は気付いてないかもしれないけど、女性側は口には出さないだけで、武志君が他の人ともエッチしてる事知ってるわよ」
(えーっ、他の人にはばれてないと思ってたのは俺だけか。俺は一生懸命他の人にばれないように気を付けてきたのに。最初から言っててくれればもっと気が楽だった。でも、それはじいさんが俺に安易なセックスをさせないよう考えていたのかもしれないな)
 そう考えると武志は損をしたような、悔しいような、でも、それで良かったような複雑な思いがした。
「美穂さんはそれでも良いんですか」
「私はそれで良いわよ。武志君の事は好きだけど、結婚は一回失敗してるから今は考えられないし。仕事が忙しくてたまにしか会えないから武志君を束縛する気もないし。たまに会って、その時にいっぱいエッチしてくれたら私は満足よ」
 なにか武志は納得しきれない。それでは自分は単なるセックスの道具のような気がする。
「でも、俺の気持ちってものもあるし……」
「何よ今までさんざんエッチしまくって来たくせに。別に今までと何も変わらないでしょ。それで、メンバーの連絡先は分かるんでしょ。今晩でも全員に連絡したら良いわ。それで来週にでも新サークルの顔合わせでもやりましょうよ」
「そんな急にですかぁ」
「こんな事は勢いでさっさとやった方が良いのよ。メンバーの中には長い間エッチしてなくて溜まってる人もいるはずだし。そうと決まれば、二人で新メンバー選定と前祝をやりましょう」
 美穂は武志の手を引くとずんずんと歩き出した。武志は仕方がないなという顔をしながら美穂に引っ張られて歩き出した。

 二人は早めの昼食を軽く取りながら、新しく作るセックスサークルのメンバーについて話し合った。それが終わると美穂は、さっそくとばかりにラブホテルへ向かった。
 美穂は何を急ぐのか手近のホテルに入ると一番高い部屋を選び、ずんずんと進んでいる。武志は気後れしながらも早足で付いていく。
 部屋に入り靴を脱ぐと待ちきれないとばかりに武志に抱きつき、口に吸い付いてきた。舌を差し入れ、武志の口の中をひとしきりかき回して味わう。
 しばらく激しいキスをしてから口を離した。少し落ち着いたようだ。
「実は昨日、武志君から電話があってから体がほてって仕方がなかったの。今日、時間は大丈夫なんでしょ」
「晩飯までに帰れば良いですけど」
「時間はたっぷりあるわね。お葬式以来してなくて溜まってるんでしょ。いつもみたいに遠慮はしないで、何回でも好きなところへ出していいのよ。今日は大丈夫な日だから」
 武志はいつも一回のセックスにつき一回しか射精しない。祖父からの教えというか一条流の考え方なのだが、人間が一生の内に射精できる回数は決まっていると教えられている。それに射精は単なる挿入より著しく気を消耗する。女性を満足させる事を重要と考える一条流では子作りではない楽しみの為のセックスでは、射精の回数を減らして気の節約を図り長時間女性を喜ばすほうを良しとする。
 回数に科学的な根拠はないが、歴史上の荒淫の人物がほとんど早世している事から、あながち間違いともいえないと武志思っている。
 そこで一条流が重要と考える二つの点のうちの一番目として射精のコントロールがある。
 武志も修行を始めた頃は射精を我慢する事を厳しく教えられた。そして、ある程度我慢ができるようになると次は射精の一歩手前の気持ち良さを持続させる事を教えられる。そして最終段階として好きな時に射精することを教えられる。
 射精は八年の修行でかなりコントロールできるようになっている。しかし、今日は時間もある事だし、何回射精できるか自分の限界に挑戦してみたい気もする。祖父が亡くなり抑えていたものが無くなって、羽目をはずしたくなっているのかもしれない。
 美穂は武志をどんどん脱がしていく。ジャケットを剥ぎ取り、シャツのボタンをはずす。武志の胸板があらわになるとさわさわとなでる。
「相変わらず良い体してるわね」
 そう言いながら、美穂は武志の胸に唇を這わす。唇で胸の筋肉の縁をなぞっていく。左手は背中に回し、右手でズボンの上から股間をまさぐる。
 肉棒は一ヶ月に及ぶ禁欲ですでにガチガチに硬くなり、ズボンに形を浮き上がらせている。美穂はその形に合わせてやさしく上下にさする。
 武志の肉棒は大きさ、太さは平均よりちょっと上の程度だが、硬さは人並みはずれている。それにカリが釣り針の返しのように広がっている。これで擦られると女性は内臓を引きずり出されるような感覚がするらしい。
 武志は眼をつむり、淡い快感を噛み締める。ゆっくり大きく息をして、意識を集中し気を丹田に集める。
 今にも暴発しそうな射精感を精神で押さえ、快感だけを感じ取る。
 美穂は武志のベルトを外し、ズボンを脱がしていく。トランクスを降ろそうとすると昂ぶりきり真上を向いている肉棒がひっかかり邪魔をする。美穂は武志が痛くならないように気をつけながら、トランクスを下ろした。
「男の匂いがする」
 美穂は武志の股間に鼻を寄せ。大きく息を吸う。剥けきった亀頭の裏側から袋の下まで鼻を鳴らし匂いを嗅いでいく。二人ともシャワーを浴びていないので、秋とはいえ武志の体にはけっこうの匂いがこもっていた。
「この匂いは何度嗅いでも興奮するわね」
 美穂は何度も大きく息を吸い香りを楽しみ十分満足すると、舌を伸ばし亀頭の先端をぺろりと舐めた。
「はうっ」
 武志は思わず腰を引いてしまう。
 美穂はいきなり口に咥えるような事はせず、舌を伸ばしたまま亀頭を舐める。唾液に塗れて光るまで舐めると、舌をだんだん根元にむけて下ろしていく。一旦根元まで降りると、別の場所を舐め上げていく。そうして肉棒全体が唾液に濡れるまで舐めていく。
 すでに肉棒は限界まで硬く大きくなり、先からは絶えずガマン汁をにじませている。
 そこまでして美穂はようやく亀頭を口に含んだ。まだ頭は動かさず、そのまま舌を絡み付けて亀頭を責める。
「ああぁー」
 武志は久しぶりの感触に満足の声を漏らす。二十歳の男が一ヶ月も射精をしていないのだ。相当の量の精液が溜まり、恐ろしいほど濃縮されている。普通の男なら舐められただけで吹き上げてしまう所だが、小学生の頃から鍛錬している武志は強い精神力で耐えている。
 美穂はようやく抽挿を始める。唇を適度な圧力で締めながら頭をゆっくり上下させる。その時舌を動かし快感を増やす事も忘れない。
 十歳以上も年上の女性が赤い唇を淫らに開き肉棒を咥えている姿を見ると武志はたまらなくなってくる。
 美穂の唇の端から唾液が糸を引いて垂れていく。
「美穂さん、もう……」
 まだ我慢する事はできるが、せっかくの機会だと、武志は我慢する事を止めた。美穂が精飲が好きなのは今までの付き合いで知っている。一発目は口の中に出す事にして、肉棒からの快感を噛み締める。腰がしびれ、玉が持ち上がってくるのが分かる。
 美穂は抽挿のスピードをあげ、肉棒に指を絡めた。美穂の指は細く、長く、白い。それが肉棒に絡められているととても淫靡に見える。
 武志は美穂の頭に手を置き、前後に揺すり始める。美穂は指を唇に当て動きが深くなりすぎないように調整しながら限界まで肉棒を飲み込んでやる。
 美穂は今まで会った女性の中で一番フェラチオがうまいと武志は思った。前の旦那に仕込まれたかと嫉妬の気持ちが頭をよぎる。
 唇の力の入れ加減が絶妙で搾り取るように締め付けてくる。舌の動きも忘れないし、下半身がとろけそうに気持ち良い。
 武志は限界が近づいてきた。美穂は亀頭が膨らみ射精は近いと察すると、頭の動きに回転を加え肉棒にひねりまで与えてくる。
 武志はこれにはたまらなかった。
「で、出ます」
 喉の奥まで突っ込みたいのをこらえて、亀頭だけを口の中に残し、発射の引き金を引いた。両手で美穂の頭が逃げないように押さえている。
 びゅるるるー、びゅるるるー、びゅるるる。
 美穂は熱い塊が口の中を叩くのを感じた。一か月分の大量で粘度が高い精液が美穂の口の中を満たす。
 美穂は射精を助けるように自らも亀頭を吸う。射精のスピードが速くなり武志の快感がさらに強くなる。
 射精は数度の激しいものだけで終わらず、まだ小さく出ている。
 びゅるっ、びゅる、びゅる。
 ようやく武志は精液を出し切り荒い息をした。腰の周りが溶けている様な、ピリピリした感覚がする。
 眼をつむり大きく息をしながら余韻を楽しむ。
 美穂は口の中の物を難なく飲み込んだ。全て飲み込むと、亀頭を強く吸い、棹の中に残った精液もちゅるんと吸い取ってやる。
 何も言わなくても飲み込み、残り汁まで吸い出してくれる美穂を見て、武志は小さい征服感を覚える。
「相当溜まってたんじゃないの。量も多いし、すっごく濃いわよ。まるでゼリーみたい」
 美穂が少し呆れた口調で言う。
 一条流では食べ物にも教えがあり、貝類、海草、青魚が良いとされ、武志の家では毎日の様に食卓に出される。精液が濃いのはそのせいかもしれない。
「シャワーは後でいいでしょ」
 美穂は武志の手を取りベッドに誘った。
「望む所ですよ」
 美穂は武志を全裸にして寝かせると、その上に覆いかぶさり武志の体の匂いを確かめながら全身にキスをして舐め回した。
 美穂は性格からかいつもイニシアティブを取りたがる。武志は舐め回されるのは嫌いではないので美穂の気が済むまで自由にさせてやる。
 美穂はマーキングしているかの様に武志の体中を自分の唾液で濡らしていく。顔から始まり、首、肩、腕、胸、腹、脚はもちろん、手の指、足の指も一本ずつ丁寧に舐めあげていく。ただし股間だけは先ほどのフェラチオで十分楽しんだからいいのか、じらすためか口を付けない。
 一度出しているにもかかわらず肉棒は硬くなり、美穂の愛撫に合わせて揺れ、腹を叩いている。
 表が終わると武志をひっくり返しうつ伏せにすると、次に体の裏側を舐め始める。背中や膝の裏など武志の弱い所を探しながら舐める。お尻の穴は好物なのか特に丁寧に舐める。やさしく舐めるかと思えば、尖らせた舌先でチロチロと高速に舐める。穴だけではなく穴の周りや尻の頂までまんべんなく舐める。十分味わって味と匂いがしなくなると舌を穴の中に差し込んで内側を楽しむ。
 武志は肛門が弱点で、思わず、うひゃうと変な声を出してしまう。美穂はその声が楽しいのか、舌を出し入れしたり、舌を入れたまま中で動かしたりして武志の反応を楽しむ。その度武志は軽い悲鳴を上げる。
 肛門を責められると体中の力を吸取られるような情け無い気持ち良さがある。お尻から背中を通って頭までくすぐったい様な、痺れる様な感覚が突き抜ける。武志は肛門が弱点であると自分で分かっているのに、せがむように尻をくねらせてしまう。
 美穂は一通り舐め終わると最初の方の場所は乾いてしまっているので、もう一度元に戻って舐め始める。そうして、武志の若い体の味を存分に楽しみ終わる頃には、武志の股間は最大限まで張りつめ硬くいきりたっていた。
「来て」
 美穂は我慢できなくなったのか武志の横で上向きになり手を差し伸べた。
 武志は膝立ちで美穂ににじり寄る。美穂は両脚を大きく広げ、武志が入れやすいようにする。武志からは何も愛撫をしていないのに、すでに秘肉はじっとりと濡れ、尻に向かって汁が垂れてきている。
 武志は肉棒を数回秘肉の入り口に擦りつけ淫汁をまぶす。そして先端を秘肉に当て準備する。
「入れますよ」
 そう声を掛けると、ゆっくり腰を進めていった。先端が温かくぬるぬるしたものにくるまれる。一ヶ月ぶりの感触に武志は目を細める。
 気持ち良い。
 先ほど口の中に一回出しているので射精感はまだ遠く、快感だけを味わう事ができる。
 腰をそのまま進め、肉棒を埋めていくと、温かい感触が棹に広がっていく。溶けるように気持ちよい。
 美穂は出産経験はないが、離婚歴があるだけに、秘肉は十分こなれ硬さは感じない。適度な柔らかさを持った肉がやんわりと武志を包んでくれる。濡れ具合も十分で抵抗を感じさせないで肉棒を飲み込んでいく。
 肉棒が最奥へ届いた。先端にコリコリした物が当たってさらに気持ち良い。子宮口だ。
 美穂も久しぶりの肉棒に、秘肉が熱く燃え快感が子宮から脳まで焼くのを感じる。
 武志は肉棒の先を通して子宮口に快楽の元である『気』を少しずつ送っている。気は子宮口から子宮、脊髄をとおり脳の快楽中枢まで送られる。美穂の体は武志との何回にも及ぶ性交で気が通りやすくなり、激しい快楽を感じるようになっている。
 美穂は武志が一条流の使い手だという事は知らないので、体がなじんでいるとか、武志が感じるポイントを覚えていて凄いテクを持っていると思っていた。相手の女性の感じるポイントを探り当て、そこをタイミング良く責める事は一条流の基本的技術として武志は習得している。それに加えて気を送る事で美穂は普通の男相手では得られぬ快楽を得ているのである。
 一条流の重要な考え方の二番目が気のコントロールである。気とは現代風にいうと生体エネルギーにでもなるだろうか。普通の男だと射精時に気が一度に放出されるが、一条流では気を自由にコントロールして相手に流し込む事により、性的技術との相乗効果で大きな快楽を相手に与える。
 気は舌先、指先、亀頭から出て、相手の体全体に送る事ができるとされている。送られた気は体の中を通りながら、そこに快楽を与え最後に脳に達すると考えられている。一条流の教えでは子宮口、陰核、乳首、肛門、口などが気を受けやすく感じやすいとされている。
 気を出す事は少しずつ射精を行う様なもので体力を消耗する。その為、一条流では基礎体力の増加を重要視しており、武志は幼少の頃より毎日のトレーニングを欠かした事はない。10キロの走りこみ、腹筋・背筋の強化、腕立て伏せ、レッグプレスが主なメニューで全身の筋肉を鍛えている。
 上級者になると、相手に与えた気を回収して再び相手に与える事ができるようになる。こうすると無限に気を送り続けられるようになるが、修行の途中である武志にはまだできない事である。
 よって武志は限りある気を少しずつ送る事で有効に使っている。

 美穂は久しぶりのセックスだということも手伝い、生涯最高の快感を感じている。子宮が燃える錯覚を覚え、頭の中が白くなり自分の状況が分からなくなる。ただ無意識の内に腰を振り武志の動きに合わせる。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
 武志が腰を突き入れるたびに声が漏れ出る。どうしてこんなに感じるのか自分でも分からない。肉棒に支配され屈服させられ、これ無しでは生きられない気がする。肉棒がただただ愛しい。
 武志はピストンに合わせ、節約することなく秘肉に気を送り込み、休むことなく絶頂させ続ける。
 美穂は先ほどから何度も軽い絶頂を迎えている。それでも武志は動きを止めない。そして美穂は何度も大きい絶頂に襲われる。
「すごい、すごい、すごい、すごい」
 幾度もの快感の波に飲み込まれ、その度に大きな声をあげている。あまりの快楽に意識がだんだん遠のいていく。
「あーっ、もー、おかしくなるー、早く、早く来てー」
 もっと武志を感じていたいのにと、美穂はもどかしく思う。武志の背中に手を回し、力いっぱい抱きしめる。乳房が二人の胸の間で潰されゆがむ。少し息苦しいがそれさえ快感に感じてしまう。
 腰を武志に叩きつける様に持ち上げると、肉棒の先端が一番奥にごんごんとぶつかり、さらに快感のレベルが上がる。
「もうダメ、出して、出して、中に出してー、はやくー」
 武志は美穂の体力が限界に近づいたと見て、最後の責めだと大きく腰を動かし、肉棒を子宮口に押し付ける。我慢を止め、いつも以上の気を送ると同時に射精の引き金を引く。精液が肉棒を通る快感に腰を震わせる。少しでも奥へ出すために美穂の腰を強く引きつけ精液を秘奥へ叩きつける。
 びゅるびゅるびゅるーっと、一回目のフェラの時以上の量の精液が飛び出していく。
 美穂の体の中を今まで味わった事の無い快楽が子宮から脳まで一気に突きぬけ、頭の中で爆発する。
「あっ、んんー……」
 美穂は声も出せず、息を詰め、力一杯武志の体にしがみつき、肉棒をひとしきり強く締め付ける。体がガクガク震え、秘肉がピクピク痙攣し武志を喜ばせる。その後体中から力が抜け落ち動かなくなってしまった。あまりの快楽の激しさについに気を失ってしまった。
 武志は最後の一滴まで出し尽くすと入れたまましばらく余韻を楽しんでいたが、美穂が目を覚まさないので肉棒をぬるりと抜き去った。
 美穂の股間から精液がどろりと溢れ出し、お尻を通ってシーツに垂れるが、それでも美穂は反応しない。
 武志は浴室で軽く体を清め、タオルをお湯で濡らし蒸しタオルを作ると美穂の股間をきれいに後始末してやる。
 時計を見るとホテルに入ってから二時間ちょっと経っている。この間に美穂は何回達しただろう。数えてはいなかったが大きくイッたのは少なくても五回以上、最後のほうは細かくイキ続けた様だし、最後は失神してしまった。
 武志が出したのは最初のフェラで一回、最後の中出しで一回の計二回だ。今日は限界まで挑戦しようと思っていたが美穂がつぶれてしまったので試す事ができなくなった。
 今までのセックスでは修行も兼ねてなるべく気を節約していたため、相手の女性がこれほどイキ続ける事はなかった。今日は今までより多く気を使ったが、まだ半分近くは残っている感じがする。まだ修行途中の自分が力半分で、これだけ女性を感じさせる事ができるという事は、祖父や奥義まで極めた先祖はどれほどすごい力を持っていたのだろう。そう考えると武志は少し怖い感じさえした。

 武志が一時間くらい美穂の横で物思いにふけっていると、美穂の眠りが浅くなってきた。やさしく声をかけ美穂を起こす。
「あれ、私どのくらい寝てた」
 少し寝ぼけながら美穂が言った。
「一時間くらいですよ」
「私、気を失ってたのね。今日の武志君は凄かったわ。前までの武志君も凄くて、体中がしびれて頭の中が真っ白になって死んじゃう、死んでもいいって感じだったけど。今日の最後の方は、もう何も考えられなくて、声も出せないくらい体中がしびれて、最後は頭と体の中で何かが爆発して死んじゃったって感じだった」
「死んじゃうじゃなくて、死んじゃったんですね」
「そう、だから今の私は一回死んで生き返った感じ。今日はいったい何をしたの」
「一ヶ月ぶりだったし、じいさんが死んで何か吹っ切れたのかもしれない」
「でも今日みたいなのは特別な日だけにしてね。癖になったら困るし、そうしょっちゅう死ぬわけにはいかないからね」
 美穂は冗談とも本気ともとれる口調で言った。
「腰が痺れてまだ動けない。やっぱり武志君は私だけでは相手しきれないわ。早くセックスサークルを作って、やりまくって発散させたほうがいいわよ」
「今晩にでも、みんなに電話をかけてみますよ」
「私の方からも電話をかけておいてあげる。その方が話が早いでしょ」
「よろしくお願いします」
「それで来週の日曜なら私は開いてるわよ。生理もちょうど終わってると思うし。やりまくれるわよ」
 そう言って美穂はうれしそうな眼で武志を見つめた。

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